映画・ドラマ

今やアニメの聖地・須賀神社男坂を上る!~坂道に魅せられて~

元日の初詣は、混雑する時間帯を避けて深大寺の参拝にとどめました。駐車場は信じられないくらい空いていて、いつもなら長蛇の列ができる山門を待ち時間なしで通り抜けることができました。例年ならばお参りする地元の八幡様を2日に訪れたものの、狭い境内は…

コロナ禍で虜になった海外ドラマ『24-TWENTY FOUR-』

今年10月、テレビ朝日が開局60周年記念ドラマ『24 JAPAN』を制作。ところが、視聴率は低空飛行どころか回を追うごとには下がる一方で、そのお粗末な出来栄えが話題になりました。いうまでもなく、世界各国で大ヒットした米FOX社制作テレビドラマ『24-TWENTY …

映画『パリよ、永遠に』~パリの救世主はコルティッツ将軍なのか?~

いつ訪れても美しいパリの街並み。ところが、1800年代初頭のパリは、家畜が放し飼いにされ、垂れ流された糞尿で異臭さえ漂う不衛生この上ない都市でした。そんな劣悪な都市を今日の姿に変えたのは、時の皇帝ナポレオン3世とオスマン知事のふたりです。「オス…

必見ドキュメンタリー映画:『三島由紀夫vs東大全共闘~50年目の真実~』

2020年11月25日は、三島由紀夫が陸上自衛隊東部方面総監室で割腹自殺を遂げた「三島事件」(1970年)からちょうど50年目に当たります。たまたま訪れていた友人宅のテレビのニュース速報で「三島事件」を知ったときの衝撃は今も脳裡に焼きついています。稀代の…

『グリーンブック』から『パラサイト 半地下の家族』へ~アカデミー賞作品賞の最新トレンド~

2019年のアカデミー賞作品賞受賞作『グリーンブック』は、ジム・クロウ法下の1962年、アフリカ系アメリカ人ピアニストのドン・シャーリーに運転手として雇われたイタリア系移民トニーが、黒人差別の顕著な米中西部からディープサウスへのコンサートツアー中…

20年ぶりの韓国映画:『国家が破産する日』は金融映画における金字塔でした!(ネタバレあり)

過去観たことのある韓国映画はたったひとつ、北朝鮮工作員と韓国諜報部員の悲恋を描いた『シュリ』(1999年)だけです。韓国は訪れたことさえありません。2004年頃の「冬ソナ」ブームもまったく心に刺さることなく素通りしていました。韓国映画をことさら毛嫌…

久しぶりに映画の梯子〜『パヴァロッティ 太陽のテノール』+『ミッドウェイ』~

この連休初日は、TOHOシネマズ日本橋で久しぶりに映画2本を観ることに。鑑賞前にお気に入りモーニングを頂こうと、勇んでミカドコーヒー日本橋店に立ち寄りました。ところが、コロナの影響でモーニングの提供を控えている由。そこはめげずに、ブレンドLサイ…

映画『コクリコ坂から』と「国際信号旗」のメッセージ

渋谷から東急東横線経由で終点元町・中華街駅まで特急で37分。例年なら、年に数度は訪れるヨコハマの「港の見える丘公園」、「神奈川近代文学館」、「アメリカ山公園」・・・いずれもコロナ禍でお預け状態です。夏休み恒例の日テレ「金曜ロードショー!」で…

サーロー節子さんのドキュメンタリー映画『ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに』

あと2日で75回目の終戦記念日が訪れます。75年という歳月に広島市民とりわけ被爆者の方々は格別の思いを抱くのではないでしょうか。原爆投下直後、<75年は草木も生えぬ>と言われた広島が、市民の弛まぬ努力によって信じられないような奇跡の復興を遂げ、平…

畏るべき近未来予知ドラマ『アウトブレイクー感染拡大ー』

最近、アマゾンprime videoで視聴可能になった『アウトブレイク』(全10話)を観てびっくり仰天しました。制作時期を知らなければ、間違いなく、新型コロナウイルスの感染拡大に着想を得て製作されたドラマだと誤信してしまうところでした。実際の撮影は2019年…

映画『泣き虫しょったんの奇跡』と『将棋の子』(大崎善生著・講談社文庫)

WOWOWの予告編でプロ棋士瀬川晶司さんをモデルにした映画だと知らなければ、危うくスルーするところでした。『泣き虫しょったんの奇跡』(2018年9月公開)は、現在プロ棋士として活躍中の「しょったん」こと瀬川晶司さんの自伝に基づいています。将棋界では今…

映画『オーシャンズ11』のラストに流れる「月の光」

映画やテレビドラマの名場面にふさわしいクラシック曲が流れると、ついつい手持ちのCDを探してしまいます。久しぶりに『オーシャンズ11』(2001年)を観て、ドビュッシーの代表曲のひとつ「月の光("Clair de lune")」を聴きたくなりました。『オーシャンズ11…

映画『マイ・インターン』再び〜次第に狭まるふたりの距離感に注目〜

Amazon Prime Videoで『マイ・インターン』(2015年公開・原題”The Intern”)を視聴。劇場公開時に観て以来、5年ぶりになります。メリハリがあってテンポの速い展開は観る者を飽きさせません。監督はロマンティック・コメディの傑作『恋愛適齢期』(2003年)を手…

松本清張再び〜鉄道の旅から映画「ゼロの焦点」へ〜

NHK BSプレミアム新日本風土記スペシャル「松本清張 鉄道の旅」(2020/5/8放送) を見ながら、松本清張は同時代の世相や空気を切り取る才能に長けた作家だなとあらためて感心しました。おまけに、ブックタイトルの付け方が実に上手い。「点と線」、「ゼロの焦…

人類への警告〜映画『復活の日』(1980年)と新型コロナウイルス禍〜

政府の緊急事態宣言発令でますます縮こまった生活が続きそうです。話題作『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 』を観ようと思っていたら、映画館も休業。当分、amazon prime videoやwowow で凌ぐしかありませんが、しみじみとネット配信時代の有難みを感…

映画「新聞記者」:記者が立ち向かったのは近未来のディストピア

邦画は、洋画とりわけハリウッドのしっかりとした骨組みの作品と比較するとジャンルを問わず、内容がいま一つ食い足らない気がして、積極的に劇場に足を運ぶ気にはなれません。最近観た邦画のなかで佳作だなと思えるのは、樹木希林さん主演の「日日是好日」(…

『鑑定士と顔のない依頼人』(2013年)の意味深長なラストシーン(ネタバレあり)

振り返れば、公私ともにゆとりを欠いた年にかぎって、映画やテレビドラマの話題作を見逃しているような気がします。2013年12月に日本で公開されたジュゼッペ・トルナトーレ監督の『鑑定士と顔のない依頼人』(英語タイトル: “The Best Offer”)もそのひとつで…

戦車映画も悪くない〜『T-34 ナチスが恐れた最強戦車』(2018)~

「潜水艦映画にハズレなし」という名言は今日も健在ですが、戦車映画にも傑作は少なくありません。古くは『パットン大戦車軍団』(米・1970年)、近年であればブラピ主演の『フューリー』(米・2014年)あたりがすぐに頭に浮かびます。第二次世界対戦中、圧倒…

すっかりハマった海外ドラマ『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』

最近の愉しみのひとつは、深夜にiPadを携えベッドに横たわって『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』(以下:『ジャック・ライアン』)を鑑賞することです。昨年、Amazon Prime Videoで配信が開始されるや、大ヒットになっているようです。トム・…

シネマレビュー:”The Bucket List” (2007年)

吉永小百合X天海祐希主演の映画『最高の人生の見つけ方』が上映中・・・どこかで聞いたようなタイトルだと思ったら、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン共演の同名映画(2007年)のリメイクでした。ネット上では低予算も手伝ってハリウッド版の味わ…

シネマレビュー: ロングランを続ける『天気の子』(新海誠監督)

7月19日の封切り直後に観た新海誠監督(1973年生まれ)の『天気の子』、客足は依然好調で、興行収入は130億円を突破したそうです。日本映画史上、興行収入が100億円を超えた作品はわずかに10作のみ。大ヒットした『君の名は。』から3年、異常気象という身近…

シネマレビュー:インビクタス/負けざる者たち(2009年米)~主人公はネルソン・マンデラ大統領~

「インビクタス/負けざる者たち」の地上波初放送(9/20・日テレ系)がラグビーW杯開幕初日にぶつられたお蔭で、見逃していた話題作を堪能できました。監督は、俳優から転身し数々の名作を手掛けているクリント・イーストウッド。キャスト陣も豪華共演で、マ…

シネマレビュー:「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」@アップリンク吉祥寺

2018年12月に吉祥寺パルコ地下2階にオープンした映画館、「アップリンク吉祥寺」で、先週末初めて映画鑑賞しました。吉祥寺の駅前周辺は商業ビルが林立し、郊外型シネコンが進出する可能性はゼロ。東口のオデオン座こそ健在ですが、2014年には吉祥寺バウスシ…

映画「U・ボート」を今に甦らせた「Uボート ザ・シリーズ 深海の狼」(by WOWOW)

潜水艦を扱った戦争映画は見逃さないようにしています。戦争映画のなかでも潜水艦映画には傑作が多いように思います。古くは、「U・ボート」(1981年)、近年では「レッド・オクトーバーを追え!」(1990)や「クリムゾン・タイド」(1995)が潜水艦映画の白眉では…

映画「パール・ハーバー」(2001年)唯一の見所ドーリットル空襲

太平洋戦争の口火を切った真珠湾奇襲攻撃を題材にした2001年制作の映画「パール・ハーバー」を、最近、WOWOWで視聴しました。真珠湾奇襲攻撃といえば、1970年に公開された日米合作の「トラ・トラ・トラ!」。中高時代に繰り返し観た「トラ・トラ・トラ!」の…

超実写版「ライオン・キング」と「ジャングル大帝」の酷似

封切りされたばかりの超実写版「ライオン・キング」の吹替版を観てきました。アメリカ映画は通常字幕スーパーで実際の会話と字幕スーパーの端折り訳出を楽しむのですが、ドキュメンタリーフィルムのように美しいという前評判の高い「ライオン・キング」に字…

シネマレビュー「八甲田山」(1977年公開)

昨年、「八甲田山」のが制作されたと知り、またこの名作を見たくなくって、家族も寝静まった深夜に録画を再生することに。まだまだ高価な4Kテレビは我が家にはありませんので、残念ながら、撮影監督木村大作さんが言う鮮やかに蘇ったという画像は拝めません…

シネマレビュー「女王陛下のお気に入り」〜時代背景を読み解きながら〜

第91回アカデミー賞の授賞式(日本時間2月25日)の迫るなか、封切りされたばかりの「女王陛下のお気に入り」を真っ白な頭で鑑賞してきました。大本命「グリーン ブック」と並んで本作の下馬評は頗る高く、本年度アカデミー賞最多10部門にノミネートされていま…

映画レビュー「オンリー・ザ・ブレイブ(“ONLY THE BRAVE”」(2018/6日本公開)

2019年のお正月休みは連続9日間、こんなに長いとあらかじめ分かっていたら、海外で過ごせば良かったと反省しきり。特に12月の第5週の株式市場が大荒れだっただけにポジションを早めにスクエアにして海外逃亡すべきだったと、余計にそんな思いが込み上げます…

佳作映画評「コレクター 暴かれたナチスの真実」

当ブログで以前とり挙げたとおり、近年、ナチスやヒトラーをテーマにした映画が次々と制作されています。第二次世界大戦を経験した人々が年々減少し、大戦中の記憶は総じて風化しつつあります。こうした記録映画の制作は、後世に悲惨な戦争の記憶をキチンと…