日帰り冬山登山|北横岳・縞枯山篇

本格的な冬山シーズンを迎えています。今週、特急あずさ1号(新宿発7:00)に乗車し茅野駅に向かいました。めざすは、八ヶ岳北端に位置する北横岳と縞枯山です。勝沼を過ぎたあたりから澄み切った青空が拡がり、車窓からは金峰山瑞牆山南アルプスの峰々がきれいに見えました。久しぶりに降り立った茅野駅・東口がすっかり様変わりしていたので驚きました。駅と直結する茅野市の文化複合施設(茅野市民館)が立派なランドマークになっています。帰宅して、日本建築学会賞日本芸術院賞を受賞した施設だと知りました。街の玄関口に美しい景観を整えた茅野市はさすがです。

駅のロータリーで友人と合流。スタッドレスを装着したコンパクトカーを借りて北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅駐車場へ移動しました。10:00発のRWに滑り込みセーフ。乗り遅れたら1日の行動計画に支障を来たすところでした。たった7分で標高差466mを稼いで山頂駅へ到着すると坪庭の入口でキツツキが出迎えてくれます。ここで軽アイゼンを装着し、北横岳山頂まで約1時間の雪山ハイクです。視界は良好でトレースもしっかり残っているので、軽快に高度を上げていけます。途中、北横岳ヒュッテのベンチで休憩する10名超の団体を横目に先を急ぎました。ハイシーズン然り、団体登山者が前につっかえているとロスタイムが発生しかねません。タイムキーパーとして備えよ常にです。

北横岳南峰から緩やかなスロープを上がれば北峰(2480m)です。目の前に諏訪富士こと蓼科山が鎮座し、その先に北アルプスの稜線が優美に連なります。雲の切れ間を見計らって諏訪富士をバックに記念撮影をしたあと、温かいカップ麺で暖を取りました。幸いこの日は風が穏やかで寒さがさほど気にならなかったので、しばらく山頂にとどまって360度の展望を楽しみました。上空の風が強いせいか雲が絶え間なく動いています。

約30分下って青い屋根の縞枯山荘を通り過ぎると、縞枯山への直登が待ち構えていました。アイゼンにトレッキングポールがないと前へは進めません。40分ほど滑りやすい急勾配と格闘したら山頂(2403m)でした。そのまま尾根道を進み、八ヶ岳を望む展望台でおやつのぜんざいを温めて頂きました。吹きっ晒しの展望台ではなかなか水が沸騰してくれません。ザックポケットのペットボトルがシャーベット状になっていたので外気温は氷点下だったのでしょう。吹雪けば尾根道(写真下:尾根道沿いのシラビソが帯状に枯れています)のトレースは忽ち消えてしまうので、冬山は気象条件の見極めが肝心です。

終日、穏やかな日和に恵まれたので、帰りはRWを利用せずに小一時間かけて山麓駅まで歩いて下りました。途中、登山道がゲレンデを横切るフォトジェニック・スポット(写真下)がありました。RWや帰りのバスの時間を心配せずに日帰り雪山ハイクを満喫出来たのは、偏に特急あずさとレンタカーのお蔭です。