「ゴリラガラス」の正体

iPhoneに使用される「ゴリラガラス」を供給しているメーカーをご存知でしょうか。初代iPhoneから継続してガラスを供給するのは米コーニング社、デュポンやP&Gに肩を並べる超老舗企業でありながら、日本での知名度はさほど高くありません。知っている方は少数派でしょう。

一方、メーカーは知らずとも「ゴリラガラス」なら知っているという人は大勢いるでしょう。屈強なゴリラになぞらえた命名はドンピシャでした。試作段階でポケットにiPhoneを鍵と一緒にしておくとカバーガラスに傷が付くこと気づいたスティーブ・ジョブズが、コーニング社CEOに衝撃に強いカバーガラスに製造を依頼したことに端を発し、「ゴリラガラス」は急速に普及していきます。今や、スマホ全体で20%強のシェアを誇る怪物カバーガラスです。

今年は、2年ぶりに15回落としても割れない6代目「ゴリラガラス」が投入されるそうです。コーニング社の副社長曰く「わたしたちは平均年7回スマホを落とす」のだそうです。手から滑り落ちた軽微なものも含めると確かにその通りかも知れません。実は最近も登山でやらかして、カバーグラスを保護するLEPLUSの保護フィルムを破損させてしまいました。9H、0.2mの保護フィルムを取り替えたことは数え切れません(かなりコストを払っています)。こちらも「ゴリラガラス」製、保護フィルムを装着させなくても大丈夫なのか?iPhone初代が投入されてから11年、成熟産業と化したと見られるスマホビジネスが、企業努力を怠らず進化を重ねる姿に胸が熱くなります。