2012-01-01から1年間の記事一覧

2012年回顧(投資篇)

大納会も済んだところで、2012年のマーケットを振り返ってみることにします。今年の株式市場は、相場格言通り「辰巳天井」にふさわしい上げっぷりでした。終わってみれば、日経平均は年初から23%上昇、上昇率は活況だった2005年の40%に次ぐ水準でした。長…

お伊勢参りと「せんぐう館」見学

伊勢神宮を参拝したのは小学生の頃だったでしょうか。お伊勢参りをしたと云っても、清冽な印象の残る五十鈴川と名物赤福もち位しか定かな記憶がありません。来年は20年に一度の式年遷宮(62回目)の年、「伊勢に七たび、熊野へ三たび、愛宕参りは月まいり」…

浦村牡蠣に舌鼓

三重県鳥羽市浦村町を訪ね、旬の牡蠣を堪能してきました。訪れたのは生浦湾を臨む小高い丘に立つ中山牡蠣養殖所。東京を7時過ぎに自家用車で出発、現地に到着したのは13時過ぎでした。駐車場はほぼ満車状態だったのでやむなく縦列で空いているスペースに車を…

新東名高速道路を走破してみて

今年4月14日に開通してドライバーの話題をさらった新東名をこの三連休を利用して走破してきました。走行距離は御殿場JCTから三ケ日JCTまでの延べ157.4キロ、従来の東名に比べ10キロ短いため走行時間が少し短縮されることになります。カーブが少なく道路が平…

「ちろり」をご存知ですか?

師走入りした矢先、ちょっとした発見があって、此のところ熱燗の晩酌に嵌っています。お正月に冷酒を少し嗜む場合を除いて、我が家の食卓に日本酒が登場することはありません。ワインと比べると日本酒はどうしても甘いので、普段から敬遠気味というわけです…

GLP投資法人(3281)の上場

12/21の今日、シンガポール政府投資庁が実質筆頭株主のGLP投資法人が東証に上場しました。GLPはすでにシンガポール証券取引所に上場しており、スポンサーのGLPグループは日本及び中国で最大の賃貸用物流施設の保有者でもあります。安部政権が打ち出す金融緩…

『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日』を読んで

昨夜から繰り返し放映された民主党現職議員の苦戦を伝えるTV映像のなかで、とりわけ元首相菅直人のどぶ板選挙のあり様は悲惨を通り越して哀れを誘うものでした。菅さんが「もっとも無責任なのは・・・」と言いかけると、聴衆からすかさず「お前だ!」と連呼…

第46回衆院総選挙結果に思う

過去、一度たりともパスしたことのなかった国政選挙、今回は直前まで投票所に足を運ぶべきかどうか悩みました。小選挙区は投票したい候補者が見当たらない上に、比例区も第三極が野合に走り存在感を失っていったからです。国政選挙はともかく、容認し難い一…

電力株安定配当時代の終焉に思う

昨日、政府の電力需給検証委員会が公表した電力9社(沖縄電力を除く)の2012年度純損失額は1兆7千億円余り、電力各社の債務超過は回避できたものの大変厳しい数字です。9社合計の純資産額は4.8兆円ですから、向こう3年間こうした状態が続けば、電力会社の経…

池井戸潤の「オレバブ」シリーズが面白い

秋の夜長、ツンドク状態の新刊本の山を少しでも減らそうと読書に勤しんでいます。池井戸潤さんの「オレバブ」シリーズ第三弾『ロスジェネの逆襲』は、前作・前々作同様、テンポよく読める痛快企業小説(舞台は銀行)に仕上がっていて楽しめました。シリーズ…

セレンディピティを味方につけるには

ノーベル化学賞受賞者の根岸英一先生が、日経連載中の「私の履歴書」(2012年10月22日付)のなかで新発見に繋がる前提条件として10項目を列挙されています。何が欲しいかという願望やニーズが大前提、その先にあって最も大切な項目は系統だった模索だそうで…

確率に関する思い込みと勘違い

最近、とあるサイトに次のような書き込みがあって、その筆者が書き込みを読んだ複数の閲覧者から気の毒なくらい罵倒されるという出来事がありました。前後の脈絡がはっきりしないと分かりにくいので少し背景について補足しておきます。書込み主は、某証券会…

『トリプルA 小説格付会社』が暴く格付会社の内情

昨年9月17日、若者を中心とする1000人余りが”Occupy Wall Street”を叫びウォール街にほど近いズコッティ公園に参集しウォール街をデモ行進してから、1年が経ちます。デモで叫ばれた"We are the 99%"というスローガンは、1%の富裕層が個人資産の35%を占める…

小説家・随筆家たちのパリ

パリは数えきれない画家たちにインスピレーションを与えただけではなく、ロスト・ジェネレーションと呼ばれる第一次世界大戦後の1920年代にパリで過ごしたアメリカ人小説家にも多大な影響を与えています。ヘミングウェイやF・スコット・フィッツジェラルド、…

パリ・グルマンの食材探し

パリ滞在中、殆ど毎日、夕刻からギャラリー・ラファイエットの食料品売り場を見て回りました。平日は20:00まで営業しているので、1日の観光が済んだ後の空き時間を有効に使ってショッピングできること請け合いです。地下に食品売り場を配置する日本の百貨店…

フランス人のお昼休みと食文化

モン・サン・ミッhシェルの島内にある郵便局から試しに絵葉書を自宅宛て送ったところ、5日で届きました。メール浸透ですっかり手紙文化が廃れてしまいましたが、旅先から現地の消印のある絵葉書が届いた瞬間の温もりは格別だとは思いませんか。絵葉書はどこ…

オルセー美術館の挑戦

「伝統」と「革新」、歴史はこの2つの相対峙する営みを交互に繰り返しながら、新しい文化を形成してきたと云っていいでしょう。ミッテラン政権下誕生したオルセー美術館が昨年11月にリニューアルオープンし大きく変貌を遂げたと耳にしていたので、今回のパ…

イル・ド・フランスの魅力

8月最終週からパリへ遊びに出掛けていたために、ブログの更新が儘なりませんでした。以前、仏系投資銀行に勤務していた関係で、年に数度は出張でパリを訪れていたのですが、レポーティングラインの本部機能がロンドンに移って以来、残念なことにパリから足が…

巨大戦艦大和の最期

戦艦大和が海の藻屑と消えたのは67年前のことです。連合艦隊の歴史と栄光の象徴<戦艦大和>の悲劇は語り尽された感さえありますが、8/11に放送された<巨大戦艦大和〜乗組員が見つめた生と死〜>(BSプレミアム)に登場した乗組員たちの貴重な証言を通じて…

ロンドンオリンピックに見るお国事情

連夜の日本勢の大活躍で睡眠不足がピークに達しつつあります。金メダルの数は目標にまだまだ足りないようですが、大変なプレッシャーが掛かるなか、体操男子個人総合を制した内村航平選手の見事な演技に心底感動しました。リアルタイムで観戦した甲斐があっ…

雅叙園「百段階段」を昇って

目黒区制施行80周年を記念して、目黒雅叙園で「目黒と雅叙園の魅力展」と題する展覧会(〜8/19まで)が開催中です。国の登録有形文化財にも指定されたという「百段階段」をひと目観ようと、ぐずついた天気のなか会場まで足を運びました。過去、会食で雅叙園…

英バークレイズによるLibor不正操作

英バークレイズのCEOがLibor不正操作の責任を問われ辞任に追い込まれました。破綻したリーマンの北米事業や資本市場業務を買収しバークレイズの投資銀行部門をリーグテーブルのトップクラスに押し上げたボブ・ダイヤモンド氏も含め、経営トップが不正操作に…

迷走するユーロ

昨夜、ブルームバーグに<ユーロ圏はねずみ講、EU大統領が準備したロードマップは紙屑以下>と酷評するエール大学教授ローチ氏のコメントがアップされました。"Roach Says Euro Ponzi Scheme Won’t Get Fixed by Van RompuyPlan"、南欧ソブリンリスクを少な…

軽井沢の魅力

GWの翌週、久しぶりにゴルフ抜きで軽井沢を訪ねたときのことを書き留めておきます。ロングステイ可能な別荘族でないかぎり、ハイシーズンを避けること、これが軽井沢を愉しむための第一歩です。上信越自動車道を飛ばせば東京から僅か2時間弱で碓氷軽井沢ICに…

欧米15金融機関の格下げ

21日、ムーディーズが欧米主要金融機関の格下げを発表しました。モルガンスタンレーが2段階の格下げにとどまるなど予想より穏当な結果だったところもあり、市場では一部に安堵感が広がっているようです。以前勤務していたスイス系金融機関が往時欧米3格付機…

『舟を編む』を読んで

ブックレビューで辞書編纂にまつわるストーリーだと知って読んでみました。2012年の本屋大賞受賞作だけあって、辞書編集部というお堅い職場を舞台にしながら、ユーモア溢れる作品に仕上がっています。語り口も軽妙で辞書作りの舞台裏が次々と明かされていき…

国宝「慧可断臂図(えかだんぴず)」の謎

過日、サントリー美術館で雪舟等楊作「山水長巻」(国宝)に見惚れていたとき、夢想だにしなかった国宝秘話についてご紹介しておきます。3日前、東京12chの番組「美の巨人」を見て知ったのですが、画聖として評価極まった感さえある雪舟晩年の作「慧可断臂図…

シニア世代にお薦めしたい「キリマンジャロの雪」

岩波ホールで封切られたばかりの「キリマンジャロの雪」を観てきました。たとえ商業ベースには乗らなくても上質な映画を配給したいという岩波ホールらしい選択の映画でした。監督は「マルセイユの恋」のロベール・ゲディギャン、ヴィクトル・ユーゴの詩篇『…

フランチャコルタの甘い誘惑

初夏を迎えようとするこの季節からスパークリングワインが美味しく感じられるようになります。とりあえず麦酒も悪くありませんが、アペリチフを発泡性ワインにして食欲を昂じてみるのも夏バテ防止には効果的です。シャンパーニュ至上主義に真っ向勝負を挑む…

『ピュリツァー賞 受賞写真 全記録』を読んで

ピュリツァー賞はアメリカの新聞王ジョゼフ・ピュリツァーの遺言により創設されたものです。そのピュリツァー賞の報道写真部門の受賞作すべてを収めた写真集が昨年12月に出版されました。1942年のデトロイトの労働争議を撮った写真から始まるピュリツァー賞…