値がさ半導体関連銘柄の騰落に一喜一憂~AI半導体エヌビディアの一人勝ち~

米エヌビディアが8月23日に発表した2023年5月~7月(2Q)の純利益は135億10百万ドル(約1兆9500億)。前年同期比9倍に急拡大し、前期の年間純利益を3ヵ月で達成したことになります。今や、GPUチップのリーディングカンパニー・エヌビディアはアップルやアルファベットと肩を並べる存在となり、「1兆ドルクラブ」(時価総額1兆ドル以上)入りを果たしています。同社の直近株価は471.63ドルですが、HSBCの600ドル⇒780ドルなど目標株価の引き上げが相次いでいます。

これを受けて、株価調整が続いていた日本の半導体関連銘柄が息を吹き返しました。以下、8月24日の主要銘柄終値です。ところが、翌日の8月25日は一転、半導体関連銘柄が大幅安。日経平均株価への寄与度の高い値がさ銘柄のアドバンテスト東京エレクトロンが大幅安となり、一時、日経平均は700円以上下落しました。この2社だけで日経平均を250円押し下げ、「NVIDIAラリー」は1日で収束した恰好です。4-6月期は世界の大手半導体装置メーカー9社のうち8社が減益でした。今後の業績を牽引すると見られるのはAI関連需要、7-9月期は底入れの兆しがみえるのでしょうか。

東京エレクトロン(8035):21750円⇒20460円(前日比-5.93%)
● ディスコ(6146):27930円⇒26250円(前日比-6.02%)
● SCREEN(7735):14520円⇒14020円(前日比-3.44%)
アドバンテスト(6857):19660円⇒17695円(前日比-9.99%)
● レーザーテック (6920):22215円⇒20675円(前日比-6.93%)
SUMCO(3436):1951.5円⇒1940円(前日比-0.59%)
信越化学(4063):4572円⇒4486円(前日比-1.88%)
● ソシオネクスト(6526):17090円⇒16180円(前日比-5.32%)

かつて「産業のコメ」と呼ばれたのは「鉄」。70年代後半から「鉄」に代わって「半導体」がこう呼ばれるようになりました。半導体銘柄は今後も相場の行方を左右する存在で、先に述べたように動きが激しいだけに、常に監視が必要です。