美術・建築

ボッティチェリ展鑑賞記

18日、都美で開催中のボッティチェリ展の入場者が10万人を超えたと知って、今日、上野の森に出掛けました。9:30開場の少し前に現地に着くとすでに戸外に長蛇の列ができていましたが、会場内は思ったほどの混雑もなく、じっくりイタリアの至宝を鑑賞すること…

圧巻だった「村上隆の五百羅漢図展」

この週末、六本木の森美術館で開催中の「村上隆の五百羅漢図展」を観てきました。国内では14年ぶりの個展になるのだそうです。メディアで紹介されることが多いアーティストなので彼の作品を観たような気になっていますが、実際に鑑賞するのはこれが初めてで…

藤田美術館蔵「曜変天目茶碗」を拝む

先月27日までサントリー美術館で開催されていた「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」展について、触れておこうと思います。藤田美術館は大阪市都島区網島町にあって、常設展示をしないことで知られています。春と秋の企画展を狙って訪れればい…

原鉄道模型美術館の魅力

シルバーウィークを利用して、横浜駅にほど近いビルの一角にある原鉄道模型博物館を訪れました。施設もコレクションも桁違いのスケールで、いち鉄道マニアが一代で収集したしとは到底思えません。「いちばんテツモパーク」と呼ばれる鉄道模型ジオラマの総面…

「没後180年 田能村竹田」展を振り返って

会期が2か月足らずの「没後180年 田能村竹田」展を見逃してはならじと今月中旬、出光美術館を訪れました。同美術館は、第10回本屋大賞を受賞した『海賊とよばれた男』で一躍有名になった出光興産創業者出光佐三氏が1966年に開設したもので、帝劇ビルの9階に…

ルーブル美術館展@国立新美術館

会期も残り1か月を切ったので、昨日開館時刻めがけて国立新美術館に飛び込み「ルーブル美術館展」を観てきました。会場入口には既に150人余りの行列ができていました。10分前から展示スペースへの誘導が始まったので、入口付近を通り過ぎると来館者がばらけ…

イSム表参道店を訪ねて〜思わず二体買ってしまいました〜

年初に高島屋日本橋店にディスプレイされたイSムの仏像をたまたま目にしてから、その精巧な出来栄えをもう一度じっくり見てみたいと思い、イSム表参道店を訪れました。場所は骨董通りとぶつかる246の路地を西へ少し入ったあたりです。イSムブランド初の直営…

勢ぞろいした国宝≪八大童子像≫

会期最終日(〜12/7まで)が迫ってきたので、連休前の昨日夕刻、サントリー美術館を訪れ「高野山の名宝展」を見てきました。お目当ては勿論遙々東京までお越しになった≪八大童子像≫。八躯すべてを一度に見られる機会は現地高野山霊宝寺でも稀だということで…

一畳敷の世界

今日、ICUの敷地内にある泰山荘を訪れ、かねてから見たいと思っていた「一畳敷」の見学が叶いました。例年、ICUの文化祭期間中にだけ公開される国登録有形文化財なので、貴重な見学機会(完全予約制)を得たことになります。なお、写真撮影は禁止ですので、添…

五島美術館で漱石の『門』直筆原稿を見る

3連休の初日、天気がさほど崩れなかったので上野毛の五島美術館へ出掛けました。駐車場が狭い美術館なので停められるか心配していたら、案の定、満車。係員から近くのコインパーキング情報を記した地図を貰ったものの、適当な場所が見つからず、また美術館へ…

アントニオ・ガウディ or アントニ・ガウディ

森アーツセンターギャラリーで開催中の<建築家ガウディX漫画家井上雄彦>展を観てきました。ガウディと『SLAM DUNK』や『リアル』の作者の異色コラボ展、興味本位でしたが覗いて正解でした。会期は9/7(日)まで、あと僅かで閉会ですのでガウディファンは…

帝国ホテルプラザの小粋な企画〜ロベール・ドアノー写真展〜

帝国ホテルのインペリアルタワー内にある帝国ホテルプラザでロベール・ドアノー写真展が開催されています。代表作は1950年作の<パリ市庁舎の前のキス>、ご存じの方も多いかと思います。といっても、特別なギャラリースペースが設けられているわけではあり…

大混乱の特別展「キトラ古墳壁画」最終日

5月18日(日)は「国際博物館の日」、常設展を無料で見ることができたので、東博に足を運んだ方も多いのではないでしょうか。当日は特別展「栄西と建仁寺」の最終日と重なったことも手伝ってか、特別展「キトラ古墳壁画」最終日は大盛況、会場の本館前には長…

「バルテュス展」特別鑑賞会レポート(2014/4/26)

展覧会の楽しみのひとつにギャラリートークと呼ばれる催しがあります。一般に企画展を手掛けた学芸員による作品解説全般を指すわけですが、最近は趣向を凝らした上質の企画が増えてきているように感じます。作品の見方が深まるので、こうした機会は見逃せま…

「栄西と建仁寺」展は見応え十分でした!

今年は開山・栄西禅師800年遠忌にあたり、東博(平成館)で特別展「栄西と建仁寺」が開催されています(〜5/18まで)。先週末、見逃してはならじと上野に出掛けました。五山文学の担い手となる学僧を輩出した建仁寺は、五山第三位の寺格を誇る名刹だけあって…

「岸田吟香・劉生・麗子」展はイチオシです

先週末、世田谷美術館で開催中の「岸田吟香・劉生・麗子」展に足を運びました。8日(土)午前中は最終日だった「有元利夫展」(小川美術館)を見て、その足で世田谷美術館に向かいました。行き帰りの環八が大渋滞だったので、都合4時間余りハンドルを握った…

「アンディ・ウォーホル展」プレビュー(2014.1.31)

プレビューとは展覧会の一般公開に先立って行われる内覧会のことです。先月末、六本木ヒルズ53階にある森美術館で「アンディ・ウォーホル展」のプレビューに招待されたので勇んで出掛けてきました。ひと足先に展覧会が見られるチャンスはそうそうありません…

ルドゥーテの高精細複製画の出来栄え〜ジクレー版画という奇蹟〜

鷹番に用事があったついでに、柿の木坂のコノサーズ・コレクション東京に立ち寄ってみることに。以前、こちらでルドゥーテの『バラ図譜』オクタヴォ判2枚(オリジナル)を購入したことがあって、久しぶりに店主に会えたらと思い訪れました。かれこれ10年ぶり…

「夏目漱石の美術世界展」@東京藝術大学大学美術館

先週の日曜日が展覧会の最終日、猛暑のなか、上野の森に足を運びました。上野の森の外れにある藝大美術館は、都美や西洋美術館に比べれば少し知名度が劣るので、その日はゆったり鑑賞できるはずでした。ところが、すでに入口正面の1階チケット売り場に行列が…

有元利夫展(2013年)

毎年2月、千代田区三番町にある小川美術館を訪れることにしています。1985年2月24日に38歳の若さで他界された有元利夫さんの回顧展が開かれるからです。煉瓦色のタイルが印象的なオフィスビルの1階、向って左の小さな自動扉をくぐるとそこが小川美術館です。…

静嘉堂文庫美術館〜茶道具名品展〜を訪れて

世田谷区岡本にある静嘉堂文庫美術館を訪れ、三菱財閥を創業した岩崎彌之助とその嗣子小彌太が蒐集した茶道具の一級コレクションを鑑賞してきました。都内に数ある美術館のなかでも、静嘉堂文庫美術館はお気に入りのひとつ、国分寺崖線の一画にあって豊かな…

雅叙園「百段階段」を昇って

目黒区制施行80周年を記念して、目黒雅叙園で「目黒と雅叙園の魅力展」と題する展覧会(〜8/19まで)が開催中です。国の登録有形文化財にも指定されたという「百段階段」をひと目観ようと、ぐずついた天気のなか会場まで足を運びました。過去、会食で雅叙園…

国宝「慧可断臂図(えかだんぴず)」の謎

過日、サントリー美術館で雪舟等楊作「山水長巻」(国宝)に見惚れていたとき、夢想だにしなかった国宝秘話についてご紹介しておきます。3日前、東京12chの番組「美の巨人」を見て知ったのですが、画聖として評価極まった感さえある雪舟晩年の作「慧可断臂図…

「毛利家の至宝」展は見逃せません

今年のGWの最大の収穫はサントリー美術館で開催中の「毛利家の至宝」展でした。会期(4/14〜5/27)は1ヶ月余りと極めて短いので未だご覧になっていない方はお見逃しなく。10年ぶりの東京公開だそうです。お目当ては、勿論、特別公開される雪舟等楊作「山水長…

旧古河虎之助邸に見る和洋折衷の見事な調和

ジョサイア・コンドル博士の手になる最晩年の建築、旧古河虎之助邸内部を見学する機会がありました。小高い丘に聳える旧古河邸は美しいバラ園で有名ですが、意匠に富んだ邸宅内部は手入れの行き届いた庭以上に素晴らしいものでした。見学には事前予約が必要…

美術品国家補償制度の適用第1号

今年6月1日に施行された<展覧会における美術品損害の補償に関する法律>の適用第1号が10月から西洋美術館で開催される「プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影」展に決まったことをニュースで知りました。当該法律制定の背景には、新興国での美術品への関心の高まり…

原発事故の思わぬ波紋

政府・東電が原発事故の初動対応に大きく躓いた結果、国民生活全般に様々な影響が及んでいます。自分なりに一度整理しておこうと思っているのですが、日常生活に直接関係する影響に限っても、日を追って拡大の一途を辿っているので収拾をつけかねています。…

国立新美術館のシュルレアリスム展

国立新美術館で開催されている<シュルレアリスム展>は期待を裏切らない企画展でした。展示作品はすべてパリのポンピドゥセンターが所蔵する貴重なコレクションです。エルンスト、ルネ・マグリット、イヴ・タンギー、ジャコメッティをはじめ170点余りのマス…

日本民藝館〜河井寛次郎生誕120年記念展〜

いつ訪れても居心地がいい美術館は日本民藝館をおいて他にはありません。正面入口の階段を昇って2階の西側に回り、長椅子に腰を下してしばし棟方志功の板画を眺めていると時の経つのを忘れてしまいそうになります。今回の記念展覧会では、民藝運動の主唱者柳…

晩秋の武相荘

鶴川街道を車で南下すること30分余り、降車して幹線道路から勾配のきつい坂道を数分歩くとそこが武相荘(ぶあいそう)でした。云わずと知れた旧白洲邸です。米国占領統治下の日本にあってGHQ幹部をして<従順ならざる唯一の日本人>と呼ばしめた白洲次郎・正…