舞台
2023年の初芝居は3年ぶりの新春浅草歌舞伎へ。銀座線・浅草駅構内は人いきれで咽返るようでした。成人式を含む3連休に浅草を訪ねるのは初めて。浅草駅・1番出口からすぐの雷門前はいうまでもなく、会場の浅草公会堂までの道々は人また人。外国人観光客も数知…
2ヶ月目を迎えた十三代目團十郎白猿襲名披露。今月は八代目新之助が史上最年少の9歳で歌舞伎18番『毛抜』に挑んでいます。新之助丈が勤める粂寺弾正は、文屋豊秀方からお家騒動の禍中にある小野家に遣わされた使者にして、小野家を乗っ取ろうと企む家老八剣…
11月7日から十三代目市川團十郎白猿披露十一月吉例顔見世大歌舞伎が始まりました。大安吉日の19日(土)に「昼の部」を観劇したばかりですが、今週は「夜の部」を鑑賞します。歌舞伎界の祝祭・成田屋さんの襲名披露公演は演目を変えて十二月も行われます。3…
歌舞伎座において、11月7日からいよいよ十三代目市川團十郎白猿襲名披露公演がスタートします。勸玄君は八代目新之助を襲名し、歌舞伎十八番の内『外郎売』で新之助としての初舞台を勤めます。大名跡<市川團十郎>の復活は、十二代目團十郎さんが2013年に亡…
17時過ぎ、歌舞伎座前に着いたとき人出の多さに驚きました。花道を挟む一部座席を除いて、8月から全座席の販売が再開されたため観客が増えたのです。開演前の華やいだ空気と賑わいが戻りつつあることを心から歓迎したいと思います。第二部秀山十種の内『松浦…
新型コロナウイルス感染防止対策の一環として歌舞伎座(客席数:1808席)が続けてきた収容人数の制限が、「八月納涼歌舞伎」から大幅に緩和されました。7月公演までは間隔を設けた2席並びでしたから、販売対象の客席数は7割から9割7分へと満席近くまで増えた…
海老蔵丈の歌舞伎座出演は10ヶ月ぶり。前回は昨年7月の『雷神不動北山櫻』でしたから、市川宗家らしからぬ歌舞伎座離れだったわけです。最近は本業以外のプライベートで耳を塞ぎたくなるような醜聞が伝えられ、挙句の果ては松竹との不仲も噂される始末。十三…
歌舞伎座に「スーパー歌舞伎」が満を持してやって来ました。1986年に三代目猿之助さんが作家・梅原猛さんとタッグを組んで始めた「スーパー歌舞伎」は、今や、古典歌舞伎の名作を凌ぐ人気演目になっています。2015年、創始者二代目猿翁(三代目猿之助)から…
2022年二月大歌舞伎第二部の演目は『義経千本桜』二段目でした。「渡海屋(とかいや)・大物浦(だいもつうら)」に続けてチラシにはこう銘打たれています。<片岡仁左衛門 一世一代にて相務め申し候>十五代目片岡仁左衛門さんはこの3月に78歳を迎えます。2…
2月4日夜、渋谷・シアターコクーン歌舞伎第十八弾『天日坊』(2022年2月1日〜26日)を観劇。昨年の『夏祭浪花鑑』はチケット手配済みだったにもかかわらず、政府緊急事態宣言発出にが災いしまさかの休演。今年も1月21日にまん延防止等重点措置が適用され(〜2月…
新年1月8日が歌舞伎座通い初めになりました。昨年同様、寿初春大歌舞伎は三部制、お正月にふさわしい歌舞伎舞踊『春の寿』に初笑いを誘う『邯鄲枕物語 艪清の夢』を組み合わせた第二部を鑑賞しました。一昨日の初雪は殆ど解けて麗らかな日和でした。いつもの…
コロナ禍の影響で前年に引き続き、2021年の歌舞伎座は大幅に客席数を間引いて3部制(月によっては四部制)を継続しました。昼夜二部制の時代がそろそろ恋しくなりました。幕間に客席で頂くお弁当や名物「めでたい焼き」を楽しみにしている観客にとって、此の…
例年なら、9月の歌舞伎座公演は初代中村吉右衛門さんの俳号に因んだ「秀山祭」(2006年~)となるはずでした。ところが、昨年来、コロナ禍が継続している上、3月に救急搬送された当代吉右衛門さんは現在も療養中のため、2021年「九月大歌舞伎」は3部制(昨…
先々月、知人から誘われて<幸田弘子が愛した世界~幸田弘子先生追悼朗読会~>に出席しました。舞台朗読という新分野で芸術選奨文部大臣賞をはじめ輝かしい受賞歴のある朗読家幸田弘子さんの追悼朗読会に出席したのは、『中央線の呪い』など中央線沿線文化…
昨年来、観劇もコロナ禍の影響をもろに受けています。忘れもしない去年の8月5日のことです。八月花形歌舞伎第3部「吉野山」(『義経千本桜』四段目口)のチケットを手配してあったので、歌舞伎座に出向いたところ、突然休演のアナウンス。微熱の舞台関係者がい…
歌舞伎座正面を挟んで両脇にあるのがおなじみ絵看板です。そこには昼夜の演目ごとに主な登場人物が描かれていて、歌舞伎ファンにとって歌舞伎座入場前にこの絵看板を眺めることは謂わばルーティンなのです。友人知己と観劇する場合は、絵看板前が格好の待ち…
3度目となる緊急事態宣言発令によって、手元にある観劇プラチナチケット2枚が紙屑になってしまいました。東京都が4月23日に発表した「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置について」には、「無観客開催」を要請する施設に「劇…
四月大歌舞伎第一部の演目は『小鍛冶』と『勧進帳(歌舞伎十八番のうち)』でした。『勧進帳』は言わずと知れた「歌舞伎十八番」、天保年間に七代目市川團十郎(1791-1859)が市川宗家のお家芸として選定したものです。『勧進帳』は能『安宅』に材を得て作ら…
三月大歌舞伎第二部を鑑賞、3年ぶりの『熊谷陣屋』でした。前回は2018年2月の高麗屋三代同時襲名興行の折、熊谷次郎直実を十代目幸四郎が演じました(妻相模は魁春)。今回の直実役は、当代きっての立役十五代目片岡仁左衛門です。幕開け、舞台下手に<一枝…
年が改まっても、コロナ禍は収まらないどころか猛威を増すばかり。1/7の緊急事態宣言再発出でヒヤリとさせられましたが、第三部は急遽25分繰り上げて18:20に開演、胸をなで下ろしました。第三部の演目は次のとおりです。●菅原伝授手習鑑『車引』●眠駱駝物語…
三連休の最終日、日テレが毎年1月に放映する『市川海老蔵に、ござりまする2021』をタイムシフト視聴。長引くコロナ禍で「歌舞伎役者を辞めよう」と思うことさえあったと海老蔵さんは呟きます。そして、自らの十三代目市川團十郎白猿襲名の延期よりも、「勸玄…
新橋演舞場前で不意に「歌舞伎座かわら版」が配られ、2020年の海老蔵丈と勸玄君の襲名披露を知ったのは一昨年の1月14日のことでした。コロナ禍さえなければ、去年の5月から3ヶ月にわたって十三代目市川團十郎白猿襲名公演並びに八代目市川新之助初舞台が披露…
2020年は歌舞伎界における世紀のイベント「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」公演が5月から3ヵ月にわたって開催されるはずでした。あろうことか、政府の緊急事態宣言を受け、すべての公演は中止となってしまいました(4/7発表)。外国人観光客が大勢来日する…
8月5日の昨日、歌舞伎座正面左手の絵看板の背後で待ち合わせていた知人ふたりと合流、いざ入場と思いきや、突然第3部『義経千本桜(吉野山)』が休演だと知らされました。半信半疑の思いで掲示板に目を遣ると、舞台関係者に体調不良者が確認されたため、やむ…
堺雅人主演ドラマ<半沢直樹>が7年ぶりに戻ってきました。初回視聴率22%とはさすがです!原作(『ロスジェネの逆襲』と『銀翼のイカロス』)を読んでいるのであらすじは凡そ見当がつきますが、香川照之さん演じる大和田常務が退任かと思いきや平取として役…
松竹歌舞伎会会員に毎月届く会報誌「ほうおう」7月号にも公演内容の記載がありません。 新型コロナウイルス感染防止拡大のため、公演すべてが中止になっているからです。会報誌が普段より薄っぺらくて寂しいかぎりです。本来であれば、歌舞伎界挙げての世紀…
<双眼鏡市場 目を見張る成長>という新聞記事(2019年12月6日付け朝日新聞夕刊)に目が留まりました。かつては無風状態だった双眼鏡市場が近年活況を呈し、「防振双眼鏡」の販売台数が5年前の2~3倍に伸びたモデルがあるというのです。購買層は女性が中心で…
令和元年(2019年)の幕開けは新橋演舞場の初春歌舞伎公演昼の部からでした。当日1月14日の開演30分前くらい前でしょうか、開場を待っていると会場スタッフから瓦版が配られ、2020年に海老蔵さんと勸玄君が、それぞれ13代目市川團十郎と八代目市川新之助を襲…
2019年11月吉例顔見世大歌舞伎夜の部で、十代目幸四郎 × 新染五郎の『連獅子』(河竹黙阿弥作)が上演されています。20日、歌舞伎座では初となる夢の親子競演を観て参りました。去年、京都南座の襲名披露興行でお披露目されたのだそうですが、歌舞伎座で早くも…
一昨日は新橋演舞場で観劇、演目はスーパー歌舞伎ll「新版 オグリ」(10/6~11/25)でした。先代市川猿之助(現:二代目猿翁)が梅原猛と組んで手掛けた「オグリ」が、28年ぶりに新解釈で蘇りました。この日の小栗判官(おぐりはんがん)は、四代目市川猿之助(…