耐久消費財の寿命が尽きるとき~コロナ禍の悲劇~

この時期一斉に書店や文具店の店頭に並ぶビジネス手帳を買い求めて、新年の抱負について思いをめぐらしています。1年を通しての目標や決意を具体化し、可能なかぎり数値化するようにしています。健康面なら体脂肪率や体重の目標値、投資であれば目標利回りということになります。いずれも自然体でどうにかなるものではありませんので、目標達成に向けて相応の努力や戦略が必要になってきます。

同時に、新年の支出についても検討することにしています。2021年は自家用車の買換えが一番大きな出費でした。幸い、車種選定や下取り等、ほぼ狙いどおりに進められたので、ちょっとした達成感を味わえました。数年越しで、対象車種を試乗したりメカニックに相談したりと、プロセス自体も楽しみました。コロナ禍の影響で海外へ渡航できない分、家計の支出は国内回帰が鮮明でした。

ところが、2022年以降の支出を真剣に考えだすと暗い気持ちに苛まれます。というのは、我が家の耐久消費財が一斉に買換え時期を迎えるからです。戸建てであれマンションであれ、お引越しに伴い、所謂白物家電を一新する家庭が多いのではないでしょうか。それから10年も経てば、また更新時期がやって来るというわけです。我が家の場合、早晩、次のような設備機器の寿命が尽きるのではないかと心配しています。いずれも値の張る設備ばかりで単年度にすべて寿命が尽きると仮定すると、総出費は国産セダン1台分くらいでは到底足らないでしょう。

冷蔵庫      (平均寿命:12~13年)
ウオシュレット   (平均寿命:7~10年)
ガス給湯器    (平均寿命:10年前後)
全館空調設備    (平均寿命:15~20年)

マンションであれば修繕積立金にあたるような設備機器積立金を計画的に貯めておけば事足りるわけですが、そんな計画性のある家庭はごく少数だと思います。殆どの家庭は、壊れてはじめて寿命が尽きたことに気づき、慌てて修理や買換えに走るのではないでしょうか。ところが、長引くコロナ禍の影響で部品(特に半導体)のサプライチェーンに綻びが生じていて、足元、給湯器やウオシュレットの納入に最低でも数ヶ月は要するのだそうです。

給湯器の市場シェア8割を占めるリンナイノーリツが「納期遅延に関するお詫び」をHPに掲載しているくらいですから、事態は深刻です。冬場に温水の供給を断たれると、お風呂抜きになりますから、病人や受験生を抱えた家庭は、万一に備えた対応策を練っておくべきかも知れません。