梅雨入りまじかの自宅周辺点景~紫陽花やアカンサスが満開です~

今年は九州~東海地方が記録的早さで梅雨入りになりましたが。関東甲信越はいまだ梅雨入りの発表がありません。マイバースデーの6月6日は雨模様。スポーツジムへの通い道である近所の玉川上水縁を歩くと、梅雨どきの風物詩、色とりどりの紫陽花が満開で目を楽しませてくれます。

紫陽花はガクアジサイを原型種とするれっきとした日本原産の花。万葉集にも2首詠まれているくらいですので、「アジサイ」より漢字の「紫陽花」表記がお似合いです。語源は、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」が訛ったのだという説が有力だそうです。「紫陽花」という美しい漢字名は、唐時代の詩人白楽天が誤って別の花をそう呼称したのが始まりだとか。いつの間にか「紫陽花」が定着したのが怪我の功名であったとしても、これほどふさわしい漢字表記はありません。

紫色の大輪の紫陽花の存在感は抜群です。近年よく見かけるようになった、引き立て役の白い「アナベル」に惹かれています。北米原産で学名は"Hydrangea arborescens ‘Annabelle`(ハイドランジア・アルボレスケンス・アナベル)"、和名は「アメリカノリノキアナベル」と呼ばれます。園芸種「アナベル」は直径30㎝前後の大輪の花を咲かせる上に手間いらず。おまけに、時間経過と共に花色が変化していくのが大きな魅力です。蕾は平たい半球形でライムグリーン、次第に丸みを帯びていき、純白の花を咲かせます。玉川上水縁に誰が植えつけたのでしょうか、不思議でなりません。

我が家の駐車場の片隅ではアカンサス(和名:葉薊[はあざみ])が開花しています。写真のように花径が長く伸びて、穂状の花を稠密につけています。紫色の萼と白い花弁のコントラストが美しく、濃緑色で光沢のある大きな葉は見応え十分です。アカンサスは、ギリシア建築を代表する意匠であり、アーツ&クラフツ運動の旗手ウイリアム・モリスの代表的なアイコンのひとつでもあります。

去年に続くコロナ禍の梅雨どきにあって、紫陽花やアカンサスの逞しい生命力に触れれば、沈みがちな気分を明るく前向きにしてくれること請け合いです。