【2021-3-7】オフシーズンの両神山登山~軽アイゼンorチェーンスパイクはマストです~

一昨日の東京の最高気温は21度、初夏並みでした。これなら翌日日曜日のコンディションも悪くなかろうと期待して、奥秩父両神山(りょうかみさん・1723m)へ遠征しました。秩父多摩甲斐国立公園の一角にある両神山は、日本百名山にして秩父三山、信仰の山として知られています。都内から車で片道2時間、ピストン(日向大谷登山口~両神山)でのコースタイムは6時間になります。小鹿野町(おがのまち)に入り県道279号を進むと次第に隘路となりますので、中型車以上は運転要注意です。登山口手前の無料駐車場スペース(冬季は有料駐車場は閉鎖中?)は限られていますので、ヤシオツツジのピンクに染まるハイシーズンの5月上旬は、駐車スペースの争奪戦になること間違いないでしょう。

オフシーズンとはいえ、気温も上昇し、登山日和になるはずでした・・・ところが気温が一転急降下、登山開始時の気温は3度前後だったのではないでしょうか。日の当たらない場所では吐息が白くなり、手袋をしないと手がかじむ寒さでした。序盤は平坦なコースが続き、渓流薄川のクロスを繰り返しながら徐々に高度を上げていくことになります。落葉が踝あたりまで積もって滑りやすい箇所がありますので、この時期は要注意です。夏場なら、渓流の音を聴いて涼やかな気分に浸れそうです。登山道の随所に石仏や三十六童子の名を刻んだ丁目石が置かれているので、ときどきその前で休憩を取りました。一番立派な石仏は観蔵堂に安置されています。

清滝避難小屋まで約2時間。公衆トイレ併設の立派な小屋でしたが冬季なので閉鎖されていました。修験道の拠点両神神社(狛犬は狼だそうです)で参拝、その先は急登と鎖場が連続しますが、陽の当たらない山腹が所々でアイスバーンになっており、携行したチェーンスパイクを急遽装着して何とか凌ぎました。数日前のtwitterで山頂付近の状況を把握しておいて正解でした。天候や登山道の最新情報チェックは安全登山の基本ですね。

山頂からは冨士山が見えるはずでしたが、この日は雲で遮られ叶いませんでした。天候は良好で360度のパノラマはそれなり(南アルプスなど)に楽しめました。オフシーズン最大のメリットは山頂独り占め。しかも、山頂標識だけではなく、二等三角点や立派な山座同定盤もある満足度の高い山頂なのでした。ハイシーズンなら、間違いなく山頂は大混雑になるはずです。30分余り、おにぎりを頬張りながら磐上で休憩していると、駐車場で会った2歳の柴犬コハクを連れたカップルが合流。この日の日向大谷ルート入山者はおそらく10人未満だったのではないでしょうか。オフシーズンながら、百名山をまた一座踏破した歓びは格別でした。

帰路、道の駅両神温泉薬師の湯で入浴(600円)。関越自動車道は新座料金所~大泉JCT間で週末恒例の大渋滞、復路は3時間もかかってしまいました。