TVリアルタイム観戦記:第9回ラグビーW杯日本VSアイルランド戦@静岡スタジアム

2015年のイングランド大会の南ア戦を見逃した苦い経験から、今回は一次リーグの日本の試合日程をスケジューラに入れておいたので、定刻にTVの前に陣取って観戦することができました。ロシア戦開始時刻と違って16:00過ぎの試合開始でした。

W杯直前の9月7日の南アとのテストマッチは7-41で完敗。南アが前半3、後半3のトライを決めたの対して、日本のトライは後半に1つだけ。前回のW杯初戦の劇的勝利(34-32)*のリベンジを喰らった格好でした。テストマッチとはいえ、南アのスピード感溢れる攻めと鉄壁の守りでまざまざと格の違いを見せつけられただけに、優勝候補の一角アイルランド(世界ランク2位)は容易に勝たせてくれまいと覚悟していました。

(注)第1回〜第7回大会までの日本の戦績:1勝2分21敗、第8回は3勝するも予選突破ならず

前半こそ、9-12の僅差でリードされて終了しましたが、前半30分過ぎ、主将のリーチ・マイケル選手が投入されると、素人目にも俄然チーム全体の動きが良くなり、ボール支配率で圧倒。10番スタンドオフが前回大会の五郎丸から田村優選手に交代。ゴールキック(2点)やペナルティキック(3点)の場面では、田村選手の表情から緊張感がひしひしと伝わってきました。大観衆の前で決めて当然のキック、初戦で成功率が低かっただけに、一番重圧を感じていたのは田村選手に違いありません。スタジアムの大観衆とTV視聴者の祈るような思いに応えた田村選手は、お手柄(4PG+1G=14得点)でした。前半ノートライながら、PGで得点を小刻みに積み上げたことが、流れを引き寄せたのだと思います。

盛んに解説席からは、フィットネス(身体能力や心肺機能のこと)で勝る日本に後半チャンスありとの声。傍目にも、アイルランドの動きが明らかに鈍化し、足が止まったかに見えました。南ア大会から4年、ラグビー強豪国と肩を並べるどころか、凌駕するまでになったチームジャパンのフィットネス。フィジカルも遜色なく映ります。その蔭には、想像を絶する猛練習と緻密なゲームプランがあったのでしょう。

結果は、後半スピード抜群のウイング福岡堅樹選手がトライを決め、19-12で日本の快勝。NHK豊原アナウンサーが発した「もう奇跡とは言わせない!」という言葉は、今後の試合運び次第では、流行語大賞になるやも。最後、アイルランドはボールを奪うと自陣からタッチへ蹴り出しました。一見不可解なプレイに映りますが、7点差の負けなら勝ち点1がアイルランドに与えられます。前回、一次リーグで3勝しながら、決勝トーナメントに進めなかった日本。アイルランドも勝ち残りをかけて駆け引きに出た訳です。大会前の世界ランキングに基づく予想では、プールAからアイルランドスコットランド(7位)がベスト8に進出することになっていました。このまま順当に勝ち上がると、準々決勝で南アと激突します。この日、南アはナミビア相手に今大会最多の9トライ・・・・畏るべしです。

ラグビーの基本ルールは理解しているつもりですが、ペナルティが与えられる場面や戦術などまだまだ勉強不足。試合スタッツには、攻撃・守備・キック・ラック&モール・セットプレイ・警告カードと多彩な項目にデータが並んでいます。自国開催の第9回ラグビーW杯(世界で3番目のスポーツ祭典)開催中に、ラグビーを100倍楽しめるように、ルールはもとよりポジションや組み合わせにも、注目していくつもりです。ちなみに世界で40億人がテレビ観戦しているのだそうです。