2021-01-01から1年間の記事一覧

戦争のリマインダー(2)~映画『ミッドウェイ』再び~

昨年9月に映画館に足を運んで以来、小一年、ご無沙汰です。未だにワクチン接種が済んでいないので、引き続き外出自粛モードで臨んでいるからです。その間、amazon prime videoやwowowオンデマンドの視聴機会が増えたので、不満が昂じているわけではありませ…

戦争のリマインダー(1)〜2021年NHK終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」〜

毎年、終戦記念日が近づくと、地上波やBSで太平洋戦争をテーマにしたドラマや映画が放映されます。今年は13日にNHKが放送した九州帝大医学部生体解剖事件を題材にした終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」が一番心に響きました。鳥居太一役の…

妻が憤る日本発高級ブランド「シャインマスカット」の国外流出

我が家の食卓で巨峰やデラウエアを見かけなくなったのはいつ頃からでしょうか。代わりに頻繁に登場するようになったのは日本発高級ブランド「シャインマスカット」。皮ごと食べられる上に糖度が高いので、2011年頃からスーパーなどで流通するようになると、…

映画『マーシャル・ロー』(原題:The Siege)が予知した9.11同時多発テロ

最近、1998年に米国で制作・公開された『マーシャル・ロー』を観て、思わず唸ってしまいました。というのは、映画公開から3年後の9月11日に起きた米国同時多発テロをまるで予知したかのような内容だったからです。莫大な予算を使って世界中に諜報網を張り巡…

猿之助に代わって巳之助が熱演『加賀見山再岩藤』(八月花形歌舞伎)

昨年来、観劇もコロナ禍の影響をもろに受けています。忘れもしない去年の8月5日のことです。八月花形歌舞伎第3部「吉野山」(『義経千本桜』四段目口)のチケットを手配してあったので、歌舞伎座に出向いたところ、突然休演のアナウンス。微熱の舞台関係者がい…

超低金利時代に蔓延する金融ドラッグ汚染

最近、日経朝刊に<超低金利が招く老後危機>と題する記事が掲載されました。大規模な金融緩和のしわ寄せから、運用難に喘ぐ米国公的年金が運用成績を押し上げやすいレバレッジ運用(「梃子の原理」に倣い投資資金を借入金で膨らませること)に活路を見出し…

2021年7月北海道登山遠征(前篇:羊蹄山登山)

7月第2週週末、昨年晩秋降雪のためやむなく断念した羊蹄山登山に再チャレンジ。まだ梅雨明け前の東京ではぐずついたお天気が続いていましたが、梅雨のない北海道の7月中旬なら、お天気の心配はなかろうとの判断からでした・・・新千歳空港でレンタカーを借り…

<チャイニーズ・タイペイ>を快く思わない台湾のお国事情

東京五輪で台湾選手が大活躍していることにお気づきでしょうか。8/1現在、メダル獲得数は10個(金2・銀4・銅4)で2004年アテネ大会の5個(金2・銀2・銅1)を上回り、史上最多を更新中なのです。東京開催ですから日本人選手の活躍に目が行きがちですが、7月31…

トーハクで聖林寺「十一面観音菩薩立像(国宝)」を拝む〜不便な事前予約システムには閉口する〜

7月中旬、今年初めてのトーハク訪問。拝観前に事前予約をしたわけですが、外部システム(イープラス)依存の事前予約システムの使い勝手の悪さにはほとほと閉口させられました。都美に比べると総じてトーハクの来館者対応はお粗末です。今回の特別展の目玉は、…

禁断のビーズソファ<Yogibo>を買って東京オリンピックTV観戦

東京オリンピック日程(7/21〜8/8)が佳境に入った段階で、リビングのソファがファブリック交換のためスケルトン状態になってしまいました。ファブリックの張替えが済むまで1ヶ月前後、最悪のタイミングでした。代用品に浮上したのは、Yogibo(ヨギボー)のビー…

<モエレ沼公園>から企画展「イサム・ノグチ 発見の道」へ

6月1日から再開した都美の企画展「イサム・ノグチ 発見の道」(会期:8/29まで)へ足を運ぶ前に、どうしてもこの目で見ておきたかったのが札幌市東区にある<モエレ沼公園>でした。同公園の基本設計を手掛けたのは世界的彫刻家として知られるイサム・ノグチ。…

マエストロ鈴木雅明氏が語る「マタイ受難曲」(21-6-20)

先月20日、「マタイ受難曲を語る」と題した出版記念講演を聴こうと朝日カルチャーセンター新宿教室へ足を運びました。オンライン受講も可能でしたが、肉声を聞きたくて最後の一席に滑り込みました。勉強熱心な高齢者が目立つカルチャーセンターはどちらかと…

立花隆さんの後悔〜森羅万象への尽きることのない好奇心の代償〜

立花隆さんの著作を貪るように読んだ時期がありました。20代で出会った『宇宙からの帰還』(1983年)を皮切りサイエンスの世界に切り込んで次々と刊行される氏の著作は殆ど目を通したはずです。どこまで理解できたかは甚だ心許ないのですが、日本人ノーベル賞…

映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』(2019年)で知るホロドモール

時代背景を知ってから観るとこの映画をより深く理解できると思います。本作は、実在したイギリス人ジャーナリストによるスターリン治世下のソビエト連邦をめぐる決死の取材を描いたものです。冒頭、ウエールズ出身の若きジャーナリスト主人公ガレス・ジョー…

映画『ホテル・ムンバイ』のエンドロールに感涙

2008年11月26日夜、インド最大の都市ムンバイ(旧英語名称:ボンベイ)で同時多発テロが発生し、鉄道駅、病院、レストラン、ホテル等がパキスタン系テロリスト集団に襲撃されました。犯人グループの正体は今も不明のままです。映画『ホテル・ムンバイ』(2018年…

6月23日は沖縄「慰霊の日」

今日、6月23日は沖縄「慰霊の日」(1965年に沖縄県が制定した記念日)です。沖縄ではこの日はお役所も学校もお休みになります。上皇陛下は、「終戦記念日」、「広島原爆の日」、「長崎原爆の日」とともに「後に忘れてはならない4つの日」だと表明されています…

ゆったりと寛げる椿屋珈琲店~ビーフカレーと珈琲は黄金の組み合わせ~

不摂生な生活が祟って睡眠不足が昂じ、このところ、ポカミスを連発しています。六月大歌舞伎(第三部)の予約日当日、チケットを持たずに自宅を出発し、四ツ谷駅で気づいて慌てて引き返すという痛恨のミスを犯してしまいました。妻が気づいて連絡をくれたの…

三鷹にクラフトビール誕生!~ブランド名はOGA~

クルマで都心に出掛けるとき、いつも視界に入っていたお店がまさかクラフトビール醸造所(Brewery)だったとは!醸造用タンクらしきものが遠目に見えてはいたのですが、三鷹にビール醸造所が誕生していたとは想像だにしませんでした。たまたま、行きつけの床屋…

2021 年雨天の「桜桃忌」

今日6月19日は「桜桃忌」。そう命名したのは同郷で同い年の友人、今官一です。この日が太宰治の命日とされていますが、愛人山崎富栄と共に玉川上水へ向かい入水自殺を図ったのは遡る13日深夜のこと。当時、人喰い川と呼ばれていた玉川上水は、折しも梅雨どき…

ソフトバンクG第5回劣後債の目論見書から分かる引受手数料~ソフトバンクGと金融機関の凭れ合い構造~

直近の日本国債10年物の年利回りは0.060%。100万円を10年国債に投資しても、年間わずか600円の利金しか得られない計算になります。一方、今月21日に発行される総額4050億円のソフトバンクグループ第5回利払繰延条項付・期限前償還条項付無担保社債(劣後特…

陶芸家辻村史朗篇:期待外れのNHK<プロフェッショナル 仕事の流儀>でした!

ときどき気になる人物が登場すると視聴するのがNHKの<プロフェショナル 仕事の流儀>。スタートは2006年ですから、かなりの長寿番組です。番組タイトルがプロフェッショナルとくれば、著名人を思い浮かべがちですが、番組は寧ろ市井のその道の達人を取り上…

夏越大祓(護王神社)の次は祇園祭の粽(ちまき)授与

数日前に京都の護王神社から封書が届きました。来る6月30日恒例の<夏越大祓(なごしのおおはらえ)>の案内でした。日頃、無意識のうちに身にまとってしまう罪や穢れを祓い清め、心身共に清々しくして、残り半年健康に過ごせるようにという願いがこの大祓には…

新緑の三頭山・槇寄山登山(起点:都民の森→終点:数馬バス停)

来週はいよいよ関東も梅雨入りで間違いなさそうです。束の間の晴れ間を利用して、週末、三頭山(みとうさん)の登山口になっている<都民の森(正式名称:東京都檜原都民の森)>へ。都民でありながら、過去、一度も訪れたことがないスポットです。その開設は1…

スポーツジムの必携品:専用サウナマット(商品名:サマッㇳSAMATTO)

コロナ禍が長引いているため、外出を控え家庭で快適に過ごすためのグッズやサービスに注目が集まっています。所謂「巣ごもり需要」ですね。どんな商品が売れたのか気になるところです。上位には新型コロナウイルス感染対策の医薬品がずらっと並んでいますが…

ブックレビュー:団鬼六の異色評伝『赦す人』

稀代の官能小説家団鬼六(だんおにろく)の著作を一冊も読んだことはありません。氏の作品といえばかろうじて映画化された『花と蛇』を知る程度です。最近、愛読作家のひとり大崎善生(おおさきよしお)の旧作『赦す人』(2012年刊行)を手にする機会があっ…

梅雨入りまじかの自宅周辺点景~紫陽花やアカンサスが満開です~

今年は九州~東海地方が記録的早さで梅雨入りになりましたが。関東甲信越はいまだ梅雨入りの発表がありません。マイバースデーの6月6日は雨模様。スポーツジムへの通い道である近所の玉川上水縁を歩くと、梅雨どきの風物詩、色とりどりの紫陽花が満開で目を…

「ジレットモデル」の罠~髭剃りの替え刃だけではなかった~

「ジレットモデル」はれっきとしたマーケティング用語です。この言葉を耳にしたことがなくても、誰しも普段の購買生活において、この「ジレットモデル」の罠に嵌っているのです。「ジレット」でピーンと来た方はセンス抜群です。シェーバーで有名な「ジレッ…

劣勢続きの日本の株式市場の見通しは昏いまま

5月29日付け日経新聞に掲載された<株失速が暴く企業の自力>と題する記事内容は目から鱗でした。かねてより日本企業の労働生産性の低さは指摘されていたものの、改めてOECD加盟37ヶ国中26位だと知らされると、一層、日本の株式市場への不信感が募ります。各…

【新緑の奥多摩】高水三山プチ縦走+御岳山

目下の悩みは、緊急事態宣言延長に伴う長引くスポーツジム休業で、週2~3のトレーニングがままならないことです。代わりに、5月のGWと週末は近場の奥多摩へ通って、トレーニングに励んでいます。体重が普段より1~2kg増えたり、体脂肪率が20%を超えるだけで…

朝日新聞論壇時評(「コロナ禍と五輪」)を読んで

今日の朝日新聞朝刊が東京オリンピック開催の是非をめぐる論壇の空気を伝えています。「コロナ禍と五輪」と題する論壇時評の評者は東大院情報学環の林香里教授。前任津田大介を引き継いだ、朝日新聞論壇時評欄初の女性評者だそうです。冒頭、女史は大多数の…