舞台
東京公演・千秋楽を3日後に控えた9月25日、6年ぶりに日生劇場を訪れました。アレクサンドル・デュマ・ペールの代表作『三銃士』のミュージカル舞台(制作:松竹)を観るためです。6年前の演目は、吉田鋼太郎(シラノ)と黒木瞳(ロクサーヌ)豪華共演による…
2024年八月納涼歌舞伎第三部は、新作『狐花(きつねばな)』。作家の京極夏彦が歌舞伎舞台化を前提に書き下ろした小説を自ら脚本に仕上げた演目です。<ミステリー界の鬼才・京極夏彦が書き下ろす新たな謎解き物語>と銘打ち、上演に合わせてKADOKAWAから小…
傘寿を迎えた文枝師匠をお祝いする落語会が各地で開催されています。昨夜、銀座ブロッサム中央会館で開催された「文枝と小朝の二人会」に足を運びました。東西落語会の重鎮ふたりが高座を務めるとあって、会場は満席でした。6月は、銀座を皮切りにあと4ヶ所…
2024(令和6)年六月大歌舞伎が1日初日を迎え、連日、歌舞伎座で萬屋ファミリーの新しい門出を祝う華やかな舞台が繰り広げられています。 ©松竹それは、5代目中村時蔵が初代萬壽を、4代目中村梅枝が父の跡を継いで6代目中村時蔵を襲名、その息子・小川大晴(…
2024年「四月大歌舞伎」夜の部は、にざたま夢の競演による『於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)』&『神田祭』でした。市川宗家と並んで抜群の集客力を誇るのは、十五代片岡仁左衛門(松嶋屋)と坂東玉三郎(大和屋)のふたりではないでしょう…
十八代目中村勘三郎十三回忌の追善興行・昼の部に足を運びました。演目は「新版歌祭文 野崎村」、「釣女」、「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」。「猿若祭」とは、初代猿若勘三郎が江戸で初めて歌舞伎を始めた伝説を記念する興行のことです。江…
お正月の歌舞伎座は格別です。紅白の繭玉飾りや鏡餅で歌舞伎座1階ロビー大広間は華やかに飾り立てられ、新年初日の1月5日には、同大広間で年頭恒例の「木遣り始め」が催されました。江戸町火消「す組」の芸を継承した鳶たちが威勢よく纏い振りを披露し、木遣…
クリスマスイブの24日夕方、久しく遠ざかっていた『M-1』を観ようとテレ朝にチャンネルを合わせました。有馬記念(GI)の馬券を取って気持ちが高揚していたせいでしょうか。お笑いと言えば、2003年から2010年まで毎週土曜日にレギュラー放送されていた『エン…
2016年に誕生した「超歌舞伎Powered by NTT」がついに歌舞伎座デビューを果たしました。12月3日に開幕した『今昔饗宴(はなくらべ)千本桜』を早速観てきました。先ずは、特別ポスター(写真・下)をご覧下さい。ペンライトに染まった観客席があしらわれてい…
劇団四季のミュージカル『アナと雪の女王』を観に、浜松町の劇団四季専用劇場を訪れました。劇団四季のミュージカルを観るのは実に十数年ぶり、戦争三部作のひとつ『李香蘭』以来です。チケットは次男からのプレゼントでした。幼少期に『ライオンキング』をは…
二世中村吉右衛門三回忌追善と銘打った今年の秀山祭「夜の部」最後の演目は、『一本刀土俵入』です。明治生まれの劇作家にして「股旅物」の創始者・長谷川伸(1884-1963)の不朽の名作ですが、歌舞伎化されていたとは露知らず、秀山祭の演目が発表されたとき…
5月18日に猿之助丈が病院に搬送されて以来、猿之助ロスに苛まれています。七月大歌舞伎・昼の部『菊宴月白浪(きくのえんつきのしらなみ)』の主役・斧定九郎は本来なら猿之助が演じるはずでした。座長不在で苦境に立たされた澤瀉屋さんを応援するつもりで先…
5月5日、WHOが「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を3年3ヶ月ぶりに解除しました。世界的に見ても、長いトンネルを抜けて漸くコロナ禍が収束に向かっているのでしょう。我が国でも、5月8日から新型コロナウイルス感染症分類が2類から季節性インフルエンザと同…
大阪天満宮の敷地内に上方落語の定席・天満天神繁昌亭が誕生したのは2006年9月。メディアがこぞって取り上げたので、誕生当時のことをよく記憶しています。大阪といえば、「なんばグランド花月劇場」に代表されるような演芸場が其処かしこにあるようなイメー…
2023年は五代目歌舞伎座の開場10周年にあたります。時が経つにつれて、歌舞伎座の背後に聳え立つ29階建ての高層オフィスビル「歌舞伎座タワー」が周囲と馴染んできたように感じます。銀座4丁目交差点から昭和通りと晴海通りがクロスする三原橋交差点へ向かう…
2023年の初芝居は3年ぶりの新春浅草歌舞伎へ。銀座線・浅草駅構内は人いきれで咽返るようでした。成人式を含む3連休に浅草を訪ねるのは初めて。浅草駅・1番出口からすぐの雷門前はいうまでもなく、会場の浅草公会堂までの道々は人また人。外国人観光客も数知…
2ヶ月目を迎えた十三代目團十郎白猿襲名披露。今月は八代目新之助が史上最年少の9歳で歌舞伎18番『毛抜』に挑んでいます。新之助丈が勤める粂寺弾正は、文屋豊秀方からお家騒動の禍中にある小野家に遣わされた使者にして、小野家を乗っ取ろうと企む家老八剣…
11月7日から十三代目市川團十郎白猿披露十一月吉例顔見世大歌舞伎が始まりました。大安吉日の19日(土)に「昼の部」を観劇したばかりですが、今週は「夜の部」を鑑賞します。歌舞伎界の祝祭・成田屋さんの襲名披露公演は演目を変えて十二月も行われます。3…
歌舞伎座において、11月7日からいよいよ十三代目市川團十郎白猿襲名披露公演がスタートします。勸玄君は八代目新之助を襲名し、歌舞伎十八番の内『外郎売』で新之助としての初舞台を勤めます。大名跡<市川團十郎>の復活は、十二代目團十郎さんが2013年に亡…
17時過ぎ、歌舞伎座前に着いたとき人出の多さに驚きました。花道を挟む一部座席を除いて、8月から全座席の販売が再開されたため観客が増えたのです。開演前の華やいだ空気と賑わいが戻りつつあることを心から歓迎したいと思います。第二部秀山十種の内『松浦…
新型コロナウイルス感染防止対策の一環として歌舞伎座(客席数:1808席)が続けてきた収容人数の制限が、「八月納涼歌舞伎」から大幅に緩和されました。7月公演までは間隔を設けた2席並びでしたから、販売対象の客席数は7割から9割7分へと満席近くまで増えた…
海老蔵丈の歌舞伎座出演は10ヶ月ぶり。前回は昨年7月の『雷神不動北山櫻』でしたから、市川宗家らしからぬ歌舞伎座離れだったわけです。最近は本業以外のプライベートで耳を塞ぎたくなるような醜聞が伝えられ、挙句の果ては松竹との不仲も噂される始末。十三…
歌舞伎座に「スーパー歌舞伎」が満を持してやって来ました。1986年に三代目猿之助さんが作家・梅原猛さんとタッグを組んで始めた「スーパー歌舞伎」は、今や、古典歌舞伎の名作を凌ぐ人気演目になっています。2015年、創始者二代目猿翁(三代目猿之助)から…
2022年二月大歌舞伎第二部の演目は『義経千本桜』二段目でした。「渡海屋(とかいや)・大物浦(だいもつうら)」に続けてチラシにはこう銘打たれています。<片岡仁左衛門 一世一代にて相務め申し候>十五代目片岡仁左衛門さんはこの3月に78歳を迎えます。2…
2月4日夜、渋谷・シアターコクーン歌舞伎第十八弾『天日坊』(2022年2月1日〜26日)を観劇。昨年の『夏祭浪花鑑』はチケット手配済みだったにもかかわらず、政府緊急事態宣言発出にが災いしまさかの休演。今年も1月21日にまん延防止等重点措置が適用され(〜2月…
新年1月8日が歌舞伎座通い初めになりました。昨年同様、寿初春大歌舞伎は三部制、お正月にふさわしい歌舞伎舞踊『春の寿』に初笑いを誘う『邯鄲枕物語 艪清の夢』を組み合わせた第二部を鑑賞しました。一昨日の初雪は殆ど解けて麗らかな日和でした。いつもの…
コロナ禍の影響で前年に引き続き、2021年の歌舞伎座は大幅に客席数を間引いて3部制(月によっては四部制)を継続しました。昼夜二部制の時代がそろそろ恋しくなりました。幕間に客席で頂くお弁当や名物「めでたい焼き」を楽しみにしている観客にとって、此の…
例年なら、9月の歌舞伎座公演は初代中村吉右衛門さんの俳号に因んだ「秀山祭」(2006年~)となるはずでした。ところが、昨年来、コロナ禍が継続している上、3月に救急搬送された当代吉右衛門さんは現在も療養中のため、2021年「九月大歌舞伎」は3部制(昨…
先々月、知人から誘われて<幸田弘子が愛した世界~幸田弘子先生追悼朗読会~>に出席しました。舞台朗読という新分野で芸術選奨文部大臣賞をはじめ輝かしい受賞歴のある朗読家幸田弘子さんの追悼朗読会に出席したのは、『中央線の呪い』など中央線沿線文化…
昨年来、観劇もコロナ禍の影響をもろに受けています。忘れもしない去年の8月5日のことです。八月花形歌舞伎第3部「吉野山」(『義経千本桜』四段目口)のチケットを手配してあったので、歌舞伎座に出向いたところ、突然休演のアナウンス。微熱の舞台関係者がい…