<浅間尾根>から東京唯一の百名瀑「払沢の滝」へ

前日の雨も上がりピーカンとなった5月28日、ホリデー快速あきがわ1号に乗車、JR武蔵五日市駅に向かいました。電車が終着駅に到着すると、<都民の森>行きバスの駅前停留所には瞬く間に長蛇の列ができます。西東京バスの若い職員さん数名がせわしそうに行列の整理にあたっています。傍らには、ロードバイクを組み立てている中年サイクリストが数名、皆さん目的地こそ違いますが、ウィークエンド特有の浮足立つような空気が充溢しています。都内でバスに乗車することは皆無ですが、週末の日帰り登山では西東京バスさんのお世話になりっ放しです。この日は、8:10発の定期便に加え臨時便が2本増発されたお蔭で着席することが出来ました。目的地まで小一時間バスに揺られますから、座れるとホッとします。終点<都民の森>の手前、<浅間尾根登山口>バス停で下車、ここから50分弱、250mほど上りが続きます。舗装された林道を横切って登山口へ進みます。

数馬分岐からかつて「甲州古道」と呼ばれた<浅間尾根(せんげんおね)>に入り、新緑が眩しい景色を愛でながら軽快に歩を進めていきます。サル岩、一本杉を過ぎると樹林帯に入り展望は利きませんが、起伏は緩やかで歩きやすい道が続きます。路傍には石仏や馬頭観音が祀られ交易に利用された往時が偲ばれます。

休憩舎とトイレのある平らな地点まで2時間弱。ここでランチを済ませ、休憩舎から巻道を進めば約5分で<浅間嶺(せんげんれい)>(903m)に到着です。標識の背後(南)に富士山、北側が開けていて御前山や大岳山などパノラマが広がります。早めに山頂にたどりつけるようであれば、ベンチを確保して、山頂ランチがおススメです。

<浅間嶺>山頂から「払沢(ほっさわ)の滝」まで約2時間。危険箇所の殆どない<浅間尾根>は知名度こそ低めかも知れませんが、奥多摩十座にふさわしい<浅間嶺>を擁する素晴らしい縦走路だと感じました。東京都内で唯一「日本の滝百選」に選定されている「払沢の滝」(東京都檜原村)の落差は62m、仰ぎ見る滝は26mで視界の外にさらに三段の滝があるそうです。「払沢(ほっさわ)の滝」の手前、山間の民家が点在している辺りでニホンザルの群れを見かけました。栄養状態が良さそうな写真のニホンザルは出産を控えたメスかも知れません。振り返れば、山頂パノラマあり、石仏や名瀑あり、野生のニホンザルありですから、風趣に富んだ森林浴になること請け合いです。

帰りのバスまで30分ほどゆとりがあったので、「払沢の滝」に通じる遊歩道入口にある<ギャラリー喫茶やまびこ>に立ち寄りました。新緑の景色と繋がった開放的な空間の居心地が良く、マスターと立ち話が弾みました。