イル・ヴォ―ロ ジャパンツアー2024年@東京国際フォーラム 

目一杯スケジュールを詰め込んだ2024年GWは、イル・ヴォ―ロの来日公演(4回目の来日)でスタートしました。会場は東京国際フォーラムAホール。2階席から見渡した限りほぼ満席、5012席もある巨大ホールを観客で埋め尽くす人気ぶりには、たじろぐばかりです。フィギュアスケート羽生結弦選手がイル・ヴォーロの楽曲「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」(サン=サーンス《動物の謝肉祭》「白鳥」)を使用したことで、日本での知名度が飛躍的にアップしたように思います。

イル・ヴォ―ロは、若き3人のイタリア人男性オペラ歌手によって2009年に結成された音楽ユニットです。今年はデビュー15周年にあたり、中国と日本(4会場)を皮切りにワールドツアーが予定されてます。メンバーは、公演ポスター左から、ジャンルカ・ジノーブレ(28)、イニャツィオ・ボスケット(29)、ピエロ・バローネ(30)の3人です。幼少期から大人顔負けのベルカント唱法をマスターし、デビュー当時の彼らは14~15歳でした。コンサートでも披露されたイタリアの名曲「オー・ソレ・ミオ」がユニットで歌われた最初の曲だったそうです。

グループ名の"Il VOLO"は、イタリア語で飛翔すること。デビュー以来、破竹の勢いで文字どおり世界に羽ばたいていきました。今年は日本公演の後、母国イタリアに戻って9月まで国内ツアー、10月からパリ、ベルリン、プラハなど欧州主要都市を回り、2025年は北米とラテンアメリカ諸国でツアーを行うそうです、その世界的人気ぶりからして、三大テノールの後継者と呼ばれるのは当然なのかも知れません。

ソロを聴いて一番歌唱力があると思ったのは、最年長のメガネ男子、ピエロ・バローネです。圧倒的な声量と大ホールに響きわたる伸びやかな声が抜きん出ています。イル・ヴォ―ロにはリーダーはいませんが、やんちゃなイケメン・ジャンルカとお喋り好きで陽気なイニャツィオを巧みにリードしているのはピエロではないでしょうか。


アンコール直後にステージに殺到する女性たち

披露されたオムニバス編成の楽曲のなかでは、巨匠エンリオ・モリコーネの代表曲「ニュー・シネマ・パラダイス」やプッチーニトゥーランドット》「誰も寝てはならぬ」に痺れました。アンコールはヴェルディのオペラ《椿姫》より「乾杯の歌」。GWが過ぎた今も、パワフルなイル・ヴォ―ロの歌声の余韻に浸っています。