2013-01-01から1年間の記事一覧

2013年IPOを振り返る

12月中盤を迎える今週からIPOラッシュが始まります。2013年に新規上場が決まったのは53社、そのうち10社が17日から24日という短期間に上場する超過密スケジュール。昨年末は、12月19日に上場したユーグレナが連日値を飛ばして、セカンダリーを追い切れず少し…

ルドゥーテの高精細複製画の出来栄え〜ジクレー版画という奇蹟〜

鷹番に用事があったついでに、柿の木坂のコノサーズ・コレクション東京に立ち寄ってみることに。以前、こちらでルドゥーテの『バラ図譜』オクタヴォ判2枚(オリジナル)を購入したことがあって、久しぶりに店主に会えたらと思い訪れました。かれこれ10年ぶり…

贈り物の「ポートフォリオ 2007」

昨夜、テレビドラマ「独身貴族」第5話を観ていて、社員の誕生日プレゼント選びに悩む主人公星野守(草薙強)にいたく共感しました。趣味趣向の合わないモノを頂いて困惑した経験は、誰しも少なからずあるのではないでしょうか。会社員時代、接待を受けるとき…

宮下均君の死を悼んで

老親を見送る世代になったせいか、ここ数年、歳末にかけて年賀欠礼の葉書が届くことが多くなったように思います。学窓を離れ幾星霜、年賀状の遣り取りだけが消息を知る術になっている友人も少なくありません。ところが、昨日届いた喪中欠礼状は友人の奥様が…

「銀座小十」で<ガイアの夜明け>TV取材に遭遇しました!

8月の終わり、単身赴任の大阪から帰省中の友人を誘って、銀座並木通りに移転した「銀座小十」を訪れました。店主は『世界でいちばん小さな三つ星料理店』という著書もある奥田透さん、移転してもカウンター席はわずかに8席、隅々まで目配りができるようにと…

「ななつ星」に乗車しますか?

いよいよ、今月15日からJR九州の豪華寝台列車「ななつ星」が運行を開始します。7両編成の製造費は30億、新幹線一編成分に相当します。のっけから(岐阜の方言?)お金の話で恐縮ですが、3泊4日コースの乗車最高料金は55万円(3泊4日コース)だそうです。寝台…

沢木耕太郎さんの「風立ちぬ」評

朝日夕刊に連載中の「銀の街から」で「風立ちぬ」が大きく取り上げられていました。映画通の沢木耕太郎さんの評価だけに気になるところです。封切り直後の先月、当ブログでは、宮崎駿最後の作品にしては<がっかり>と書きました。9/15に放映された「プロフ…

新作歌舞伎『陰陽師 滝夜叉姫』の未来

昨夜は9月花形歌舞伎夜の部へ。予約サイトへのアクセスに悪戦苦闘した3月の経験を踏まえて、今回は予約開始時刻数分前にはパソコン前で待機。結果、首尾よく花道に近い特等席を確保できたので、勇んで歌舞伎座に向かいました。開演まで少し時間があったので…

武蔵野版リバースモーゲージの誤算

1981年、日本で初めてリバースモーゲージを導入した武蔵野市が制度の見直しを検討中とか。地価の下落で貸付金を回収できない事例が発生したからだそうです。導入当時の80年代は土地神話が健在でした。バブル崩壊まで地価は上昇し続けたので、買いそびれまい…

「風立ちぬ」の辛口評価

昨夜、新宿ピカデリーで宮崎駿の5年ぶりの新作「風立ちぬ」を観てきました。19時過ぎからの上映にもかかわらずほぼ満席。若いカップルも目立ち、ジブリ人気は依然衰えを知らないようです。ポニョ前後から期待外れ続きだっただけに、零戦設計技師堀越二郎氏を…

八島ヶ原湿原を歩く

先週、蓼科に一泊し翌朝八島ヶ原湿原を訪れました。移動日は車の温度計が40度を超える猛暑日、明野のひまわり園に立ち寄るべく途中下車した昼下がりが暑さの絶頂でした。避暑地蓼科へ着くと、あたりはひんやりとした空気に包まれ別世界。翌朝、テラス席で心…

戦さを終結させることの難しさ〜会津戦争然り〜

NHKの大河ドラマ「八重の桜」を毎週欠かさず見ています。ドラマも中盤に差し掛かり、八重は故郷会津を離れ、米沢の知人宅に身を寄せることになります。版図をすべて失った会津に比べれば、早々に新政府軍に降伏した奥羽越列藩同盟の盟主米沢の痛手は少なかっ…

国家権力としての司法〜『法服の王国』の教訓〜

黒木亮の最新刊『法服の王国』上下巻を一気呵成に読んで、三権分立とは所詮絵空事との思いを強くしました。本書は、司法修習同期の主人公村木健吾と後年最高裁判所長官まで上り詰める津崎守の生きざまを描いて、裁判所という国家権力の実相に迫ります。主要…

ブランジェリーナのロゼ

ザー・ガーデン自由が丘のワインの品揃えにはバイヤーのこだわりが感じられるので、時々立ち寄ることにしています。同店人気No1ワインで20万本を完売したというフォンタネル社のカベルネソーヴィニョンは、重厚な本格派ワインながらコストパフォーマンス抜群…

真夏のお薦め休日ランチ

今日、東京で猛暑日が5日連続となれば観測史上初だそうです。日本列島全域がヒートアイランドと化しているようです。そんな猛暑のなか、外食であれば「ざる蕎麦」や「うな重」あたりが個人的には狙い目。ところが、昼時ともなれば美味しいお店はどこも行列で…

「夏目漱石の美術世界展」@東京藝術大学大学美術館

先週の日曜日が展覧会の最終日、猛暑のなか、上野の森に足を運びました。上野の森の外れにある藝大美術館は、都美や西洋美術館に比べれば少し知名度が劣るので、その日はゆったり鑑賞できるはずでした。ところが、すでに入口正面の1階チケット売り場に行列が…

Andy Murray on Twitter

7月7日(日本時間6日深夜)、アンディ・マレーが世界ランキング1位のジョコビッチを相手に終始善戦、英国人として77年ぶりにウィンブルドン男子シングルスを制しました。中学生だった頃、フレッド・ペリーというブランドのポロシャツが流行って自分も好んで…

金価格暴落はドル信認の証しなのか?

アベノミクスによって長く続いた円高基調が修正され、米ドルが100円台を回復し輸出関連企業の業績が急回復しています。その蔭で商品相場が崩れはじめ、これまで一本調子で上昇し続けてきた金価格も昨年末あたりから一転急落し歯止めがかからない状況です。グ…

『等伯』VS狩野派

昨年は原田マハさんの『楽園のカンヴァス』が直木賞候補となり、今年は安部龍太郎氏の労作『等伯』(上下巻)が直木賞を射止めました。19年ぶり二度目となる候補作が見事直木賞を受賞され、作者の安部氏は等伯の苦難を自らの人生に重ね合わせたといいます。…

行正り香さんのキッチンスタジオ

家内ご贔屓行正り香さんが昨夜ソロモン流に登場しました。我が家のアイランドキッチン内部の棚には彼女のレシピ本(左の本もお気に入りです)が何冊も収まっています。番組によれば、すでに30冊以上出版されているそうです。賢人の優れたところは、高級食材…

幕見席というシステム

柿葺落六月大歌舞伎の予約をさぼっていたらチケットは忽ち完売。歌舞伎ファンの熱狂ぶりは依然冷めやらぬようです。ミュージカルの本場NYであればダフィ・スクエア(タイムズスクエアの北側)のtktsへ行けば当日券を入手できる可能性がありますし、オペラの…

狩野山楽・山雪展@京都国立博物館

[:W200]12日(日)が会期最終日。直前まで宿泊予約が儘ならず世紀の特別展を危うく見逃すところでしたが、定宿八瀬離宮の担当者が無理を聞いてくれて土日と連泊が叶い、先週末京都に出掛けることができました。宿泊先で入手したA4見開きのパンフには、<京都…

「鴨、京都へ行く。-老舗旅館の女将日記-」を欠かさず見ています

火曜日夜9時放映のドラマ「鴨、京都へ行く。」を毎週欠かさず見ています。監督は「東京ラブストーリー」や「ロング・バケーション」を手掛けた永山耕三氏、世間では「ガリレオ」の視聴率が断トツのようですが、地味なテーマを扱いながらこちらもいい線行って…

小宮山書店での出来事

先週末、ある画集を探しに神田に出掛けたとき、吃驚することがありました。1991年に新潮社から出版されたその画集はカタログレゾネと呼ばれるもので、絵のコレクターであれば必携すべき代物です。数週間前、ネット検索をしたところ、丸善ジュンク堂以外の大…

イヤホンガイドの功罪@歌舞伎座

昨夜は4/2に開場したばかりの歌舞伎座に出掛け柿葺落公演を堪能してきました。演目は佐々木盛綱・高綱兄弟が敵味方に分かれて争う戦さを題材にした「盛綱陣屋」と歌舞伎十八番の「勧進帳」、いずれも武士道と人情が交錯する柿葺落にふさわしい舞台でした。「…

『母の遺産』を読んで

1年あまりツンドク状態だった水村美苗さんの小説『母の遺産』をようやく読み終えました(やれやれ!)。読売新聞に連載されていたので副題に新聞小説とあります。作者自身の介護体験を基に書かれただけあって、本書を読むと、核家族世代にとって老親の終末を…

五代目歌舞伎座はこう変わった

昨日、五代目歌舞伎座が開場しました。初日は生憎の雨でしたが、3年ぶりの歌舞伎座は開演を待ちわびた観客で満席だったそうです。筋書を手に入れようにも長蛇の列に並ばなくてはいけないようです。少し先になりますが、今月17日に歌舞伎座を訪れ第三部を観る…

「アルゴ」の粗さがし(ネタバレあり)

アカデミー賞三部門の受賞が決まり、「アルゴ」の上映館はどこも盛況のようです。今週、やっと作品を観ることができました。前評判どおりのスリリングな展開で、冒頭からエンドロールまで息つく間もありませんでした。1979年11月にイラン・アメリカ大使館で…

有元利夫展(2013年)

毎年2月、千代田区三番町にある小川美術館を訪れることにしています。1985年2月24日に38歳の若さで他界された有元利夫さんの回顧展が開かれるからです。煉瓦色のタイルが印象的なオフィスビルの1階、向って左の小さな自動扉をくぐるとそこが小川美術館です。…

上賀茂の町並みを歩く

今日の朝日新聞朝刊に掲載された<国の「重伝建」100ヶ所突破>という記事を読んで、昨年暮れに上賀茂神社周辺を散策したことを思い出しました。上賀茂は、産寧坂、祇園新橋、嵯峨鳥居本と共に「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。京都市内に…