2020年の登り初めは蠟梅香る寶登山(ほどさん)へ

先週末は澄み切った青空が拡がり、絶好の行楽日和。関東一とも言われる蠟梅(ろうばい)*を見ようと関越自動車経由、日曜日2月2日の早朝、秩父へ向かいました。この日は西暦表記で20200202、まるで回文ではありませんか。おまけに令和2年2月2日、数字の2が揃いに揃ったものです。そんな珍しい数字合わせのせいでしょうか、お天気が味方してくれました。冬場の登山は風が大敵、気温は10度前後ながらこの日は殆ど風がなく穏やかな1日でした。

都内から90キロ足らずの近場にある秩父は、名所旧蹟に恵まれた日帰り可能な観光スポット。夏場や紅葉時期の「長瀞岩畳」ライン下り、「和同遺跡」、パワースポットの秩父三社(「秩父神社」・「寶登山神社」・「三峰神社」、「秩父温泉郷」)、ユネスコ無形文化遺産にも登録された「秩父夜祭」など、魅力は尽きません。土屋太鳳さん出演のユーモラスなCM「ちちんぶいぶい秩父」も、集客に一役も二役も買っているように思います。

長瀞町に聳えたつ寶登山(ほどさん)は標高497.1m。低山ながら山頂からは武甲山をはじめとする秩父連山や雪化粧した浅間山まで一望できて、パノラマ眺望は見応え十分です。冬場、特に1~2月の山野は草木が萌え始めるまで殺風景なものですが、寶登山・山頂には見事な蠟梅園(ろうばいえん)が拡がります。今年は1月11日から3月15日までの日程で「長瀞ロウバイまつり」が開催されています。日没から19時までLEDでライトアップされるそうです。この時期、麓の寶登山神社境内奥の登山口から50分あまり登れば、3000本余りの蠟梅(「満月」「素心」「和ろうばい」の3種)が鮮やかな黄色い花弁と芳香で出迎えてくれます。関東一円を見渡しても有数の蠟梅園だそうです。寶登山神社正面左手の道路を進むと、宝登山ロープウェイを利用してわずか5分で山頂にたどりつけますが、往復で830円かかります。蠟梅が見頃のこの時期、乗車までかなり待たされるのではないでしょうか。駐車場もほぼ満車状態でした。時間に余裕のある方には軽登山をお勧めします。よく整備された幅広の登山道がありますから、お子さんやお年寄りの方でも無理なく登れます。

ぬかるんだ階段を登り切ると頂きにレストハウスがあります。右手に数本蠟梅の木があって芳香が鼻孔をくすぐります。レストハウス売店では無料で観光客に甘酒がふるまわれ、心も身体も温まりました。山頂までそこから5分程度、途中に三分咲の東ろうばい園、その先に見頃を迎えた西ろうばい園が拡がっています。山頂標識の周りには記念撮影をする登山客でごった返していました。山頂付近には、登山口の寶登山神社(西暦110年創立)の奥宮がありますから、お参りしてご朱印も頂いてきました。奥宮前の一対の像は、狛犬ではなく山犬(狼)さまです。寶登山神社は、秩父地方にある狼信仰の社のひとつなのです。

晴天で風が吹かない日を選んで、次回はおにぎり持参で山頂ランチするのも悪くないと思いました。2020年の登り初め、ヤマスタもゲットして上々のスタートになりました!

*蠟梅(ろうばい)はクスノキ目・ロウバイ科・ロウバイ属に属する広葉の落葉低木の一つですが、バラ科サクラ属の梅とは別物です。