京都

鳥居元忠奮戦の痕跡|伏見城遺構の「血天井」

NHK大河ドラマ「どうする家康」が佳境を迎えています。松本潤さん演じる家康が関白秀吉に頭を下げたあたりから、本来の大河らしくなってきたように感じています。第42回「天下分け目」で、伏見城留守居役を仰せつかった鳥居元忠(音尾琢真)が壮絶な最期を遂…

5年ぶりの再会|東福寺の大涅槃図

5年ぶりに東福寺の大涅槃図と再会しました。初めて対面したのは2018年の涅槃会のとき。その翌年から4年の歳月をかけ約100年ぶりの令和の大修理が行われていたことを、つい最近まで知りませんでした。久しぶりに京都を訪れたタイミングで、修理完成特別公開の…

並河靖之七宝記念館を訪ねて

本年12月13日から2023年春まで保存修復事業のため長期休館になると知って、京都市東山区三条通にある並河靖之七宝記念館を訪れました。秋季特別展<並河七宝を語りつぐ>の会期終了間際でした。この記念館は1896(明治29)年に竣工した七宝作家並河靖之(184…

夏越大祓(護王神社)の次は祇園祭の粽(ちまき)授与

数日前に京都の護王神社から封書が届きました。来る6月30日恒例の<夏越大祓(なごしのおおはらえ)>の案内でした。日頃、無意識のうちに身にまとってしまう罪や穢れを祓い清め、心身共に清々しくして、残り半年健康に過ごせるようにという願いがこの大祓には…

我が家のお雑煮&郷土色溢れるお雑煮あれこれ

NHKの「美の壺・選」を録画して、深夜に気になるタイトルを視聴しています。「美の壺」と題するからには、絵画や陶芸など専らアートが取り上げられそうなものですが、豈図らんや番組の守備範囲は広く、衣食住を彩る美のアイテム全般が対象になっています。出…

<六道珍皇寺>には冥界に通じる井戸ふたつ

同級生との2泊3日の旅行最終日(薄曇りの今月5日)は京都観光でした。ホテルで建仁寺境内を突き抜け、我々の干支猪に因む摩利支天さんを祀る塔頭禅居庵をお参りし、その足で<六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)>へ向かいました。周辺には幽霊子育て飴を今に…

令和二年の粽(長刀鉾)をネット申込みしました!

新型コロナ禍の影響で、祇園祭のハイライト山鉾巡行や宵山行事など関連行事の多くが中止と決まっています。18日の京都新聞で今年の「厄除け粽(ちまき)」がネットで授与されると知り、早速、申し込みました。京都好きの東京人には、ある意味、嬉しい取り計…

コロナショックが直撃する宿泊業者の苦悩と格闘~めざすはディスカバー・ジャパン・アゲイン~

日経スペシャル「ガイアの夜明け~コロナショックを乗り切る!“ニッポンの宿”水面下の闘い~」(2020/5/5放送)が、コロナショックの直撃を受けている宿泊業者を緊急取材、その苦悩と格闘を詳しく伝えていました。掻き入れどきのGWに外出自粛を迫られ最も窮…

2020年3月:京都ゑびす神社初参拝

まだ桜が蕾の3月三連休の最終日、半日ほど京都に立ち寄りました。昨年8月16日(五山の送り火)以来になります。いつも大行列の「葱や平吉」高瀬川店でランチする前に、まだ一度もお詣りしたことのない京都ゑびす神社を訪ねました。花見小路の先にある建仁寺…

憧れの観光列車「ひえい」に乗車しました!

下鴨神社へ向かうために、叡山鉄道の終着駅、「八瀬比叡山口」駅改札を15時過ぎに通り抜けると、一度は乗車したいと思っていた観光列車「ひえい」(デオ730形電車)が停車しているではありませんか。去年、ポスターで見た車体デザインの斬新さに驚愕して以来…

令和元年8月の京都~京のお伊勢さんを参拝する~

2泊3日の京都行最終日は、帰省ラッシュを避けるために午前中に京都を出発するはずでした。蹴上を過ぎたところで、令和になってまだご朱印を頂戴していないことに気づいて、まだ参拝したことのない「京のお伊勢さん」として知られる日向大神宮(ひむかいだい…

令和元年8月の京都(2)〜京都迎賓館のガイドツアー〜

京都迎賓館は2度目の訪問になります。数年前は朝一で迎賓館西門前を訪ね、当日の参観希望時間を予約した記憶があります。今回は東京を発つ前にネット予約しておいたので、10:50に西門前に集合するだけで済みました。ガイドツアー方式(参観時間90分・参観料20…

令和元年8月の京都(1)〜嵐山から五山の送り火を鑑賞する〜

保有するリゾート会員権(エクシブ京都八瀬離宮)の8月占有日が、たまたま五山の送り火の16日(金)にあたり、千載一遇のチャンスとばかり勇んで京都へ向かいました。五山の送り火を現地で鑑賞するのは今回が初めてです。大文字焼きなんて、うっかり口走ると京都…

白竹堂で京扇子を買う

先月8日、上野の森美術館でエッシャー展の開館待ちをしていたとき、この夏の猛暑はすでに始まっていました。10時の開館までまだ30分以上ありました。形ばかりのテントは殆ど用を足さず、容赦ない日差しが襲ったこの時間帯、来館者は一様に噴き出る汗を絶え間…

護王神社の夏越大祓

6月29日の昨日、史上最速の梅雨明けが宣言されました。わずか22日間の梅雨だったことになります。そして、今年の折返しとなる今日は、日差しが眩しい真夏のようなお天気に。不思議なもので、リズムが多少狂うことはあっても季節の移ろいは、日本人の生活感覚…

2018年東福寺の涅槃図を見て三大涅槃図を完全制覇!

泉涌寺から東福寺まで徒歩で約20分。泉涌寺山門右手から緩やかな坂を下り総門をくぐって更に進むと東大路通にぶつかります。この趣のある参道は泉涌寺道(せんにゅうじみち)と呼ばれ、両側には泉山七福神を含む泉涌寺塔頭が立ち並びます。時間があれば塔頭…

2018年泉涌寺の涅槃会は特別な一日でした!

お釈迦様ガ亡くなったのは陰暦2月15日。現在は3月15日前後に全国の寺院で涅槃会が催されます。今年は関西の医大に通う次男の卒業式がたまたま3月15日ということもあって、前日に京都入りして念願の泉涌寺のお参りを果たしました。[早朝、人影もまばらな泉涌…

瑠璃光院の紅葉が話題に!

毎年数度は訪れる八瀬の常宿からほど近い場所にある瑠璃光院の紅葉が話題になっています。そもそも比叡山のふもとにある瑠璃光院なんて、京都在住の人だって大多数はご存知ないはず・・・なぜなぜと思いきや、インスタ映えすることからSNSでここ数年注目を浴…

初夏を感じる有職菓子御調進所老松の「夏柑糖」

今年も「夏柑糖(なつかんとう)」の季節の到来です。去年は夏みかんが不作だったせいで早々と「夏柑糖」の製造が終了し、夏みかんの代わりにグレープフルーツを使ったお品しか手に入りませんでした。例年、伊勢丹地下の売り場で入手するのですが、夕方には…

京都縦貫道で行く海の京都(3)〜伊根の舟屋篇〜

元伊勢籠神社を通り過ぎて国道178号線を20分余り北上すると、めざす伊根浦の舟屋群に到着です。港町全域310.2haが国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。かかる指定地区は京都市内で4ヶ所、府内全域でも7ヶ所しかない周辺環境と一体化した…

京都縦貫道で行く海の京都(2)〜「天橋立図」にも描かれた籠神社と成相寺〜

天橋立の絶景を目の前にすると、自然の造形に勝るものはないなぁと強く感じ入ってしまいます。「日本三景」をはじめ、三名園、三名城、三大仏、三大祭・・・wikiに日本三大一覧という頁があるのをご存知ですか。国民性でしょうか、日本人は何にでもランキン…

京都縦貫自動車道で行く海の京都(1)〜天橋立篇〜

昨年7/18に京都縦貫自動車道が全線開通して、京都市街地から丹後半島へのアクセスが格段に向上しました。同年秋まで京都北部の5市2町が「海の京都博」を開催して、様々な魅力をメディアを通じて発信したので記憶されている方も多いかと思います。関東ではそ…

壬生寺といえば壬生大念佛狂言〜冬季初公開の狂言堂へ〜

春と秋の特別拝観目当てで京都を訪れたことは数え切れませんが、今年で51回目となる「京の冬の旅」とのコラボ企画「非公開文化財特別公開」にスケジュールを合わせたのは今回が初めて。旅に出かける前に必ずチェックするポータルサイト”KYOTOdesign”で確認し…

一週間後、雪化粧した京都

強い寒波の影響で日本海側を中心に大雪となった昨日、京都も積雪を記録し、京都競馬が9年ぶりに中止されたそうです。降りしきる雪のなか三条大橋を足早に渡る人を捉えた報道写真を見て、改めて 降雪となればいずこの観光地も閑古鳥が鳴くのが当たり前。とこ…

新春限定の一保堂「大福茶」を頂く

享保年間に創業した一保堂本店を訪れました。写真のように、江戸時代の茶舗を思わせる佇まいでこげ茶の暖簾が印象的です。頼まれていたさっぱり系の煎茶と、自家用に年末年始限定(11/15〜1/15)の「大福茶(おおぶくちゃ)」を買い求めました。 縁起のいい…

冬の京都〜大原篇〜

ハンドルを握って道々降雪の心配をしながら、冬の京都を訪れました。どんよりと雲が垂れ込め、ときおり薄日が差し込むようなお天気でしたが、滞在中は最高気温が12度前後まで上がり、寒さは殆ど気になりませんでした。 最終日はホテルのチェックアウトを済ま…

新年の和菓子〜花びら餅〜

去年の晦日、花びら餅を買いに東急吉祥寺店へ行ったところ、早々に完売の札が掲げられているではありませんか。元日、初詣を終えて帰宅したところで花びら餅を頂くというのが我が家の習わしだけに、少々吃驚。大晦日に再入荷したので入手こそできましたが、…

京都の外資系ホテル事情

ここ数年、外資系ホテルの京都進出が加速しています。先月はフォーシーズンズホテルが東山で開業したばかり。観光客の増加によるホテル不足を解消するために、京都市は2020年までに約6000室分の宿泊施設の建設を促す誘致策を検討中だそうです。 京都市といえ…

当尾の石仏をめぐる旅(3)〜浄瑠璃寺の春〜

当尾を訪れる時期は新緑の頃がベストかも知れません。岩船寺境内にあじさいが咲くまで待つ手もあります。ただ、浄瑠璃寺を終点と決めたときから選択肢は春しかありませんでした。堀辰雄の短い随筆『浄瑠璃寺の春』を追体験してみたかったからです。山門手前…

当尾の石仏をめぐる旅(2)

岩船寺門前を左へ折れて緩やかな坂道を上るコースを選択、山里の風情はさながら春の大和路です。岩船寺を起点にするとコース全体が下り坂になっているので楽かも知れません。石仏は山道に点在しているので、当尾エリアマップを見ながら順に巡礼することに。…