2018-01-01から1年間の記事一覧

平成30年間の体験的回顧、そして「希望の轍」へ

晦日の昨日は雲ひとつない快晴。一昨日は午前中ジムで汗を流し、その足でTSUTAYAでブルーレイを借りて、さらに本屋で買い物。帰宅して新年に歳神様を気持ちよくお迎えすべく玄関アプローチの落ち葉拾い。いよいよ、年の瀬らしくなってきました。早起きして新…

佳作映画評「コレクター 暴かれたナチスの真実」

当ブログで以前とり挙げたとおり、近年、ナチスやヒトラーをテーマにした映画が次々と制作されています。第二次世界大戦を経験した人々が年々減少し、大戦中の記憶は総じて風化しつつあります。こうした記録映画の制作は、後世に悲惨な戦争の記憶をキチンと…

羽生善治27年ぶり失冠に惟う

将棋界で数々の前人未踏の記録を打ち立ててきた羽生善治竜王(48)が、第31期竜王戦第7局で広瀬章人八段(31)に敗れ、27年ぶりに無冠になったことが大きく報じられています。もし羽生竜王がタイトル防衛に成功していれば、通算タイトル獲得数100期達成という歴…

史上最大IPOソフトバンク上場の冬景色

これほど下馬評の悪かった大型IPOは近年ではジャパンディスプレイ(6740)以来でしょうか。2014年3月19日に上場したジャパンディスプレイの公募価格は900円。店頭で2000株(三菱UFJM)、ネット証券で400株の計2400株を引き受け、初値769円(公募価格比-14.6%)で…

「西郷どん」最終回に寄せて~瑛太が大久保利通を好演!~

毎年、その年の大河ドラマが終わるといよいよ年の瀬という思いをあらたにします。平成最後の「西郷どん」の前半、島津斉彬の治下、主人公西郷吉之助が脇役に退いたような印象を与える群像劇の様相を呈して、些か不満が募りました。しかし、終わってみればさ…

2019年度松竹歌舞伎会の特別会員にランクアップ!〜ランクアップに掛かるコスト分析〜

2018年の歌舞伎座は、高麗屋三代同時襲名の華やかな舞台で始まりました。年初から精力的に観劇した甲斐あって、来年(2019年度)は松竹歌舞伎会の特別会員に昇格することになりました。数日前届いたお知らせで特別会員登録を確認できました。一般会員にはこう…

「武四郎涅槃図」の世界

世田谷区岡本2丁目にある静嘉堂文庫美術館を久しぶりに訪れました。国宝天目茶碗三点の最高峰稲葉天目を所蔵することでつとに知られる美術館です。なんと言っても立地が素晴らしい。切り立った国分寺崖線の一画、岡本静嘉堂緑地にあって、戦後は手つかずの自…

フランス人にたぎる革命の血潮〜マクロン政権への不満〜

今月1日、クリスマスシーズンを迎えたパリ、しかも観光名所の凱旋門周辺で、マクロン政権に対する大規模な抗議デモが行われ、数百名の逮捕者が出たと報じられました。直接のきっかけは燃料税の引き上げだったようですが、これに限らずマクロン政権への様々な…

ラ フランス VS ル レクチェ 食べ比べ

めったにお目にかからない幻の洋梨ル レクチェが近所のスーパーの店頭に並んだので、ラ フランスと食べ比べをしてみることに。「西洋梨の貴婦人」と称されるル レクチェは明治期にフランスから導入された西洋梨。栽培が難しいので今やフランスでは生産されて…

国立新美術館のアフターはラ オリーバで決まり

ときどき、ナイトミュージアムに出かけたくなります。黄昏どきに入場して閉館時刻までじっくりアートを鑑賞する時間は、何物にも代え難い贅沢なひとときだからです。退館して夜空を見上げれば、静寂のなか幻想的な月明かりに出会えることも。先月末の国立新…

生誕110年東山魁夷展@国立新美術館

11/30(金)は国立新美術館の夜間開館日。この日は夕方から六本木に移動し、サントリー美術館で「扇の国、日本展」を観て、その足で国立新美術館に向かいました。久しぶりの美術展のハシゴ、両展覧会とも出品数が比較的少なかったので、じっくり鑑賞することが…

日本取引所グループCEOのお粗末な言い訳

証券取引所は博打でいえば胴元にあたります。カジノだってインチキな賭博が横行すればやがて客足は途絶えてしまうでしょう。取引所であれば、金融商品全般の迅速安全な取引を担保し、透明性の高い公正なマーケットを保障してこそ、はじめて存在意義が首肯で…

寺山修司展@神奈川近代文学館を振り返って

会期最終日の迫る11月最終土曜日、神奈川近代文学館へ。東急渋谷駅でみなとみらいチケットと呼ばれる当日有効の往復チケット860円を購入。片道で買うより100円お得な上、横浜高速鉄道みなとみらい線区間は乗り降り自由になります。都心から赴けばちょっとし…

狩猟文化について考えてみた~副読本は『サバイバル登山家』&『山賊ダイアリー』~

『サバイバル登山家』の著書で知られる服部文祥さんが日経(夕刊)に寄稿されているエッセイを毎週楽しみにしています。服部さんは1999年から装備を切り詰め食料を現地調達するサバイバル登山を実践なさっている特異なアルピニストです。厳しい自然のなかで…

渋柿の王様「蜂屋柿」で作る干し柿

以前、マイブログで取り上げた美濃加茂の堂上蜂屋柿。今年も12/1から予約販売が始まります。木箱入りの最上級品「誉」のお値段は10個入りで16200円(税込)。1個あたり1620円と聞いて仰天される方もいることでしょう。最初は自分も「干し柿ごときにその値段と…

第38回ジャパンカップ指定席当選!@東京競馬場

天皇賞(秋)に続いて、再び東京競馬場にやって来ました。息子が応募して、初めてハガキ抽選にペア当選したからです。6階A指定席、しかも最前列という奇跡としか思えない座席が充てがわれました。眼下右手にはゴールが臨めます。当選確率は10倍超えではないで…

新生「龍吟」で頂くディナーの味わい

今年8月、六本木から東京ミッドタウン日比谷に移転してきたばかりの「龍吟」を訪れました。弟弟子奥田透さんの「銀座小十」は名物大鰻食べたさに幾度か訪れていたのですが、特に外国人に人気が高いと噂の六本木「龍吟」はなんとなく敷居が高い感じもあって結…

秋晴れの男体山(二荒山)日帰り登山

雨天の燧ケ岳登頂から丁度1ヵ月、かねてから奥日光の紅葉に彩られた男体山に登ろうと10月下旬の週末を待ちわびていました。今度ばかりは雨天は勘弁と念じていたら、当日、ほぼ快晴のなか登山口を出発することができました。数日前、天気予報が曇時々雨に変わ…

小田代ヶ原の覆水と「草原の貴婦人」

台風24号(9月30日~10月1日)による大雨は各地に甚大な被害をもたらしました。奥日光中禅寺湖でも水位が相当上がり、華厳の滝の落水量は平年毎秒1トン前後なのに、台風以降は中禅寺ダムで毎秒4トンに増やしているのだそうです。台風直後の放水に至っては55ト…

先行上映初日「日日是好日」を観て〜滋味掬すべき作品でした〜

観終わった直後に、ふっと頭に浮かんだのは「滋味あふれる」という言葉。映画「日日是好日」は、普段なかなかめぐり逢えない滋味掬すべき作品でした。豊かで深い味わいのあるこの作品は、茶道のお師匠さん武田先生を樹木希林さんが演じたからこそ、奇蹟的に…

秋、赤い実をつけるナナカマドとコブシ

先月下旬、燧裏林道をトレッキングしたとき、樹林帯でしばしば目にしたのはナナカマド。登山道で見かける至極ありふれた樹木ですが、鮮やかな紅色と深緑のコントラストは秋の訪れを象徴する光景、自然と足が止まります。同行者のIさんが道々「ナナカマドの実…

東美の美術品鑑定とマーケットメイク

一般財団法人「東美鑑定評価機構」が美術品の真贋判定に加え、基準価格を提示する事業を始めるのだそうです。母体の「東京美術倶楽部(東美)」は株式会社組織で創業は明治40年、港区新橋に立派な社屋があります。会社組織との関係が今ひとつ判然としないので…

神宮外苑のイチョウ並木はなぜ美しいのか?

東京都の木は1966年にイチョウに決まったのだそうです。候補の木は三種、イチョウ、ソメイヨシノ、ケヤキのなかから、都民の投票でほぼ半数の票を獲得したイチョウが選ばれたというわけです。次点はケヤキ、表参道のケヤキ並木も確かに美しいのですが、聖徳…

燧裏林道から三条ノ滝展望台へ(御池ロッジ前泊)

宿泊先の御池ロッジは、前日の燧ケ岳アタックには絶好のポジション。登山口に接した公営駐車場手前に専用駐車場があるため、車内に着替えや翌日の装備をデポできるという利点があります。その上、御池ロッジはホテル並みの施設でとても快適に過ごせます。強…

雨天の燧ケ岳登山〜ふたつのポイント・オブ・ノーリターン〜

9月19日、早朝4時に登山仲間Iさんと杉並区今川で合流し、尾瀬御池ロッジに向かいました。めざすは東北以北最高峰の燧ケ岳(2356m)、至仏山とともに尾瀬を代表する百名山でもあります。数日前から天気がすぐれないので、決行か中止かずいぶん迷いましたが、当…

素敵な贈り物「八街生姜ジンジャエール」

先月、知人の学芸員さんからお届け物がありました。高島屋の包装紙を開くと、小粋なボトルが10本(1本250ml)現れ、レトロな雰囲気のラベルには「八街生姜ジンジャエール」と書かれています。千葉県八街市といえば落花生、同封されていたパンフを読むと、生姜…

曼珠沙華群生地の巾着田を訪れて

旧暦9月は長月、夜が次第に長くなるので「夜長月」というのが由来だそうですが、雨が多く降る時季にあたるので「長雨月」という説の方が説得力があるような気がします。念のため、気象庁のサイトを確認してみると、今年の東京は断トツで9月の降水量が多くて3…

極上のシネマコンサート〜「ニュー・シネマパラダイス」〜

この三連休の初日は、東京国際フォーラムで開催されたシネマコンサートへ。フィルムは大好きな「ニュー・シネマパラダイス(1988年)」。イタリア公開30周年記念のシネコン世界初演!と知って、2ヶ月以上前に先行予約していた公演でした。欧米で先行したといわ…

『孤高の人』加藤文太郎の生涯

最近、加藤文太郎の生涯を描いた伝記小説『孤高の人』(新田次郎著)を読み終えたところです。文庫二冊で千頁に及ぶ大著だけに、かなり読み応えがありました。兵庫県浜坂町に生まれた加藤文太郎は、大正12(1923)年ごろから山歩きを始めます。小説の冒頭、ナッ…

一幕見席で観る「祇園祭礼信仰記 金閣寺」

先週末は、知人が上京、一度歌舞伎が観てみたいというので9:30過ぎから切符売場に並びました。すでに30人ばかりが待機していましたが、一幕見には椅子席が90席ありますから、切符売出の1時間前に歌舞伎座へ足を運んで正解でした。一幕見席のセンター左に席…