原発事故の思わぬ波紋

http://tanken.guidenet.jp/wp-content/uploads/2008/03/p1000192.JPG政府・東電が原発事故の初動対応に大きく躓いた結果、国民生活全般に様々な影響が及んでいます。自分なりに一度整理しておこうと思っているのですが、日常生活に直接関係する影響に限っても、日を追って拡大の一途を辿っているので収拾をつけかねています。足元では、水道水や食材(野菜・肉・魚)の安全性が専ら気掛かりです。暫定規制値を超える放射線が検出されたために福島産コウナゴが出荷停止になったと報じられています。コウナゴを餌とする食物連鎖上位の回遊魚から放射線が検出されることになったらお寿司もやがて口に入らなくなるかも知れません。被災地の復興と食の安全の確保という喫緊の課題を前に現政権の実に頼りないこと、挙国一致内閣で臨んで貰いたいと強く思う次第です。

シュルレアリスム展>に触れたところで、原発事故の影響が海外作品の展覧会にも思わぬ波紋を投げかけていることに気付かされました。すでに開催が決まっている幾つかの展覧会が中止や延期に追い込まれています。放射能汚染はヒトや生き物だけではなく美術品にとっても不倶戴天の敵というわけです。国立西洋美術館で開催中の「レンブラント展」では館内に設置した放射線計測装置のデータがそのまま作品所有者に転送されているそうです。オンリーワンの美術品を貸与する側からすれば、サイズミックリスクが昂じた日本の美術館はもはや好ましからざる借り手に違いありません。国宝級の文化財を所蔵する国立博物館や美術館も万一に備える必要があるのかも知れません。世界中の名画が集まる国だった日本、文化財保護の観点からも地震対策は急務と云えます。