”Dans Dix ans”の朝食パン

吉祥寺の人気パン屋さん・”Dan Dix ans”(ダンディゾン)のパンが久しぶりに朝の食卓を飾りました。写真・上から順に、<クルスティヨン>、<あずき>、<パン・オ・ショコラ>と並んでいます。小さな角砂糖(きび砂糖)が多めのバター生地で包まれた<クル…

天覧競馬とルメール騎手

GI秋の陣が始まって5戦、4戦に騎乗したクリストフ・ルメール騎手(44歳)の戦績は秋華賞こそ3着でしたが、目下3連勝中と破竹の快進撃を続けています。ルメール騎手の大活躍のお蔭で馬券の方もこのところ絶好調です。2015年に外国人として初めてJRA騎手免許…

「難民問題」から目を背ける日本人

11月12日放送の「混迷の世紀第12回 難民"漂流"人道主義はどこへ」と題したNHKスペシャルは、あまりに衝撃的な内容で戦慄を覚えました。「難民問題」は、かつてない深刻な局面を迎えています。一方、日本の難民認定数は世界で類を見ないほど少なく、2022年の…

大人が読みたい絵本『メメンとモリ』

ヨシタケシンスケさんの初の長編絵本を買おうと近所の啓文堂を訪れました。子どもはとうの昔に成人していますから、絵本コーナーに立ち寄るのは数十年ぶりかも。人気絵本作家のはずなのに、絵本コーナーにお目当ての『メメンとモリ』が見当たりません。しば…

鳥居元忠奮戦の痕跡|伏見城遺構の「血天井」

NHK大河ドラマ「どうする家康」が佳境を迎えています。松本潤さん演じる家康が関白秀吉に頭を下げたあたりから、本来の大河らしくなってきたように感じています。第42回「天下分け目」で、伏見城留守居役を仰せつかった鳥居元忠(音尾琢真)が壮絶な最期を遂…

領土変遷に見るパレスチナの歴史

ハマスの大規模攻撃から1ヶ月、ガザの死者数は1万人を超えたと伝えられます。イスラエルによる報復攻撃によって子どもが4000人以上死亡しています。「停戦はない」と強調するイスラエル側。地中海東岸・パレスチナにおける民族間の紛争に収束の兆しは見えま…

バンクシーの絵はストリートこそ似合う

イスラエル軍とイスラム組織「ハマス」の大規模衝突から1ヶ月。パレスチナ自治区ガザ地区の保健当局はガザ地区の死者が1万人を超えたと発表しました。世界で最も有名なストリート・アーティスト、バンクシーは、幾度もパレスチナを訪れています。写真(下)…

高まる韓国語学習熱~外国語習得の意義について考える~

日経新聞夕刊(10月21日付け)が一面で韓国語学習ブームについて報じています。2021年韓国語能力試験「TOPIK」の受験者数は過去最多の40957人だったそうです。内、9割が女性で20代が53%を占めています。女性ファンの多いK-POPコンテンツが韓国語学習ブームの…

ウオーターズ竹芝・劇団四季専用劇場「春」|ミュージカル『アナと雪の女王』

劇団四季のミュージカル『アナと雪の女王』を観に、浜松町の劇団四季専用劇場を訪れました。劇団四季のミュージカルを観るのは実に十数年ぶり、戦争三部作のひとつ『李香蘭』以来です。チケットは次男からのプレゼントでした。幼少期に『ライオンキング』をは…

二重螺旋構造のさざえ堂(会津若松市)を訪ねて

さざえ堂の存在を知ったきっかけは、建築家・磯崎新さんの著書『日本の建築遺産12選 語りなおし日本建築史』(新潮社とんぼの本・2011/6/25)です。本書で取り上げられた12の日本建築のなかで、さざえ堂は最も奇想天外な存在と言えるでしょう。所在地は白虎隊…

大英博物館所蔵「ゲイヤー=アンダーソンの猫」に刻まれた<スカラベ>

2023年4月29日を以て入国制限が解除され、新型コロナウイルス感染症に対する水際対策も終了しました。それから半年、都心の観光スポットはどこも海外からの観光客でごった返しています。我が身はと言うと、足掛け4年に及んだ渡航制限の影響ですっかり海外へ…

生誕120年棟方志功展@東京国立近代美術館|「世界のムナカタ」の大回顧展

待ちに待った「生誕120年棟方志功展」(2023/10/6〜12/3)が東京国立近代美術館にやって来ました。本年3月の富山県美術館を振り出しに、7月末から青森県立美術館を巡回し、フィナーレの会場が東京国立近代美術館だったのです。サブタイトルは「メイキング・オ…

秋の蚊の猛威

今年は9月になっても暑さが一向に収まらず、都心では真夏日(30度以上)が90回に達し、平均気温は全国1万ヶ所で観測史上最高を記録することになりました。「蚊」は夏の季語。句集を紐解けば、秋の「蚊」は短い寿命(2週間〜1ヶ月)が尽きる時季を迎え、息絶え絶…

令和なコトバ「消齢化」の正体

日経新聞夕刊の連載中コラム「令和なコトバ」を愛読しています。10月2日に紹介されたコトバは「消齢化」。名付け親である博報堂生活研究所によれば、語義は「若者らしさや年相応のような年代、年齢にひもづいた生活者の特徴が徐々に薄らいでいき消えていくこ…

水俣病・大阪地裁判決〜遅すぎた司法判断〜

6年前、当ブログで石牟礼道子さんの『苦海浄土」について触れたとき、冒頭、「水俣病は終わっていない」と国際会議の席上で訴えた胎児性水俣病患者・坂本しのぶさん(当時61歳)の発言を引用しました。先月27日、大阪地裁(裁判長:達野ゆき)は、水俣病被害者…

年内にも「三鷹跨線人道橋」撤去へ

先頃、JR東日本八王子支社がJR三鷹駅と武蔵境駅間にある「三鷹跨線人道橋」(以下、「跨線橋」)を撤去する工事に本年12月にも着手すると発表しました。地元では「陸橋」と呼ばれることもあります。「跨線橋」が設置されたのは、三鷹駅が開業する1年前の1929…

極上のオートキャンプサイト(後篇)| "Snow Peak MUSEUM" 見学

スノーピーク本社キャンプフィールドに滞在中、本社屋に併設された”Snow Peak MUSEUM"を見学しました。2019年に設置された比較的新しいアトラクションです。週末・祝日は以下のとおり各日3回、無料で見学ツアーが開催されています。所要時間は40~50分ですか…

極上のオートキャンプサイト(前篇)| スノーピーク Headquarters キャンプフィールドに誕生した究極の"FIELD SUITE SPA"

例年、9月の台風発生数は5つ前後。登山やオートキャンプには不向きの月とされていますが、今年はわずか2つ、統計開始以来、最少タイ記録なのだそうです。9月30日早朝、フィリピン沖東海上で発生した台風14号「コイヌ」がなければ、発生件数はひとつだった…

<木喰上人自身像>が我が家にやって来た!

博物館や美術館で気に入った展示品を見つけると、必ずミュージアムショップでそのレプリカがないか確認することにしています。といっても、洋の東西を問わず、絵画のレプリカには一向に興味が湧きません。最近の高精細印刷の図録で至極満足しているからです…

朝ドラ「らんまん」完結に寄せて~脇役陣が光った群像劇~

牧野富太郎の生涯を描いたNHK連続テレビ小説「らんまん」が完結しました。最終回のハイライトは、体調が思わしくない妻・寿恵子(浜辺美波)に夫・万太郎(神木隆之介)がようやく完成に漕ぎつけた植物図鑑を万感の思いを込めて差し出すシーンでした。3206種…

気になるスマートウオッチの「睡眠トラッキング」

数ヶ月前、かかりつけ医に処方して貰った睡眠導入剤「マイスリー」(5mg)にとうとう手を出してしまいました。寝つきの悪いのは昔から。スマホやタブレット端末が登場する以前なら、ベットで読書しているうちに屡々寝落ちしたものです。最近は映画を観たりネッ…

2023年秀山祭九月大歌舞伎・千穐楽「夜の部」|『一本刀土俵入』(長谷川伸・作)の「刻石流水」

二世中村吉右衛門三回忌追善と銘打った今年の秀山祭「夜の部」最後の演目は、『一本刀土俵入』です。明治生まれの劇作家にして「股旅物」の創始者・長谷川伸(1884-1963)の不朽の名作ですが、歌舞伎化されていたとは露知らず、秀山祭の演目が発表されたとき…

<ザイム真理教>がもたらした「失われた30年」

判然としないタイトルに惹かれて、森永卓郎氏の近著『ザイム真理教』に手を伸ばしました。副題には信者8000万人の巨大カルトとあります。経済アナリストのはずの森永氏がいつから畑違いの宗教にまで守備範囲を広げたのかと一瞬戸惑いましたが、すぐに「財務…

徴税強化を狙った<インボイス制度>をめぐる大混乱

「脱サラ」という言葉を耳にしなくなって久しい気がします。「脱サラ」が死語になったのは、雇用の流動化が進んだからです。終身雇用が前提だった昭和世代にとって、「定年まで勤めあげる」のが当たり前でした。従って「脱サラ」という言葉には常にマイナス…

生まれ変わったシモキタを歩く

小田急小田原線の連続立体交差と複々線化事業に伴い、住宅密集地の世田谷代田―下北沢―東北沢の3駅間の約1.7km区間が地下化され、再開発された線路跡地が公開されたのは昨年5月下旬。再開発以前の下北沢(以下:シモキタ)のイメージは雑然としていて落ち着か…

ミレーの定番バックパック「サースフェー」|修理の依頼から完了まで

先月、御嶽山登山中に愛用バックパック(2020年発売のミレーサースフェー30+5 ヘザー)の左ショルダーストラップ上部から解れた糸が垂れ下がっていることに気づきました。下山後、破損個所(写真・下の赤丸部分)を調べてみると、バックパック本体に緊結され…

ふたつめのサウナハット

日帰り温泉を訪れると、お土産物売り場で屡々サウナグッズコーナーを見掛けるようになりました。社会現象化した「サ活」ブームを実感する場面です。売り場にはサウナハットやサウナマットが所狭しと陳列されています。2019年にタナカカツキ氏のコミック「マ…

米ドル金利が高い今こそ、「米ドル建て一時払い終身保険」

先月21日、米国の長期金利が16年ぶりとなる4.35%まで上昇し、9月に入っても低下する気配がありません。米ドル金利が高止まりするなか、対円で米ドル高が進み、ゴールドマンサックスやBoAは、2023年末のドル円予想を150円〜155円レンジに引き上げています。こ…

公共図書館の図書資料購入ルール|新刊ベストセラー購入の是非

図書館で新刊ベストセラーを借りようとすると何百人待ちというケースがざらにあるようです。千人超えも珍しくないと聞きます。予約を入れたとして一体いつ借りられるのでしょうか?文庫や新書でも新刊なら1000円を超える時代ですから、極力、図書館を利用し…

ブックレビュー|『列車にのった阿修羅さん』(いどきえり著・くもん出版)

劈頭こそ真珠湾攻撃で華々しい口火を切ったものの、太平洋戦争開戦から半年も経たない1942年(昭和17年)4月18日、日本は米軍による本土空襲に遭っています。16機編成の爆撃機隊を指揮したジミー・ドーリットル中佐に因んで「ドーリットル空襲」と呼ばれてい…