UNHCRから防寒支援活動に関する分厚い封書が届きました。いまだに戦争状態が続くウクライナ国内で避難を強いられている人は366万人以上。アフガニスタンの国内避難民は322万人、シリア国内で人道支援を必要としている人は1670万人。この3カ国は、これから気温零下(-2℃〜-33℃)に達する厳しい冬を迎えます。
最前線で難民支援に従事するUNHCRの現地リポートを読むと、平和な日本で衣食住に事欠かない暮らしを送れていることの有り難みをひしひしと感じます。
今回のレポート対象国以外でも、信じられないような最悪の飢餓状態に見舞われている国があります。スーダンでは人口5千万人の半数超える2560万人が深刻な飢餓に直面しているといいます。国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」間の内戦によって農業地帯が戦場と化し、生産能力が極度に低下したためです。栄養失調を疑われる子どもが激増し、医療崩壊が深刻化しています。
今年6月に刊行された難民問題の入門書『なぜ難民を受け入れるのか-人道と国益の交差点』(橋本直子著・岩波新書)の帯に、カナダで難民を受け入れている人のこんな言葉が書かれていました。
〈人間であれば、他の人を助けられることが、人生で最大の成功だ思う〉
6000円の寄付で寒さから身を守る毛布が5枚、10000円なら部屋を暖めることができる簡易ヒーター3台分、現地に届けられます。15000円で高騰する燃料代や医療費にもなる現金給付支援に協力することができます。
難民受け入れが不得手な日本に居住するかぎり、残念ながら、世界に広がる「難民」に手を差し伸べる手段は限られています。しかし、「難民問題」は決して遠い世界で起きている他人事ではありません。真摯に「難民問題」と向き合うことで、日本人ひとりひとりが関心を持ち続けることが求められています。