人物

不世出の天才、ロジャー・フェデラーの引退に思う

テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラーが自身のTwitterで引退することを明らかにしました。長きにわたって、他の追随を許さない圧倒的な強さを見せつけてきたのが「ビッグ4」と呼ばれる最年長のフェデラー、ナダル、マレー、ジョコビッチです。なかで…

『樹木希林 120の遺書』から~心に響いたメッセージの抜き書き~

2018年9月15日、女優の樹木希林さん(享年75)が亡くなりました。存在感のある女優さんで、お年を召されてからの立ち居振る舞いが颯爽としていて、ずっと和服姿の似合う素敵な方だなと思っていました。お亡くなりになる1年前に公開された映画『日日是好日』…

料理家・栗原はるみさんの今

朝日新聞紙上で料理家・栗原はるみさん(75)の連載が始まりました。食いしん坊なので、はるみさんの絶品レシピをときどき参考にさせてもらっています。大好きなパスタソース「カルボナーラ」は、断然、はるみレシピの信奉者です。ベーコンではなくパンチェ…

香川照之の蹉跌~<女遊びは芸の肥やし>に非ず~

文春砲に続き週刊新潮が香川照之の高級クラブ(銀座)における乱行を報じたことによって、今後のタレント生命に赤信号が灯り始めました。香川さんをCMに起用するトヨタをはじめとする複数の有力企業は次々と契約を更新しない方針を打ち出し、MCに抜擢された…

没後100年目の鷗外忌

文豪・森鷗外は1922(大正11年)年7月9日午前7時に文京区の自宅で病死します。享年60歳でした。軍医総監にまで上り詰めた鷗外は、自らの死期を悟り、死の3日前に遺書を口述し親友・賀古鶴所(かこつるど)に筆記させました。自宅「観潮楼」のあった場所(当時:千…

安倍晋三元首相凶弾に斃れる ( 後篇 ) 〜監視社会 vs1 億総発信時代の権力監視〜

今回の安倍元首相襲撃事件に関する一連の報道で一番気になったのは、奈良県警と警視庁から派遣されたというSP1名による警備態勢でした。体制が敷かれていたとしても、即応態勢が整っていなければ警備の実を挙げることはできません。要人警護といえば、誰しも…

安倍晋三元首相凶弾に斃れる (前篇) 〜晩節を汚す勿れ〜

2022年7月8日、憲政史上最も長く首相を務めた安倍晋三元首相が凶弾に斃れました。どれほど有能な政治家であったとしても、宰相の座に居座れば居座るほど、晩節を汚すことなく身を引くことは難しくなります。企業のトップや地方自治体のトップにもそのまま当…

83歳・堀江謙一さんのヨット単独無寄港太平洋横断から学ぶこと

6月4日、83歳の堀江謙一さんが単独無寄港で太平洋横断に成功し紀伊水道のゴールに戻ってきました。出発地は米サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ下、距離にして約8500km、69日を要した長い航海でした。80歳を超えてもやまない挑戦心と情熱には脱帽…

51歳羽生永世七冠のA級陥落と脳の働き

将棋界のレジェンド羽生善治永世七冠(51)が連続29期守ってきたA級の座から陥落することになりました。将棋界の階級ピラミッド最上位A級に属する棋士はわずか10人。毎年、総当たりでリーグ戦が行われ、下位2名はB級1組へ降級します。破竹の勢いで昇級を重ねて…

1月17日は<マーティン・ルーサー・キング・デー>|4月15日は<ジャッキー・ロビンソン・デー>

1月17日の米国市場は休場でした。2022年のサマータイムが始まる3月13日まで、米国東部なら日本時間との時差はJST-14です。米国の数ある祝祭日において、人名を冠したものは1月17日の<マーティン・ルーサー・キング・デー>と10月10日の<コロンブス・デー>…

<中谷美紀>という生き方

今日の<あさイチのプレミアムトーク>に出演したのは中谷美紀さん。リアルタイムで視聴できなかったので、夕方、NHK+の見逃し配信でキャッチアップしたところです。2018年11月にウィーンフィル管弦楽団のビオラ奏者ティロ・フェヒナー氏と結婚した中谷さん…

令和の禁酒法下の<闇?営業>ならぬ<通常営業>

21都道府県に拡大発令されている緊急事態宣言の期限が今週末に迫っています。新規感染者数はようやく減少傾向に転じましたが、1都3県を中心に都市部の延長は不可避のようです。当然、酒類を提供する飲食店への休業要請も継続するはずです。これは端的に<酒…

総理総裁は人相で選べ〜消去法で岸田さんか?〜

金曜日の9月3日、正午前、突然日経先物が200円以上急騰。TLを確認すれば菅総理の自民党総裁選不出馬の報、株式市場のあまりにも露骨な反応に苦笑いしてしまいました。後手後手に回った新型コロナウイルス感染対策に、株式市場は数ヶ月前からダメ出しをしてい…

『藤井聡太論 将棋の未来』~AIを超えて~

『藤井聡太論』(講談社+α新書)の著者は、日本将棋連盟会長を歴任された谷川浩司九段。この本を読もうと思ったきっかけは、昨年7月、棋聖戦5番勝負に挑んだ藤井七段が第2局58手で指した「△3一銀」が「AI超え」と呼ばれるようになったことです。進化を重ねる…

マエストロ鈴木雅明氏が語る「マタイ受難曲」(21-6-20)

先月20日、「マタイ受難曲を語る」と題した出版記念講演を聴こうと朝日カルチャーセンター新宿教室へ足を運びました。オンライン受講も可能でしたが、肉声を聞きたくて最後の一席に滑り込みました。勉強熱心な高齢者が目立つカルチャーセンターはどちらかと…

立花隆さんの後悔〜森羅万象への尽きることのない好奇心の代償〜

立花隆さんの著作を貪るように読んだ時期がありました。20代で出会った『宇宙からの帰還』(1983年)を皮切りサイエンスの世界に切り込んで次々と刊行される氏の著作は殆ど目を通したはずです。どこまで理解できたかは甚だ心許ないのですが、日本人ノーベル賞…

2021 年雨天の「桜桃忌」

今日6月19日は「桜桃忌」。そう命名したのは同郷で同い年の友人、今官一です。この日が太宰治の命日とされていますが、愛人山崎富栄と共に玉川上水へ向かい入水自殺を図ったのは遡る13日深夜のこと。当時、人喰い川と呼ばれていた玉川上水は、折しも梅雨どき…

陶芸家辻村史朗篇:期待外れのNHK<プロフェッショナル 仕事の流儀>でした!

ときどき気になる人物が登場すると視聴するのがNHKの<プロフェショナル 仕事の流儀>。スタートは2006年ですから、かなりの長寿番組です。番組タイトルがプロフェッショナルとくれば、著名人を思い浮かべがちですが、番組は寧ろ市井のその道の達人を取り上…

絵看板の鳥居清光さん逝く

歌舞伎座正面を挟んで両脇にあるのがおなじみ絵看板です。そこには昼夜の演目ごとに主な登場人物が描かれていて、歌舞伎ファンにとって歌舞伎座入場前にこの絵看板を眺めることは謂わばルーティンなのです。友人知己と観劇する場合は、絵看板前が格好の待ち…

14サミッター竹内洋岳さんの『下山の哲学』(太郎次郎社)を読む

2012年に日本人として初めて8000m級14座完全登頂を果たした竹内洋岳(ひろたか)さんは、翌2013年に植村直己冒険賞を受賞した日本を代表するアルピニストのひとりです。『下山の哲学』というタイトルに惹かれて、本書に手を伸ばしました。1984年にマッキンリー…

小説家黒木亮さんの素顔

愛読者のひとりとして、日経夕刊の(全5回)に登場した黒木亮さんのインタビュー記事を興味深く拝見しました。10年前に読んだ『リスクは金なり』(講談社文庫)を慌てて引っぱりだしてきたら、かなり内容が重複していました。すっかり忘却の彼方だったので、読…

吉村昭の歴史小説の舞台裏~「父・吉村昭を振り返る」講演録より~

先月下旬、三鷹ネットワーク大学で「父・吉村昭を振り返る」と題した講演会が開催されました。講師は吉村司氏(故吉村昭・津村節子夫妻の長男)。幸い、当選したので会場で聴講(抽選制)できました。興味深い内容でしたので、吉村文学に関心のある方は、3/2…

「写真家ドアノー/音楽/パリ」展@Bunkamuraザ・ミュージアム

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中(~2021/3/31)の「写真家ドアノー/音楽/パリ」展を訪れました。会場入口で愛機ローライフレックス(末尾注)を構えたロベール・ドアノーと対面です。パネルの右側にこう書かれています。<パリは、時間の浪費がチケット代…

向田邦子没後40年特別イベント「いま、風が吹いている」最終日@青山・スパイラル

2021年は、向田邦子さんが旅行先台湾で航空機事故に遭い急逝されてから40年目にあたります。たまたま、武蔵野プレイスから借りてきた『名文探偵、向田邦子の謎を解く』(2011年・いそっぷ社刊)を読んでいる最中にそのことに気がつきました。ちなみに、著者…

半藤一利さん逝く

1月12日に作家の半藤一利さん(享年90歳)が他界されました。朝日新聞社会面は、「半藤一利さん死去」に続けて「90歳作家 昭和史に光」と小見出しを打って大きく取り上げました。15日には、共著の多数ある盟友のノンフィクション作家保坂正康氏が「半藤一利…

茶人松永久秀(弾正)と大名物「平蜘蛛」

2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』が終盤を迎えています。茶釜「平蜘蛛(ひらぐも)」を所望する信長に差し出しさえすれば命乞いが叶ったかも知れないのに、吉田鋼太郎演じる松永久秀は信貴山城で自刃を選びました。大河ドラマで異彩を放った戦国大名松永久…

山崎弁栄上人没後100年記念企画展を振り返って~会場は長良川画廊・東京ギャラリー~

今年もあと3日、2020年は新型コロナウイルスの地球規模の感染拡大で世界が一変した年でした。生命を脅かされるような辛い経験をすると人生観が変わるとよく言われます。戦後75年、日本が再び戦場となることこそありませんでしたが、地震や風水害は繰り返し日…

体験的井上ひさし伝〜「没後10年井上ひさし展-希望の橋渡しする人」展より〜

3連休初日、敬愛する井上ひさしの没後10年展 を見たくて、3年ぶりに世田谷文学館を訪れました。没後30年の「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」展以来となります。井上ひさしとの出会いは、文学作品ではなく、NHK総合テレビの人形劇「ひょっこりひょうたん島」。娯…

アフターコロナと吉本隆明の《共同幻想論》

今月の「100分de名著」は吉本隆明の『共同幻想論』(1968年)を取り上げています。戦後最大の思想家と言われる吉本隆明の難解極まる代表作を再読する機会を番組が与えてくれたことに感謝しています。昨年、NHK出版から刊行された『考える教室 大人のため哲学入…

三谷幸喜さんから向田邦子さんへの頌詞

朝日新聞夕刊に連載中の「三谷幸喜のありふれた生活 (#995)」(2020/6/11)を読んで、三谷幸喜さんを幾度も唸らせたという向田邦子さんについて触れてみたくなりました。当代きっての喜劇作家が向田邦子さんを絶賛するとは意外な感じもしますが、連載エッセイ…