「住みたい街」ランキング1位に度々登場する吉祥寺の魅力について考えてみました。先ず思いつくのは井の頭恩賜公園の豊かな自然、腐葉土を踏みしめながら雑木林の小径を散歩するのは実に気持ちがいいものです。次に頭に浮かんだ魅力と云えば、大型ファッションビルが立ち並ぶ駅前商業ゾーンにハモニカ横丁と呼ばれる陋巷が入り混じって流行の最先端と昭和レトロが仲良く同居する不可思議な街並みです。近隣生活者の視点に立てば、Apple Premium Resellerや北欧ファッションの雄marimekkoが妍を競う一方でいせや総本店に代表されるような立ち呑み屋が軒を連ねているあたりがこの上もなく有難いのです。いせや公園店の隣にスタバが出店したときはさすがに驚いたものですが、愛犬をはべらせテラス席で珈琲を嗜むゲストは引きも切らずやってきます。風の加減で時折隣から流れてくる焼き鳥の煙は気にならないのでしょうか。そんな不可思議なカオスの街吉祥寺に新しい商業施設アトレが昨日グランドオープンしました。半年ほど前から街で目にするようになったアトレ連作広告のオオトリを務めたのは大友克洋さんでした。一目見てポスターの虜になりました。写真のポスターに描かれた女の子の帽子の上で街のシンボル象の花子さんや井の頭公園のスワンボートが楽しそうに行進しているではありませんか。よく見ればKICHIJOJIが隠し文字になっていることに気づかされます。<街は物欲を満たしてくれる。物欲が満たされると心まで満たされたような気になることもある。>そんなことを考えながら大友さんはイラストを描いたそうです。そう、真の高級とは極上の日常にあるのです。