ワインセラーの封印を解いて~ルチェンテ【2009年】は飲み頃でした!~

少々値の張るワインはワインセラーに寝かせて特別な日に抜栓することにしています。といっても、特別な日がそうそうあるわけもなし。衝動買いした高級ワインはとうとう家庭用ワインセラーのスペースを占拠し尽し、溢れたワインが寝室の片隅に置かれた段ボールに詰め込まれる始末。夏に向かって、本来、冷暗所で保管すべきワインがこんなあり様では先が思いやられます。ワインセラーを追加購入することも検討しましたが、いたちごっこの可能性が否定できません。

そこで一念発起、いつか飲もうと溜め込んできたセラーのワインを徐々に消費していこうと決意しました。手始めに抜栓したのは、スーパー・タスカンで知られる「ルーチェ」のセカンド「ルチェンテ(2009年)」。下のヴィンテージ・チャートは、ワイン・アドヴォケイトのHPから拝借したものです。ロバート・パーカー氏が運営するHPのヴィンテージ・チャートには、誰でもアクセスできるので、収穫年ごとの主要産地のブドウの出来不出来を判断したいときとても便利です。黒く囲んだ部分が2009年のイタリアワインのレーティングです。「ルチェンテ」の産地トスカーナ州(3ヵ所)は、最上位のExtraordinary(並外れている)とそれに次ぐOutstanding(傑出)と評価されています。

ワインは熟成と共に色が変化します。6~7年経つとアントシアニンが殆ど失せてしまいます。「ルチェンテ(2009年)」の色合いは「ガーネット」、グラス越しには黒みを帯びて見えます。ブレンド比率は、メルロー50%・イタリア原産サンジョヴェーゼ35%・カベルネ・ソーヴィニヨン15%です。「ルーチェ」はメルローとサンジョヴェーゼが50%ずつですから、カベルネ・ソーヴィニヨンブレンドしたセカンドは新しいスタイルだと言えます。熟成したワインを飲む場合は、普段より口径の大きなワイングラスで飲むことにしています。タンニンが後退し果実味とのバランスが絶妙で、余韻嫋々の素晴らしい出来栄えでした。飲み渋った甲斐あって「ルチェンテ(2009年)」はまさに飲み頃、当たり年のワインは裏切りません。

いつどこで買ったのか・・・思い出せません。あらあら、ボトルにISETANのシールが貼ってありました。2017年に伊勢丹新宿本店のイタリア展で購入していたようです。5年もセラーに眠っていたわけです。コロナ禍の影響で、最近はフランス展やイタリア展で試飲や試食はご法度。バイヤーさんの熱心な説明に耳を傾けながら、試飲を重ねたデパートの物産展が懐かしい!「ルチェンテ(2009年)」は、きっとバイヤーさんの「あと1本・・・」なんて口車に乗せられて買っちまったに違いありません。