2015-01-01から1年間の記事一覧

年の瀬を詠んだ一句を思う

大晦日を迎えました。今年を振り返ってみると、年初に掲げた目標をある程度消化できた一方で、痛恨の極みともいうべき出来事もあって悲喜こもごもの一年でした。人生はコインの表裏の如し。また、禍福糾える縄の如し。先日、国立劇場で東海道四谷怪談を観た…

夫婦同姓合憲判決要旨を読む

今月16日、「夫婦は同姓(民法750条)」、「女性は離婚して6か月間は再婚禁止(同733条1項)」とする民法規定が憲法に違反しないかどうかについて初の憲法判断が示されました。前者は合憲、後者は100日を超える期間について違憲という結論でした。後者は最高…

侮るなかれチリカベ〜デルスール2014年〜

今年もあと3日で大晦日。手持ちのメガロスの株主優待券を消化しようと今週は連日のジム通いで少々へこたれ気味であります。就寝前にワインを飲むと瞬く間に白河夜船。最近、内飲みワインの絶品を見つけたのでご紹介しておきます。その名は「デル・スール カ…

創造と神秘のサグラダ・ファミリア@恵比寿ガーデンシネマ

記憶にないくらい久しぶりに恵比寿ガーデンシネマを訪れました。今年3月、4年ぶりに復活したのだそうです。吉祥寺のバウハウスシアターといい、都内でもミニシアターはなくなる一方ですから、映画ファンには待望のリニューアルオープンといっていいでしょう…

真冬になぜ「東海道四谷怪談」か?

国立劇場で公演中(〜12月26日まで)の「東海道四谷怪談」が趣向を凝らした演出で楽しめました。真冬に季節外れの怪談話ってなぜと思われる方も多いかと思いますが、四世鶴屋南北の最高傑作「東海道四谷怪談」の初演は文政8(1825)年のこと、「仮名手本忠臣蔵…

映画「杉原千畝」〜インテリジェンス・オフィサーの知られざる横顔〜

10年ぶりのスター・ウォーズ新作「フォースの覚醒」を横目に、5日に封切された「杉原千畝」をようやく観ることが出来ました。身辺大掃除の合間を縫っての鑑賞でした・・・。リトアニア領事代理杉原千畝の名前を知ったのは1993年当時だったと記憶しています。…

「文系学部で何を教えるか」という議論の行方

近頃、財務省が運営交付金を削減する方針を打ち出し、国公立大学の授業料が16年後には今の53万円から93万円になるのだとか。一方、文科省は昨年、スーパーグローバル大学という枠組みを創設して、徹底した国際化を図る方針だといいます。21世紀になってもな…

『下町ロケット2』〜医療機器開発という着眼〜

直木賞受賞作の『下町ロケット』で新境地を拓いた池井戸潤の同書続篇が刊行されたので、早速読んでみました。テレビ放映が進行中ですので、ネタバレはなるべく避けて、続篇のテーマである医療機器の開発というテーマを掘り下げてみようと思います。前回作は…

圧巻だった「村上隆の五百羅漢図展」

この週末、六本木の森美術館で開催中の「村上隆の五百羅漢図展」を観てきました。国内では14年ぶりの個展になるのだそうです。メディアで紹介されることが多いアーティストなので彼の作品を観たような気になっていますが、実際に鑑賞するのはこれが初めてで…

ついに映画化された『リトル・プリンス 星の王子さまと私』を観て

21日に封切されたばかりの「リトルプリンス」を早速観てきました。『星の王子さま』の愛読者としては、観ないわけにはいきませんからね。これまでにアニメ界の巨人ディズニーが映画化していても決して不思議ではないわけですが(注:オーソン・ウェルズがデ…

マイ・セカンドハウス in 京都 〜ザ・パークハウス京都鴨川御所東に殺到する富裕層〜

2007年にエクシブ八瀬離宮の会員権を取得して以来、オフは可能なかぎり京都で過ごすようにしています。新東名が開通してクルマでのアクセスが格段に改善されたこともあって、ロングドライブを楽しみながら、東京から京都通いを愉しんでいます。子供たちが小…

2015年京都:秋の特別公開〜伊藤若冲の天井画を仰ぎ見る〜

ここ数年、11月第1週は京都で数泊して、特別公開される寺社仏閣を訪れるようにしています。(公財)京都古文化保存協会が春と秋に実施する催しで、普段は非公開の文化財を拝観できるのが利点です。 今年のお目当てはなんといっても、初公開されることになっ…

2015年11月大歌舞伎《夜の部》〜『元禄忠臣蔵(仙石屋敷)』と『河内山』〜

11月《夜の部》の初お目見得についてはすでに触れましたので、『勧進帳』を除く2演目の見どころをご紹介したいと思います。忠臣蔵といえば、歌舞伎の三大名作のひとつ『仮名手本忠臣蔵』が有名ですが、今回の忠臣蔵は真山青果作『元禄忠臣蔵(仙石屋敷)』で…

2015年11月吉例顔見世大歌舞伎《夜の部》〜堀越勸玄(ほりこしかんげん)くん初お目見得〜

市川宗家の後継者、堀越勸玄くん(2歳7か月)が初お目見得ということで、数カ月ぶりに歌舞伎座に足を運びました。将来は14代目の團十郎ですから、歌舞伎界挙げての祝福というわけです。先月、チケットを手配したときには、花道周辺から後方席まで大方が満席…

Mont d'Orの季節

11月11日はチーズの日だそうです。昭和39年にナチュラルチーズを初めて輸入したのは紀ノ国屋、日本人が食料品店で手軽にチーズを買い求めるようになったのはまだ最近のことなのです。秋本番となると、明治屋や紀ノ国屋のチーズコーナーにはモンドールが並び…

スーパー歌舞伎II『ワンピース』を見逃すところだった!

尾田栄一郎の『ONE PIECE』は累計3億部を超え、今年6月には、「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定されました。若者に絶大な人気を誇るこの漫画、「こち亀」と並んで我が家の倅どもの愛読漫画だったわけですが、…

『いちえふ』という職場〜廃炉までの果てしない道のり〜

昨日、福島第一原発事故のあと作業に従事し白血病を発症した元作業員を厚労省が労災認定したというニュースが報じられました。原発事故への対応に伴う被曝と疾病との因果関係が肯定されたのは、労災認定上、これが初めてだそうです。1976年に定められた労災…

横山幸雄ピアノコンサート&ディナー@Ristorante PEGASO

昨夜は知人のご招待で高樹町交差点からほど近い場所にあるイタリアンレストラン、Ristorante PEGASOに出掛けました。この日は、ショパンコンクール最年少受賞者として知られる横山幸雄さんがプロデュースしたレストランで氏のピアノ演奏を聴いてから、ディナ…

藤田美術館蔵「曜変天目茶碗」を拝む

先月27日までサントリー美術館で開催されていた「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」展について、触れておこうと思います。藤田美術館は大阪市都島区網島町にあって、常設展示をしないことで知られています。春と秋の企画展を狙って訪れればい…

空き家問題を考える(Part2)

祝日の12日に、無事、買主と土地売買契約の締結を済ませました。やれやれです。しかし、まだ安心はできません。万一、買主に住宅ローンがつかないと、契約は白紙に戻るからです。不動産仲介業者曰く、買主には親からの援助がある上共働きだとか。公務員では…

郵政3社上場に寄せて〜国債依存型バランスシートの行方〜

昨日、久しぶりに駅売りの日経ヴェリタス(550円也・・・高っ)を買いました。8日からBBが始まった郵政3社の上場関連記事を読むためです。ゆうちょ銀行とかんぽのBB期間は正味6日しかないので、先週、すでに取引のある幹事証券には上限価格で体力に見合った…

「マイ・インターン」初日(一部ネタバレあり)

ロバート・デ・ニーロがアン・ハサウェイと共演すると知って、初日に映画館に足を運びました。華やかなファッション業界を舞台に、72歳になる名優演じるシニア・インターンと「プラダを着た悪魔」で一躍有名になった32歳のアン演じる若き起業家が、様々な難…

衰退著しい岐阜市街

7月半ばに中学の同窓会があって、4年数ヶ月ぶりに故郷の岐阜に帰りました。同窓会の会場は、柳ケ瀬と呼ばれる繁華街の一角にある中華料理店でした。夕方、タクシーで会場近くにたどり着いて先ず驚いたことは、アーケード商店街の寂びれぶりでした。日曜日に…

『原発敗戦』で知るメルトダウンの真相

作家・半藤一利氏との特別対談収録という帯に惹かれて、船橋洋一著『原発敗戦』を手にとってて以来、原発関連の書籍を読み漁っています。ひんやりとした空気が支配する10月を迎え、読書の秋も本番、この機に4年半を経過した福島原発の負の連鎖の真相をブログ…

最終日の追悼山崎豊子展

今日10月5日が山崎豊子展の最終日。正午に丸の内ホテルで不動産業者と打ち合わせがあったので、その直前に会場の日本橋高島屋に立ち寄ることにしました。展示内容が地味な文学展の最終日なので空いているかと思いきや、会場は中高年の女性で大賑わいでした。…

原鉄道模型美術館の魅力

シルバーウィークを利用して、横浜駅にほど近いビルの一角にある原鉄道模型博物館を訪れました。施設もコレクションも桁違いのスケールで、いち鉄道マニアが一代で収集したしとは到底思えません。「いちばんテツモパーク」と呼ばれる鉄道模型ジオラマの総面…

尾瀬トレッキング〜鳩待峠からアヤメ平へ〜

昨日は、日帰りで尾瀬に行ってきました。夜明け前の3時50分に自宅を出発し,帰宅したのは23時過ぎ、実に長い1日でした。天気にも恵まれ、延べ9時間、尾瀬にいたことになります。鳩待峠(1691m)からルートの最高点にあたる中ノ原三角点(1968m)までは上り坂…

祝リバイバル:サンダーバード ARE GO

お盆休みにTVのチャンネルをひねっていたら突然サンダーバードが登場!ところが、記憶の映像とはどこか違う・・・ すわっ!とばかり、番組表を確認すると秋から始まる新シリーズの予告編の放映だと分かりました。道理で映像が違っているわけです。ミニチュア…

ビブリオバトル観戦記@武蔵野プレイス

昨日は、ひょんなことから近所のお気に入り図書館でビブリオバトルが開催されることを知って、15時から観戦目的で武蔵野プレイスを訪れました。巷で話題になっているのは承知していましたが、実際に観戦するのは初めてでした。ビブリオバトルは「知的書評合…

1967年版「日本のいちばん長い日」に軍配

終戦記念日の昨日、NHK BSプレミアムで放映された岡本喜八監督の映画「日本のいちばん長い日」を観ました。先週、原田眞人監督による2015年版を観たばかりなので、細部を比較鑑賞できました。総じて、1967年版の出来栄えの方が優れていると感じました。旧作…