映画『オーシャンズ11』のラストに流れる「月の光」

映画やテレビドラマの名場面にふさわしいクラシック曲が流れると、ついつい手持ちのCDを探してしまいます。久しぶりに『オーシャンズ11』(2001年)を観て、ドビュッシーの代表曲のひとつ「月の光("Clair de lune")」を聴きたくなりました。『オーシャンズ11』の舞台はラスベガス、大仕事を成し遂げた面々がベラージオ・ホテル&カジノの噴水前で横一列になって佇むシーンのバックに流れるのがピアノ独奏曲「月の光」です。

CDラックをひっくり返すとありました、グラモフォン盤クロード・ドビュッシーピアノ作品集が!演奏はデームスとヴァーシャーリが分担、「ベルガマスク組曲」(3曲目が「月の光」になります)はヴァーシャーリの演奏でした(1969年4月録音)。

映画のラストに話を戻すと、壮大な噴水ショーが繰り広げられるなか、ダニーを除いた10人の仲間たちひとりひとりの顔がクローズアップされていきます。互いに顔を見合わせると、ブラッド・ピット演じるラスティがその場を去り、やがてひとりふたりと仲間も姿を消していきます。ライトアップされた噴水と通り過ぎる人たちのシルエットのコントラストは、ラストを飾るにふさわしいカットです。誰のアイデアでしょうか?、その抒情的なシーンにドビュッシーの「月の光」を持ってくるセンスには脱帽です。映画ではオーケストレーションでしたが、ピアニッシモのピアノ独奏で聴いてみたい衝動に駆られました。

ドビュッシーは先のCD1枚だけなので、フランス出身女性ピアニスト、モニク・アースの演奏で聴いてみようと思っています。

月の光 ~ドビュッシー / ピアノ名曲集

月の光 ~ドビュッシー / ピアノ名曲集