東京から悪天候の栗駒山へ (1/3)

<神の絨毯>と呼ばれ、山体すべてが茜色に染まるその景色は日本一とも称される紅葉の名所、「栗駒山」に登ってみようと、ハイシーズンの10月第1週週末に旅程を組みました。東京から「栗駒山」の麓まで、休憩なしで車を走らせたとしても走行距離は約460km、時間にして6時間近く掛かります。関東近郊の日帰り登山と違って、遠くまで足を延ばす以上、「栗駒山」登山だけで済ませるのはいかにも勿体ないので、蔵王御釜をサブメインの目的地と決めました。

そこで1日目は4時過ぎに自宅を出発して、蔵王御釜へ立ち寄ることにしました。安達太良SAで朝食休憩を挟んで、白石IC下車、蔵王エコーライン経由(約26キロ)で蔵王山レストハウスに着いたのは9時過ぎ。蔵王エコーラインレストハウス間近の分岐で有料(@550円)の蔵王ハイラインに直結しています。東京からは、ここまででもかなりのロングドライブです。途中、滝見台から落差181mの三階滝(日本の滝百選)を眺めましたが、じっとしていると強風で煽られそうでした。台風18号の影響で出発時の東京は雨、東北自動車道走行中も横殴りの雨は一向に止まず、波乱含みの旅立ちとなりました。

蔵王ハイラインの通行料金を支払うとき、係員に山頂の天気を尋ねると、「昨日なら良かったのに今日は御釜は見えません」と申し訳なさそうな返事が返ってきました。山頂で少し粘ればと淡い期待を抱いてレストハウスに入場したものの、周囲は濃い霧に包まれ、視界は精々数メートル。レストハウス後方の出口から展望台に至る道路さえ、まったく見えません。小一時間、待機してみましたが、天候回復の兆しすらありません。やむなく、引き返すことになりました。外気温は12℃前後、ようやく秋本番を迎え、濃霧の駐車場に到着する観光バスからから次々と団体客が降車してきましたが、外は寒いので土産物売り場で手持無沙汰にするほかない観光客の表情は一様に冴えません。

年々、異常気象の度合いが強まり、<危険な10月の台風>というニュースのヘッドラインにも驚かなくなりました。どうやら、10月の台風の特徴は数こそ少ないが勢力は大型ということのようです。9月の長雨に続き、10月も貴重な週末が台風で大荒れになりそうな気配です。