2021年7月北海道登山遠征(前篇:羊蹄山登山)

7月第2週週末、昨年晩秋降雪のためやむなく断念した羊蹄山登山に再チャレンジ。まだ梅雨明け前の東京ではぐずついたお天気が続いていましたが、梅雨のない北海道の7月中旬なら、お天気の心配はなかろうとの判断からでした・・・

新千歳空港でレンタカーを借りて、羊蹄山山麓まで、約2時間(走行距離:110km前後)。現地ホテルにチエックイン後、4つある登山コースのひとつ、<俱知安コース>・比羅夫登山口(標高350m)の下見を済ませました。翌朝は基本どおり早立ちですが、登山口まで車の移動に伴う道迷いなどロスタイムなしで直行したいと思ったからです。蝦夷富士こと羊蹄山の標高は1898m、美しい裾野が拡がる独立峰だけあって往復で10時間かかります。登山口の掲示板でも日没時間を考慮して登山計画を練るよう注意喚起しています。

翌朝は4:00起床。ホテルの窓(マウンテンビューのはずでした)から恐る恐る外を眺めると路面は濡れていて、羊蹄山は厚い雲に覆われ姿かたちがまったく見えません。登山開始から無念のレインコート着用となった次第です。登山口駐車場でレインコートを重ね着するご夫婦の姿を目にして、同志を得たような気持ちになって少し落ち着きを取り戻しました。気圧の谷が通過し一時的に天気が崩れたわけですが、高山植物(「後方羊蹄山高山植物帯」として国の天然記念物に指定されています)が咲き乱れる9合目にたどりついた頃には雨は上がり写真撮影のゆとりも生まれました。しかし、残念ながら視界不良のため周囲全長2kmのお釜の全容を目に焼きつけることは叶いませんでした。火口からは時計回りに進み、北山(1844m)を経て山頂へ。雨天にもかかわらず、上りはCT+12分の5時間2分とまずまずのペースでした。駐車場で見かけたご夫婦と山頂で言葉を交わすとは松本から来道された由、道外から遠征してきた我々には日和を窺う選択肢はなく、少々の悪天候でも登山は決行するしかありません。因果なものです。こんな日は<日日是好日>と自分に言い聞かせることにしています。


↑エゾノツカザクラ            ↑ミヤマキンバイ

11時過ぎ、下山を開始しました。このときお鉢めぐりをせずに来た道を引き返せば良かったのですが、避難小屋経由往路へ戻ろうと白ペンキを頼りに岩場の連続する火口壁を進んだところ、再び雨が降り出し、9合目避難小屋分岐まで下ると登山道は滝のようなあり様でした。避難小屋立ち寄りは断念し、急遽<真狩コース>経由で下山することにしました。6合目まで下るとますます雨脚が強くなり登山道はほぼ泥濘状態、悪戦苦闘の末、ようやく登山口の先の真狩野営場にたどりつきました。下山に要した時間は3時間45分、一心不乱で下山したせいでしょうか、思ったより早いペースでした。

スマホでタクシー(羊蹄タクシー)を呼ぶと、10分ほどで到着。真っ白なシーツに被われた後部座席に汚い恰好で座るのは些か憚られましたが、運転手さんは嫌な顔ひとつせず、快く車を駐車してある比羅夫登山口まで送って下さいました。運転手さん曰く、数日前に20代インド人男性がお鉢巡り中に道に迷い、警察・消防に救助されたばかりだとか。羊蹄山侮るべからずです。タクシー料金4730円は想定外の出費でしたが、運転手さんとの会話も弾み、幕切れはシェークスピアの戯曲”All's well that ends well (終わりよければすべて良し)”さながらでした。

下山後は<ふきだし公園(京極町)>にほど近い<京極温泉>へ。前日の<まっかり温泉>も風情はありましたが、機能的な浴槽が複数ある<京極温泉>も捨てがたい温泉でした。夕食(ジンギスカン)を予約していたので、のんびり温泉に浸かっていられなかったのが悔やまれます。

*写真下は<まちの駅ぷらっと>でゲットした登山バッジ(2021年あおぞら羊蹄山)~年ごとにデザインが変わるのが嬉しい!