歓迎:コンビニの「高級おにぎり」路線

おにぎり愛は人一倍あると思っています。秋晴れの運動会のランチタイムに子どもと一緒に頬張ったおにぎりの味や焼鳥屋の〆に必ず注文した「塩にぎり」など、おにぎりに纏わる記憶は数知れません。

日帰り登山のとき持参するのは大抵コンビニのおにぎりです。エネルギーになりやすい糖質を多く含むおにぎりは、登山における最強の献立です。いつの頃からでしょうか、海苔のパリパリ食感を損なわないようにとフィルムでごはんと海苔が分離されて包装されるようになりました。直巻派としては、海苔とごはんは一体であってこそのおにぎりと思っています。フィルムを剥がす手間も煩わしく感じられます。

ところが、ここ数年、単価の高い「高級おにぎり」がコンビニの店頭で目につくようになりました。利用頻度の高いセブン-イレブンは八代目儀兵衛監修の「手巻きおにぎり」を発売するなど、おにぎり党のハートを鷲掴みする商品と続々と登場させています。気になるのはどんなお米を使っているかという点。八代目儀兵衛がシングルオリジンのブランド米に頼らない、理想の「ブレンド米」を完成させたと云います。対する競合会社のローソンも負けじと、今月上旬、新製法でふっくら食感を打ち出した新商品を投入しました。ごはんの押し方を従来の2方向から側面を含む4方向から成形するスタイルに切り替えたのだそうです。これらの商品は、フィルム包装されず、紙袋に入っています。最近、登山に持参するのはこうした「高級おにぎり」です。悩みの種は店頭の品揃えが乏しいことに加え、不用意にザックへ突っ込むと形が崩れておにぎりが台無しになることです。

ローソンが発売したばかりの「熟成生たらこ」(税込み:235円也)を購入し、早速、実食してみました。写真・上のように海苔が直巻きされています。空気がほどよく含まれていて柔らかい食感が持ち味です。おにぎりに含まれる空気の量が従来比30%増という謳い文句を実感できます。塩加減は控えめで具材の生たらことごはんのバランスが絶妙です。妻曰く、もう少し握りが硬めで粒立ちに勝るセブン-イレブンが良いのだと。こうなると好みとしか言いようがありません。

たかがおにぎり、されどおにぎりです。ローソンは12年ぶりにおにぎりの新成形機を導入し、気合十分のようです。おにぎり好きの亭主に忖度したのか、或いは、亭主が絶賛するコンビニの「高級おにぎり」に触発されたのか、妻が海苔も巻かない写真(上)のような自家製おにぎりを食卓に出すようになりました。手水を省くのがポイントのようです。上出来のおにぎりで気に入っています。海苔が却ってお米の風味を損なっていることに気づかされました。