美術・建築

東京海上日動ビル建て替えへ

丸の内駅舎・皇室専用貴賓出入口からまっすぐ行幸通りを西進すると右手に新丸ビル、次に現れるのが彫りの深い赤褐色タイルの格子が印象的な東京海上日動ビルディング本館(以下:東京海上ビル)です。竣工は1974年、今でこそ周辺は高層ビルばかりですが、当…

2022年8月末で見納め|チームラボボーダレス(お台場)

チームラボのアート作品を初めて目にした場所は下鴨神社でした。2018年8月のことです。古都・京都にあって世界遺産に指定される由緒ある神社で最先端のアート作品が披露されるとあって、オープニングセレモニーには京都市長や下鴨神社権宮司をはじめ豪華な来…

日本建築学会賞を受賞した「住宅遺産トラスト」とはどんな活動をする団体なのか?

キラリと光る人物を紹介する朝日新聞の連載「ひと」欄に注目しています。人物紹介と聞くと有名人を想像しがちですが、この連載の強みは知られざる有為の人物を発掘してくる点にあります。今月であれば、高知県須崎市でゆるキャラ「しんじょう君」を日本一に…

『名所江戸百景』2枚に描かれた「月の松」

先週、トーハクを訪れた帰り道、清水観音堂前(地図の赤三角の印)の「月の松」にソメイヨシノを加えた構図の写真を撮りました。博物館や美術館が密集する上野恩賜公園には数え切れないくらい足を運んできましたが、大混雑するお花見シーズンを無意識のうち…

愕然!「空也上人立像」フィギュア完売

トーハクで特別展「空也上人と六波羅蜜寺」が開催中です(会期:3/1~5/8)。京都・六波羅蜜寺所蔵の「空也上人立像」(重文)が東京にやって来るのは半世紀ぶりだそうです。作者は運慶の四男・康勝です。過去数度、六波羅蜜寺を拝観したことがありますが、…

トーハクで異色の特別展「体感!日本の伝統芸能」@表慶館

東京都の感染者数がとうとう1万人の大台を超えた1月22日(土)、久しぶりにトーハクを訪れました。ローチケで日時指定券を手配してありましたが、感染者者急増のせいでしょうか、開館直後の人出は疎らでした。普段の週末であれば、大勢の乗降客が行き来する…

並河靖之七宝記念館を訪ねて

本年12月13日から2023年春まで保存修復事業のため長期休館になると知って、京都市東山区三条通にある並河靖之七宝記念館を訪れました。秋季特別展<並河七宝を語りつぐ>の会期終了間際でした。この記念館は1896(明治29)年に竣工した七宝作家並河靖之(184…

深大寺はすっかり晩秋の装い~205年ぶりに公開された元三大師胎内仏「鬼大師」像を拝む~

毎年、初詣は地元の八幡様と調布・深大寺を訪れることにしています。初詣で授与された御祈禱札やお神札は玄関口に近いニッチェに飾っています(写真下)。今年は地元の八幡様がコロナ禍を理由に破魔矢やお札の授与を取り止めたため、お神札は映画『君の名は…

マンホール愛を覚醒するデザインマンホールの存在感~「シン・ゴジラ」のマンホールカード配布開始~

最近、近所の観光案内所でマンホールカードが無料配布されていることに気づいて、1枚ゲットしてきました。そのマンホールカードの中心には、スタジオジブリの宮崎駿さんがデザインしたキャラクター「Poki」(ポキ)が描かれています(写真下)。昨年、三鷹市…

「生誕110年香月泰男展」|神奈川県立近代美術館・葉山館(後篇)~2021年マイベスト1展覧会~

後篇では企画展「生誕110年香月泰男展」(会期:9/18~11/14)について詳しく触れたいと思います。7月に都美で見た特別展「イサム・ノグチ発見の道」も記憶に残る展覧会でしたが、葉山館の器としての魅力を加味すると、2021年マイベスト1展覧会は、香月泰男…

「生誕110年香月泰男展」|神奈川県立近代美術館・葉山館 (前篇)

9月3連休最終日、神奈川県立近代美術館・葉山館を初めて訪れました。18日に開催したばかりの企画展「生誕110年香月泰男展」を見るためです。自宅から車で第三京浜~横浜新道~横浜横須賀道路経由約1時間30分、距離にして約63km。 思っていたよりずっとアクセ…

トーハクで聖林寺「十一面観音菩薩立像(国宝)」を拝む〜不便な事前予約システムには閉口する〜

7月中旬、今年初めてのトーハク訪問。拝観前に事前予約をしたわけですが、外部システム(イープラス)依存の事前予約システムの使い勝手の悪さにはほとほと閉口させられました。都美に比べると総じてトーハクの来館者対応はお粗末です。今回の特別展の目玉は、…

<モエレ沼公園>から企画展「イサム・ノグチ 発見の道」へ

6月1日から再開した都美の企画展「イサム・ノグチ 発見の道」(会期:8/29まで)へ足を運ぶ前に、どうしてもこの目で見ておきたかったのが札幌市東区にある<モエレ沼公園>でした。同公園の基本設計を手掛けたのは世界的彫刻家として知られるイサム・ノグチ。…

『美術の経済』(小川敦生著・インプレス)で知る美術品売買の舞台裏~日本人は美術品を買わない~

最近、立て続けにアートをテーマにした週刊誌や単行本を読む機会がありました。<緩和マネーで爆騰!アートとお金>と題した週刊東洋経済(2021/2/20)は、経済専門誌が特集しているだけあって、市場規模から説き起こすあたり、さすが要を得ています。そもそ…

村上肥出夫と長谷川利行の共通点

長良川画廊東京ギャラリーで開催中の村上肥出夫展(~4/15まで)に足を運びました。過日、画廊主のO氏から頂戴した図録を見て以来、村上肥出夫の絵に興味を掻き立てられています。彫刻家本郷新に才能を見い出された村上肥出夫(1933-2018)は、1963(昭和38…

白川義員写真展第一期「永遠の日本」展~日本の風景を再発見する~

会期末を翌日に控えた4月3日(土)、風景写真の第一人者白川義員の写真展(第一期)@東京都写真美術館(恵比寿)に飛び込みました。今年2月の舟越圭展のときも会期末直前の鑑賞でした。会場は入場制限中でかなり混雑していました。コロナ禍の入場制限も考慮…

熊谷榧さんの旧作油彩画展(2021年3月)@豊島区立熊谷守一美術館

数年ぶりに熊谷守一美術館を訪れました。館長は熊谷守一の次女榧さんが務めています。榧さんはHPに<守一のこと>と題してこんなことを書かれています。<守一は自分でも言っているように、いい絵を描いて褒められようとも、有名になろうとも思わず、たまに…

芸術鑑賞にイチオシの単眼鏡(モノキュラー)はVIXENのアートスコープ(H4X12)

美術館や博物館で単眼鏡(monocular)で熱心に作品を覗き込んでいる人をよく見かけます。国宝や重要文化財クラスの絵画や彫刻だったりすると、ガラスケースに納まっているのが通例です。単眼鏡があれば、肉眼ではよく見えない作品の細部までしっかり確認する…

「鈴木藏の志野」展と松尾芭蕉の「不易流行」

展覧会の会場となる菊池寛実記念智美術館は、現代陶芸を中心に優れた造形作品を展示する私設美術館です。都心にありながら、喧騒から一線を画した静謐な空間で定期的に上質な展覧会を開催しています。2年前の「野蛮と洗練 加守田章二の陶芸」展以来の訪問に…

偽版画が流通する百貨店催事場展覧会~その実態に迫る~

今週、平山郁夫や東山魁夷の偽版画が流通していると報じられました。ときどき、都内の百貨店催事場で開催される展覧会に足を運ぶので、ピンときました。こうした巨匠の一点物日本画はとても高価で手が届きませんが、リトグラフなら庶民でも買えなくはありま…

舟越桂展@渋谷区立松濤美術館

緊急事態宣言が案の定延長されてしまいました。高まる外出自粛モードのなか、舟越桂展だけは見逃すと後悔しそうなので、会期末に松濤美術館に駆け込みました。最終日前日の1/30(土)の昼過ぎ、似たような思いを抱えた数十名がエントランス前に並んでいました…

しぶや黒田陶苑の大酒器展2021~今年は一部抽選販売に~

毎年1月、しぶや黒田陶苑で開催される<大酒器展>に足を運ぶことにしています。人気現代作家の趣向を凝らした新作酒器が一堂に会する得難い機会ですから、特に初日は、熱心なファンが詰めかけて行列ができます。HPにはこうあります。唐津・志野・織部・備前…

茶人松永久秀(弾正)と大名物「平蜘蛛」

2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』が終盤を迎えています。茶釜「平蜘蛛(ひらぐも)」を所望する信長に差し出しさえすれば命乞いが叶ったかも知れないのに、吉田鋼太郎演じる松永久秀は信貴山城で自刃を選びました。大河ドラマで異彩を放った戦国大名松永久…

山崎弁栄上人没後100年記念企画展を振り返って~会場は長良川画廊・東京ギャラリー~

今年もあと3日、2020年は新型コロナウイルスの地球規模の感染拡大で世界が一変した年でした。生命を脅かされるような辛い経験をすると人生観が変わるとよく言われます。戦後75年、日本が再び戦場となることこそありませんでしたが、地震や風水害は繰り返し日…

江戸時代の生活文化を知りたければ「ニッポンの浮世絵」展へ

ファッション文化の発信地といえば原宿、そんな原宿のど真ん中に世界有数の浮世絵専門美術館があるのをご存じでしょうか。街の喧騒から少し離れたラフォーレ原宿の裏手西側にその「太田記念美術館」があります。14000点を超えるといわれる収蔵品は、元東邦生…

手取川(山廃仕込純米酒・ひやおろし無濾過生詰)をぬる燗で味わう

ここ数日、外気温は15度前後。半袖生活から一転、長袖シャツにパーカーが普段着になりつつあります。昨夜は、急に燗酒が飲みたくなって、傘をさして近所の碇屋酒店へ赴き、石川の銘酒「手取川(てどりがわ)山廃仕込純米酒 ひやおろし無濾過生詰」(720ml)を…

コロナ禍の三鷹の森ジブリ美術館~建物内外のディテールへのこだわりに注目~

先月下旬、久しぶりに自宅から徒歩圏にある三鷹の森ジブリ美術館(以下:「ジブリ美術館」)を訪れました。2月下旬から新型コロナウイルス感染拡大防止のために休館を続けていましたが、7~8月は地元三鷹市民を対象に抽選招待制で開館していたからです。9月…

ポーラ美術館を訪ねて~建物と周辺環境が唯一無二のアート空間を構成しています~

8月初日、3年ぶりに箱根を訪れました。この日は1951年観測以来4番目に遅い梅雨明けとなりました。昨年10月の台風19号の影響で半年以上運休となっていた箱根登山鉄道の箱根湯本-強羅間も7月23日に再開し、全面復旧したばかり。観光のメッカ箱根にもようやく明…

バスキア&アンディ・ウォーホール X UT

ジメジメとしたお天気が続いてます。最近、自宅では専らUT(ユニクロTシャツのことです)を取っ替え引っ換え、外出時には少し抵抗のあるようなカラーやデザインもステイホームであればへっちゃらです。UTは2007年4月に生まれたユニクロの新ブランド、原宿にTシ…

マイクロツーリズム・イン・東京~ユニクロ東京・虎ノ門ヒルズビジネスタワー・WITH HARAJUKU 続々開業~

天気に恵まれた週末、この6月に開業したばかりの新商業施設をハシゴしました。銀座、虎ノ門、原宿いずこも大変な人出で、2週間後の東京感染者数が俄かに心配になるくらいの三密・・・都道府県を跨ぐ移動も19日から全国で緩和され、長期に及んだ外出自粛の反…