英国ロイヤル・オペラ「椿姫」千秋楽公演

18年ぶりの英国ロイヤル・オペラの来日公演「椿姫」を観にNHKホールへ行ってきました。今回の来日公演はヴィオレッタ役のアンジェラ・ゲオルギューが来日前に降板するという波乱含みで始まり、公演初日に代役も降板するという稀に見る展開となりました。体調不良等で主役級が降板するケースは決して珍しくはありませんが、今回のように公演の最中に抜擢された代役も突発性のアレルギーによる音声障害を訴えて途中降板するという事態は前代未聞ではないでしょうか。オペラ・ディレクターはさぞ慌てたことでしょう。HPで”And we were able to secure Ermonela Jaho. However, Ermonela Jaho was suffering from a sudden allergy and had to withdraw after the first act at the first and third performances. We would like to express our deepest apology to the audience who have been to both performance for this unexpected disappointment”と主催者は謝辞を重ねていますが、その場に居合わせた観客も舞台半ばでの主役の交代に心底驚いたことでしょう。千秋楽のチケットを眺めながらどうなることやらとヤキモキしていたところ、来日公演「マノン」の最終公演を歌い終えたばかりのアンナ・ネトレプコが千秋楽の出演を引き受けたという嬉しいニュースが飛び込んできました。出演すれば過激なチケット争奪戦が起こるというほど社会的影響力をもつ21世紀のプリマドンナが歌い演じたヴィオレッタは本当に圧巻でした。余韻さめやらぬ今夜、いつまでも鳴りやまなかったカーテン・コールが耳にこだますことになりそうです。

ヴィオレッタ

ヴィオレッタ