仮想通貨「NIDT」IEO~どん底からの奇跡の復活~

今年3月末、初参戦した仮想通貨「NIDT」IEOの初値は1.835円、販売単価5円の半値にも満たない散々な出足でした。生兵法は大怪我のもとを地で行く、これ以下はない最悪のスタートになりました。元々期待値は低くトントンか微益だろうという予想でしたが、それすら見事に裏切られ爆損を被って元本回収なんて夢の亦夢・・・・やっちまったのです。

「NIDT」はNippon Idol Tokenのイニシャルで販売概要は以下のとおりです。販売総数は3億枚ですから資金調達総額は15億円になるはずでしたが未達の10億円という結果でした。募集は抽選を謳いながら全プレとなり申し込んだ10万口(5円/NIDT X 100000)が交付されました。払込・投資金額は8%もの法外な手数料を加えた54万円、手数料込みの1単位当たりの投資原価は5.4円になりました。

IEOの調達資金は新規アイドル創造プロジェクト「IDOL3.0 PROJECT」に充当されます。プロジェクトの総合プロデューサーを務めるのはAKB48乃木坂46などのプロデューサーで知られる秋元康氏。個人的にはアイドルグループへの興味は皆無。正直、この怪しげなプロジェクトへの投資をかろうじて正当化せしめたのは人寄せパンダ・秋元康氏の存在だけでした。発行会社オーバースのウェブサイトには次のような活動方針が紹介されています。漠然とした青写真に過ぎませんから実体は藪の中、秋元康氏の手腕だけが頼りだったのです。

一番驚いたのは、取引開始日が販売会社2社で異なったこと。coinbookが先行し、自分も含めDMM Bitcoinで参加した投資家が後塵を拝したこと。その上、流動性が乏しいせいで両社が提示する売買スプレッドの開きが極端に大きく、最低限の取引基盤さえ整備されていない印象を受けました。取引開始から1週間で投資した40%を泣く泣く損切りし、残るは敗戦処理のみです。

売り指値水準と現実の乖離にため息をついているうちに3ヵ月余りが過ぎて迎えた今日、突然、「NIDT」が急騰したのです。思い当たるニュースと言えば、オーディションFinal Stageに進む35名のうち12名が先週末に決定したことくらい。前日比で2倍を超える水準まで価格が急騰したので、残る買いポジションをすべて売却し、トレードからウオレッㇳへ振替したところです。しばらくすると、「NIDT」の提示価格スプレッド拡大に関するメッセージがフラッシュし値幅が拡大、15:30過ぎからは午前中の値上がり分を吐き出しかねない勢いで急落中です。ポジションを解消し安堵した矢先の暴落に唖然とするばかりです。

今日のトレードで最終損益はプラスに転じ+9%で奇跡的な撤退を果たしました。投資資金はすべて回収し仮想通貨取引から足を洗うつもりです。株式市場や為替市場とは対照的に流動性に致命的な課題を抱えるビットコインは与し難いと判断したからです。