2022年2月22日〜二番手の逆襲〜

今日は2022年2月22日。今世紀で最も2が揃う日になります。たまたま自宅の現住所に2が5つ使われていることもあって、2という数字にはご縁を感じます。そして、2月22日はニャンニャンニャンで「猫の日」でもあります。そんなわけで、今日はナンバー2につい考えてみることにします。

北京冬季オリンピックが終了したばかりですが、2位=銀メダルになった選手の悔しさはアスリートでなくとも痛いほど分かります。二番手、二番煎じ、2位に甘んじるなどなど、数字の2にはとかく敗者のイメージがつきまといます。実際、1位は記憶に残っても、2位は忘却の彼方ということが多々あります。日本一の山はご存じ富士山。では、2番目に高い山は?と問われて北岳(3193m)と答えられる日本人は少数派ではないでしょうか。

そんなナンバー2の消極的側面に対して、ポジティブシンキングを試みることにします。北京で圧巻のパフォーマンスを披露し男子ハーフパイプ金メダルに輝いた平野歩夢選手はソチ、平昌と銀メダルに甘んじてきました。両大会で連覇したのはショーン・ホワイト(米国)です。平野選手は2度もホワイト選手の後塵を拝して消沈していたわけでは決してありません。寧ろ、同競技の偉大なる先輩ホワイト選手に敬意を払い、彼の背中を追いかけ乗り越えようと弛まぬ努力を重ねたのです。スポーツ競技に限ったことではありません。ビジネスの世界でも圧倒的な存在感を誇示するナンバー1の蔭で、2位以下がしのぎを削り、対等のポジションまでのし上がってくることは珍しくありません。戦後、長らくトップシェアを誇ったキリンビールが、スーパードライの投入で息を吹き返したアサヒビールにトップの座を明け渡したケース然り、ミラーレス市場で熾烈な首位争いを繰り広げるキャノンとソニーのケース然り、良きライバルの存在自体が新商品開発や改良を促すという好循環を生み出しているのです。巻き返しを狙うキリンは11年ぶりに首位を奪還、キャノンもミラーレス市場で先行したソニーのシェア奪回に成功しつつあります。

都市に当て嵌めれば、首都東京に対して大阪は常に独自の存在感をアピールします。大阪弁、食文化、阪神タイガース、吉本興行等々、こうなると宿命対決の構図は誰の目にも明らかです。第2の大都市は横浜のはずなのに、大阪はこうした強烈な対立軸を巧みに利用して横浜を東京の付属品のようにしてしまいます。米国でも人口で勝るLAに対してシカゴが”the Second City”の定位置を確保しています。

こう考えると、ナンバー2というポジショニングは戦略的に見ても悪くない選択です。2009年の民主党政権成立直後、事業仕分けの過程で蓮舫議員が「2位じゃダメなんでしょうか?」と発言し話題になりました。官僚たちは絶句したようですが、この意表をついた発想は、行政における選択と集中を考えさせるいいきっかけになったのだと思います。今や日本のGDP規模は世界3位、2位中国の3分の1程度と大きく引き離されてしまいました。受験や就職においても、二番手、三番手を狙うという戦略的選択もありではないかと思うのです。