マイ・セカンドハウス in 京都 〜ザ・パークハウス京都鴨川御所東に殺到する富裕層〜

2007年にエクシブ八瀬離宮の会員権を取得して以来、オフは可能なかぎり京都で過ごすようにしています。新東名が開通してクルマでのアクセスが格段に改善されたこともあって、ロングドライブを楽しみながら、東京から京都通いを愉しんでいます。

子供たちが小さい頃は蓼科や初島で過ごしたものですが、最近はずいぶんご無沙汰しています。軽井沢こそ毎年GW明けに必ず訪れるものの、連泊する必要性を感じません。

かつて、スイスのリゾート地のプールサイドで出会った老紳士から、「君はこのホテル、何日目だ?」と尋ねられたことがあります。「今日で2日目、明日チェックアウトします」と答えたら、「自分は1カ月滞在している。次はミラノ郊外にあるコモ湖で数週間を過ごすつもりだ」と云うではありませんか。ごく一部の例外を除いて、日本において長期(最低1週間)滞在するにふさわしい観光地は見当たりません。この国には、そもそもロングステイという観念がないように思います。

京都は、その数少ない例外ではないでしょうか。京都観光と云えば、春の桜と秋の紅葉が真っ先に思い浮かびますが、(混雑を回避する狙いで)凌ぎやすい季節を外しても、京都は暑くて良し寒くて良しなのです。この10年を振り返っても、毎回違った場所を訪れるので飽きるということがありません。京都の歳時記を覗くと、毎月、数え切れない伝統行事や催しがあることに気付かされます。今年の秋は、神泉苑で初めて大念仏狂言(「土蜘蛛」)を鑑賞し、夜はライトアップされた下鴨神社で奉納石見神楽(「大蛇」)に興じました。

折しも、「GOETHE」12月号で<京都にも住む>という特集が組まれています。観光スポットに富む京都は恒常的にホテル(及び旅館)不足です。京都から溢れた観光客は大阪や滋賀を目指します。そこで、京都にセカンドハウスを持つという発想が出てくるわけです。


景観維持の観点から東京のような高層ビルが建たないところも京都の魅力のひとつです。却って、それがセカンドハウスの希少価値を高めることになります。くだんの八瀬離宮はあくまでホテル(とはいえ区分所有持ち分があります)であって、厳密にはセカンドハウスではありませんが、延べ40泊はしているので我が家に近い勝手知ったる常宿です。連泊の融通もある程度効きますし、何より、比叡山の麓に位置しさながら京都の奥座敷です。東京の住人でありながら八瀬離宮の会員であることを秘かに誇りに思っています。

今週、日経に相次いで京都のマンション一面広告が掲載されました。「ザ・パークハウス京都鴨川御所東」(実質75戸)の立地には驚きました。東側の別館26戸はザ・リッツカールトン京都の少し北に位置し、鴨川や大文字山が臨めます。建ぺい率60%・容積率200%ですから、お値段も地所の都心最高級ブランドパークハウス・グラン並みで、坪単価は優に500万円を超えるのだそうです。セカンドハウス需要が6割を超えるのだとか。野村不動産プラウ京都御所東(総戸数18戸)とプラウド京都東洞院(11F建て67戸)をリリース、気になってしょうがないので日経さん、東京版に掲載しないで欲しい!

半ば真顔で、東京の自宅を売り払ってでも買いたいと家内に持ちかけたら、即座に一蹴されてしまいました。それでも、京都にマンション所有することを真剣に検討してみようと思っています。