不世出の天才、ロジャー・フェデラーの引退に思う

テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラーが自身のTwitterで引退することを明らかにしました。長きにわたって、他の追随を許さない圧倒的な強さを見せつけてきたのが「ビッグ4」と呼ばれる最年長のフェデラーナダル、マレー、ジョコビッチです。なかでも、芝の王者と呼ばれるフェデラーは、ウィンブルドン優勝最多8回を誇り、グランドスラム優勝回数(20回)こそナダルジョコビッチに抜かれたものの、「史上最高のオールラウンドプレイヤー」と讃えられています。真の王者フェデラーにこそふさわしい称号です。

フェデラーと言えば、誰にも真似できない美しいフォームから繰り出される片手バックハンド。相手によって縦横無尽にプレイスタイルを変えるフェデラーのワクワクするようなテニスがもうツアーで見られないかと思うと、喪失感に胸が締めつけられそうです。

フェデラーの魅力は、最高水準を誇る技倆だけではなく、コート内外におけるアスリートの模範ともいえる紳士たる振る舞いにありました。Twitterのメッセージにも人柄が滲み出ています。テニスに関わるすべての人々と家族への深い感謝を綴った4頁に及ぶ英文メッセージを読んで、魂が揺さぶられる思いです。9月23日~25日の日程でロンドンで開催されるレーバーカップ(室内ハード)がフェデラー現役最後の雄姿を見るチャンスです。「ビッグ4」が集結するレーバーカップは見逃せません。思い出深い英国・ロンドンで最終戦に臨むフェデラーを全力で応援したいと思います。