Petit Louvre 「小さなルーヴル美術館」展 in 軽井沢


メルシャン軽井沢美術館で開催中の「小さなルーヴル美術館」展(監修:種田陽平)を観てきました。2年前に三鷹の森ジブリ美術館で結実したこの企画展をうっかり見過ごして後悔していたところに、今年、同様の展覧会が軽井沢で再構成されたと知り現地まで足を伸ばしました。美しい木立に囲まれた美術館はそれ自体が立派なアートでした。<赤い部屋>と名付けられた最初の展示室に入ると、すぐに世界一大きな美術館のミニチュア(レプリカ)であることが分かります。展示された名画はいずれも子供たちが楽しめるようにと実物の2/5に縮小されています。ルーヴルでかつて観たフェルメールラ・トゥールの傑作がスケールダウンされて物足りないように感じるかと思いきや、却って全体の構図が掴み易くなり隅々まで堪能出来る上に名画を前に何より鑑賞する心の余裕が生まれました。ルーヴルの壁に所狭しと展示された名画を仰ぎ見たとき感じた圧迫されるような心理から解放されるのもプチ・ルーヴルの効用かも知れません。第5室の壁穴を覗けば16世紀のルーヴルから見えるパリの風景が楽しめます。一番気に入った展示は1階の床に梱包紙と共に無造作に投げ出されたように見える<モナリザの微笑>を2階から鳥瞰させるというものでした。幾度も盗難の被害にあったという<モナ・リザ>の秘められた過去を暗示しているのでしょうか。ほかにも子供たちが楽しめるように様々な趣向が凝らされていますが大人も十分に楽しめます。秋色深まる軽井沢にぴったりの素敵な展覧会でした。