妻が憤る日本発高級ブランド「シャインマスカット」の国外流出

我が家の食卓で巨峰やデラウエアを見かけなくなったのはいつ頃からでしょうか。代わりに頻繁に登場するようになったのは日本発高級ブランド「シャインマスカット」。皮ごと食べられる上に糖度が高いので、2011年頃からスーパーなどで流通するようになると、一躍人気ブドウになったのです。

「シャインマスカット」ほど欠点がない品種は珍しいそうです。粒が大きく、甘味も強い上に、皮が薄く種もないので丸ごと食べられるからです。おまけに見た目も上品なエメラルドグリーン。ブドウは追熟しないので、鮮やかなエメラルドグリーンの「シャインマスカット」を選べば、糖度は16度前後で香りが際立ちます。出荷され流通するのは糖度18度前後のバランスのとれたものだそうです。黄色がかったものの糖度は19度前後で甘さが勝ります。

こんなスーパーブランドを作り上げたのは我が国の農研機構、農業と食品産業分野において研究開発行う最大の研究機関です。2006年に「シャインマスカット」の育種に成功するまで苦節33年、虎の子の輸出ブランドになるはずでした。そうならなかったのは、海外で品種登録を行わなかった上に、当時の種苗法が苗木や種子を国外に持ち出すことを禁じていなかったため、易々と国外に貴重な開発成果を持ち逃げされてしまったのです。

こうして法規制が後手に回ったことから、気がついたときには日韓のブドウ輸出量が逆転してしまったのです。「シャインマスカット」をこよなく愛する妻はブドウのシーズンが訪れる度に憤りを露わにします。中国や韓国産の安い「シャインマスカット」が国内で流通し、国産品が売れなくなるような事態は断じて許せません。

終戦記念日の今日、日経朝刊に追い打ちをかけるような記事が掲載されました。見出しは<中韓の生産、日本を上回る>!中国の栽培面積はなんと日本の40倍に及び、登録品種の海外持ち出しを禁じた改正種苗法の施行(2021年4月)は遅きに失したわけです。一度、種苗や苗木が流出すると追跡は極めて困難で、事実上、野放しになってしまうのです。まだ、この記事を読んでいない妻が知ったら、怒髪天を衝くのではないでしょうか。一次産品に限らず、日本産ブランドや技術の権利保護に政府はもっと神経質になるべきです。