3年ぶりのサントリーホール「オープンハウス」

春恒例のサントリーホール1日開放イベント「オープンハウス」(有観客)が3年ぶりに開催されました。去年はオンラインイベント「デジタルオープンハウス」でしたので、多くのクラシックファンがこの日を待ちわびていたことでしょう。小ホールではお子様向けの音楽ワークショップが開催されたので、会場で若いファミリー層を多く見かけました。チケットは先着・事前申込制。何とか大ホール(全2006席)のオルガン&オーケストラのチケットを確保しましたが、ブルーローズ(小ホール)のチケットは入手できませんでした。プッチーニの『ラ・ボエーム』やヴェルディの『椿姫(「乾杯の歌)』をライブで聴けなかったのが心残りです。

大ホールの演目をご紹介しておきます。

■オルガン
出演:冨田真希
曲目:
J. S.バッハ:『トッカータとフーガニ短調 』BWV565より「トッカータ
J. S.バッハ(デュリュフレ 編曲):『主よ、人の望みの喜びよ』BWV147より
ギルマン:『ヘンデルの主題による宗教的行進曲』
■オーケストラ
出演:指揮 碇山隆一郎、横浜シンフォニエッタ
曲目:
ヘンデル:「アラ・ホーンパイプ」(『水上の音楽』より)
グリーグ:「春」(『2つの悲しい旋律』より)
ブラームス:『ハンガリー舞曲第1番ト短調
メンデルスゾーン:「交響曲第4番イ長調『イタリア』より第1楽章 」

サントリーホール自慢のパイプオルガンは世界最大級、パイプ総数は5898本あります。陣取ったのは前方RAブロック6列目、パイプオルガン奏者を右斜め背後から眺める位置関係になります。「音の宝石箱」と称される大ホールに響き渡るJ. S.バッハの美しい旋律にすっかり魅了されてしまいました。帰宅して、カール・リヒターの『J.S.オルガン名曲集』を引っ張り出して、BWV565をもう一度聴きました。リヒターのオルガン演奏は確かに最高峰ではありますが、楽器の王様と呼ばれるパイプオルガンのライブの迫力には敵いません。

後半は聞き覚えのある名曲ばかり。指揮者碇山さんの軽妙洒脱なトークを挟んで演奏が続きます。RAブロック(写真上手前)はヴィンヤードならではのポジション、指揮者を真横から眺めながら、身体表現による指揮法をじっくり観察させてもらいました。演奏中、赤ちゃんの泣き声やちびっ子の声が聞こえてきましたが、「オープンハウス」ならではのご愛敬、聴衆は温かく受け止めていたように思います。アンコール曲は、ウィーン・フィルニューイヤーコンサートの定番アンコール曲でお馴染みの「ラデツキー行進曲」(ヨハン・シュトラウス1世)。アンコールを含め演奏時間は約1時間、あっという間でした。