読書

新着順 人気順

「アペロ」vs. 「アペロ・ディナトワール」  

8月下旬から曇りや雨の日続きでしたが、昨日、東京では19日ぶりに朝から気持ちのいい青空が広がりました。アプローチの落ち葉を掃いたり、洗車したりして、久しぶりに戸外で心地よい汗をかきました。夕方になって小腹も空いてきたので、ダイニングで「アペロ…

リニューアルした三省堂書店神保町本店を初見参〜「積読ホルダー」と名付けられた便利グッズを購入〜

4年ぶりに、神保町の顔とも言える三省堂書店神保町本店が、仮店舗のあった小川町から戻ってきました。今年3月19日から営業を再開しています。近年は、新刊をネットで注文して最寄りの書店で受け取るスタイルが定着し、本の聖地である神保町に足を運ぶ機会が…

日本株「18年ぶりの高変動率」に打ち勝つための投資戦略

2026年8月20日付の日本経済新聞(朝刊・グローバル市場面)に、「日本株、18年ぶりの変動率」と題した非常にインパクトのある記事が掲載されました。年初から8月19日までの153営業日のうち、日経平均株価が1日で2%以上変動した日は実に46営業日と、全体の3割…

はらぺこあおむしの誕生物語を紐解く「エリック・カール展」@東京都現代美術館

都立美術館の中で最も交通アクセスが悪いのは、東京都現代美術館かもしれません。地元の皆さんには恐縮ですが、半蔵門線・清澄白河駅から徒歩10分という立地は、山手線内にある東京都美術館、東京都庭園美術館、東京都写真美術館と比べると、どうしたって見…

繰り返し読みたい絵本|シェル・シルヴァスタインの”THE GIVING TREE”(邦訳『おおきな木』)

Eテレの「100分de名著」を録画して、タイムシフトで視聴することにしています。この3月に放送された絵本スペシャルで取り上げられた一冊が、『おおきな木』(あすなろ書房)でした。作者はシェル・シルヴァスタイン、原題は”THE GIVING TREE”です。2010年9月…

川本三郎さんのエッセイを読み解く 〜「独生独死 独去独来」〜

ときどき、近所の図書館で雑誌のバックナンバーを手に取ります。男性向けのビジネス・カルチャー誌『GOETHE』や、東京の魅力を発信する情報誌『東京人』は、お気に入りの雑誌です。先日、昨年の『東京人』9月号に目を通していたところ、映画評論や文芸評論で…

平山周吉著『満洲国グランドホテル』を読んで 〜見果てぬ夢の光と影〜

司馬遼太郎生誕100年目の「菜の花忌」(2023年)に、東大阪市文化創造館で開催された記念シンポジウムの席上で、『満洲国グランドホテル』(芸術新聞社刊)の著者・平山周吉氏が登壇し、司馬遼太郎賞受賞記念スピーチを聴いたのが、本書を手にするきっかけでし…

池井戸潤の新作『ブティック』から学ぶプロフェッショナリズム

先月、「週刊ダイヤモンド」の連載が単行本化された『ブティック』は、前作『俺たちの箱根駅伝』以来、約2年ぶりとなる池井戸潤氏の新刊です。著者が新卒で都銀(三菱銀行)に入行し、支店勤務を経験したバックグラウンドは自分の20代の経歴とも重なるため、…

「山林に自由存す」が訴える束縛からの自由

JR三鷹駅北口交番の脇、往来の激しい駅前ロータリーの喧騒を背にするように、国木田独歩(1871-1908)の詩碑「山林に自由存す」がひっそりと佇んでいます。地元住民でも、その存在に気づかぬまま通り過ぎる人は多いのかもしれません。碑文は武者小路実篤の揮…

伊藤将人著『移動と階級』(講談社現代新書)が剔抉する「移動資本」という新たな格差

昨年5月に刊行された伊藤将人著『移動と階級』(講談社現代新書)が、いま新聞や雑誌などのメディアで大きな注目を集めています。今月4日付けの日本経済新聞 1面コラム「春秋」子が、4年ぶりとなった東京圏の転入超過の縮小(東京からの転出減)を背景に、本…

村上春樹と柳井正〜共通する父子関係の苦悩〜

『1Q84』以降、村上春樹さんの長編小説を読んでいません。意識的に遠ざかっているのかも知れません。時間が経つにつれて作家の小説観や文体が変容するように、読者の好みも自ずと変化していくのは、致し方ないことなのでしょう。年が明け、日本経済新聞編集…

躍進するグローバル企業・ファーストリテイリングのポテンシャル ~ 若者は「ユニクロ」に学べ~

先週、ユニクロを運営するファーストリテイリングが、2026年8月期の連結純利益が前期比4%増の4500億円に達する見通しであると発表しました。これで6年連続の最高益更新となります。特筆すべきは、苦戦を強いられ続けてきた欧米市場において、直近四半期で3割…

心に響いた向田邦子のひと言 ~同窓会へのアンチテーゼ~

以前にも増して、学校の同窓会やかつての勤務先のOB会から誘いを受ける機会が多くなっています。再来年には、2度目となる中学校の学年同窓会幹事を仰せつかっています。同窓会という言葉から分かちがたく連想されるのは「人生の応援歌」というフレーズです。…

健康投資こそ最高の投資|ホリエモンの最新刊『予防医療 HOW MUCH?』を読んで

今年最初に手にとった一冊は、堀江貴文氏が9人の医師や研究者への取材を通じて著した『予防医療 HOW MUCH?』(メディカルレビュー社刊・2025/12)です。過去25年間で、日本の社会保障負担率は5ポイントも上昇しました。財務省の見通しによれば、租税負担率…

『ある行旅死亡人の物語』を読んで ~ 誰にでも起こりうる切ない未来~

タイトルに惹かれて購入したのが、毎日新聞出版から刊行された単行本『ある行旅死亡人の物語』です。奥付を確認すると第一刷は2022年11月。売れなければ1ヶ月も経たずに店頭から姿を消してしまうのが新刊本の哀しい宿命ですが、刊行から3年が経過した今なお…

石原慎太郎のカクテル談義 ~ドライマティーニが似合うバーカウンター~

年末のTo Do Listの最優先事項は、積ん読の解消と蔵書の整理・処分。毎年のことながら、カウントダウンの始まる時期を迎えても思うように捗りません。処分するはずの本をついつい読み返してしまうからです。石原慎太郎著『息子たちと私 ―子どもあっての親―』…

落合恵子さんが見つけた「センス・オブ・ワンダー」

レイチェル・カーソンの未完の遺作『センス・オブ・ワンダー』。この言葉を道標にするかのように、作家の落合恵子さんが自身の体験を綴った『がんと生きる』(朝日新聞出版)を出版されたことを新聞記事で知りました。2023年にステージIIIAの肺がんと診断さ…

サ活のバイブル『究極にととのうサウナ大全』で知るサウナの効用

バズワード〈ととのう〉の生みの親は、濡れ頭巾ちゃん。全国のサウナを行脚し酒場に繰り出す日々を綴ったブログ「湯守日記」を主宰している中年男性です。マンガ『サ道』で紹介されたバズワード〈ととのう〉は、一気に認知され、今やサウナーの市民権を獲得…

新潟県で日本人拉致問題と向き合う~蓮池薫著『日本人拉致』で知る拉致問題の真相~

今年5月、旅先で北朝鮮による日本人拉致問題に思いを巡らす機会がありました。「忘れない、伝えたい-拉致問題を考える上映会&パネル展」(会場:見附市市民交流センター・ねーぶるみつけ)に立ち寄って、展示を見たのがきっかけでした。日本政府が公式に拉…

「鯨骨生物群集」をテーマにした絵本『クジラがしんだら』が面白い!

先週土曜日、朝日新聞の本の情報サイト・好書好日が絵本『クジラがしんだら』を取り上げました。面白そうなテーマだったので、早速、取り寄せて読んでみました。奥付けを見て驚きました。出版から1年足らずで第10刷、人気ぶりが窺えます。写真(下)にあるよ…

『DIE WITH ZERO』(ダイヤモンド社)のエッセンス〜Better late than never ! 〜

ビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』が刊行されたのは、コロナ1年目の2020年9月。旬が短いビジネス書にあって、本書は異例のロングセラーになっています。ブックタイトル「ゼロで死ぬ」を含め、筆者は人生を豊かにするための究極のルールを9つ提示します。9…

ブックレビュー|『透析を止めた日』(堀川惠子著・講談社刊)

大宅壮一ノンフィクション賞をはじめ著作が次々と受賞するノンフィクション作家・堀川惠子さんを知ったきっかけは、『チンチン電車と女学生』(講談社文庫)です。当ブログでは、原爆投下直後の広島で路面電車を運行させた広島電鉄の職員の奮闘を描いた処女…

傑作戦争コミック『アルキメデスの大戦』全38巻を大人買い

つい最近まで、迂闊にも、当ブログで取り上げた映画『アルキメデスの大戦』に続きがあることを知りませんでした。映画は、原作コミックのたった2巻をダイジェストしたものに過ぎなかったのです。早速、全38巻を大人買いして一気読みしました。黒島亀人先任参…

ブックレビュー|『熔ける 再び』(2022年幻冬社刊)

著者は大王製紙元会長・井川意高(いかわもとたか)、大王製紙創業家3代目の御曹司です。2011年11月、関係会社7社から投資目的で借用した資金を元手にシンガポールやマカオのカジノで総額106億3000万を蕩尽し、東京地検特捜部に逮捕された人物です。最高裁ま…

『俺たちの箱根駅伝(上・下)』〜敗者復活のドラマに胸が熱くなる傑作〜

4月に刊行された本書を半年以上積ん読状態にしておいたことを、後悔させられる圧巻の内容でした。コンテンツが唯一無二の箱根駅伝だけに、堂場瞬一の『チーム』をはじめ既刊傑作群に迫る内容でなければなりません。池井戸潤は、箱根駅伝の主役のランナーを丁…

吉村昭の『碇星』と急増する高齢者の「おひとりさま」

しばらく足が遠のいていたジュンク堂吉祥寺店を覗いたところ、かなりレイアウトが変わっていて少々戸惑いました。店員曰く、6月上旬に改装し、6階に「新刊・話題書」棚と文具売り場が設けられた由。思えば、欲しい本があると、最近は専らe-honの書店受け取り…

100年ぶりに発見されたアンドリュー・アーヴィンの登山靴

エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイの名前を知らない人はいないでしょう。1953年5月29日午前11時30分、エベレスト初登頂を成し遂げたのがこの2人です。登山史に燦然と輝くこの偉業達成の29年前、エベレスト頂上アタックに挑んで姿を消したジョージ・…

半藤一利著『靖国神社の緑の隊長』(幻冬舎)を読んで~太平洋戦争を知らない世代に是非とも読んで欲しい一冊~

『靖国神社の緑の隊長』(幻冬舎・2020年7月10日第1刷)は、半藤一利さんが亡くなる半年前に上梓された本です。『週刊文春』の編集者だった30代の半藤さんが、9ヶ月にわたって旧帝国陸海軍将校や兵士を尋ねて全国を駆けまわり、取材した体験談が基になってい…

日本における韓国文学ブームの立役者・斎藤真理子さんと韓江(ハン・ガン)女史

9月7日付け朝日新聞beが一面フロントランナーで取り上げたのは、翻訳家の斎藤真理子さん。4歳上のお姉さんが文芸評論家・斎藤美奈子さんだと知って吃驚。血は争えません。韓流ドラマの人気ぶりは知っていても、近年、日本で韓国文学熱が高まっていることを露…

文藝春秋九月特別号で芥川賞受賞作『バリ山行』を読む

成田発カイロ行きエジプト航空MS965便の機内で、文藝春秋九月特別号に掲載された芥川賞受賞作『バリ山行』(松永K三蔵)を読むことになりました。ペンネームのKは父親のイニシャルだそうです。エジプト航空機内では、ロングフライトに欠かせない映画のライン…