ラグビーW杯・シビれた日本VSスコットランド戦〜まさか一次リーグ(Pool A)を4戦全勝で突破とは!~

昨夜のブレイブ・ブロッサムズの劇的勝利の興奮覚めやらぬなか、記憶が鮮明なうちにテレビ観戦記を残しておこうと思います。14日付け朝刊紙面は、台風19号の被害報道に譲った格好ですが、この台風さえなければ間違いなく一面トップを飾ったことでしょう。

台風の影響で中止の可能性もあったなか、とにかく試合が行われることが決まり、ファンは皆胸を撫で下ろしたことでしょう。中止引分けで初の8強では後味が悪すぎます。何しろ、相手チームのスコットランドは、2015年大会(第8回・開催国イングランド)同プールで対戦し、45-10の大差で決勝T進出を阻んだ「ホームユニオン」の一角を構成する強豪国なのですから。グラウンドでリベンジを果たしての決勝T進出が実現するのかどうか?、ファンは固唾を呑んでキックオフの時間を待っていたに違いありません。

試合開始早々、トライを奪われますが、17分に松島幸太朗選手のトライ+ゴールで追いつき、25分には稲垣啓太選手の大会初トライで勝ち越し。前半終了間際に俊足の福岡堅樹選手がトライ、なんと前半を21-7で折り返したのです。驚愕すべきは、難しいオフロードパスの精度とボールを奪ってから敵陣に深く切り込むスピード感。それでも、後半40分を残して、このままスコットランドがすんなり勝たせてくれるとは思えませんでした。

後半2分、豈図らんや、福岡選手がハーフライン付近で相手からボールを奪うと、50mほど独走しインゴールに到達。思わず、拳を握りしめてしまいました。その後は苦しい展開に。ボールのポゼッション率は明らかにスコットランドが上回り、1トライ1ゴール差に。何度も自陣深くまで詰め寄られましたが、最後まで堅守に徹し、28-21で日本は過去10敗1勝(相手方は1敗もテストマッチでないことを理由に認めていないようですが・・・)の相手スコットランドに勝ち切り、初めての一次リーグ突破を全勝首位で達成したのでした。

番狂わせが少ないラグビーW杯にあって、アイルランドスコットランドを撃破した日本の力は本物だと誰もが確信したはずです。アイルランド戦直後にメディアを賑わした<もうジャイアントキラーと呼ばせない>という言葉さえ、今や、陳腐に感じられます。スクラムスコットランドに力負けしなかったパワーもお見事でした。にわかラグビーファンを自認する糸井重里さんではありませんが、自分も含めた大多数の日本人は「にわかで、ごめん」と檜舞台の陰でハードワークしてきた選手たちに頭を垂れなければなりません。ラグビーというスポーツの魅力を知ることが出来たのも、今年だけで1日たった100ドルの日当で240日間キャンプを張った彼らの活躍のお陰です。

直前のテストマッチで格の違いを見せつけた南ア、厳しい展開になると予想しますが、ワンチームスピリットで乗り越えさらに駒を進めてて欲しいものです。気が早いようですが、次のフランス大会、今回叶わなかっただけに、現地観戦したくなりました。

試合後の敵将タウンゼンドHCの賛辞の数々を引用して終わりにします。

「非常にチームとして団結できている。長い間、一緒にいることがわかる。自分たちがどういう試合をするべきか、長所をよく理解している。ボール回しが速い。ラックが強い。セットプレーの実行もうまい。選手の質も高い。素晴らしいボールキャリアーがいる。ハードワークする。ペースも早い。自信もある。バックラインにいる選手全員、自信を持っている。」