吉祥寺の<ブックマンション>を訪ねて

昨年7月、吉祥寺にオープンした<ブックマンション>を初めて訪れました。以前、「シャポー・ルージュ」(旧「バンビ」)という名前の老舗洋食店があった商業ビルの地階スペースが新しいスタイルの古書店に変貌していました。営業日が水/金/土/日(13:00~17:00)と変則的なので、訪問されたい方はあらかじめTwitterで確認しておくといいでしょう。

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写真のように、天井まで届く書棚は31㎝四方に区切られ、ひと枠3850円(月額)で借りることができます。この程度のコストなら、だれでも本屋さんになれそうです。店主になれば、31㎝四方の空間を自在に使ってオリジナルブックショップを開業できるのです。本のマイクロ・セレクトショップといったところでしょうか。但し、スペースは限られているので単行本だと10冊収納するのがやっとではないでしょうか。画集や図録のような大型本を陳列することは出来そうもありません。種々雑多な本が詰め込まれた書棚が多い印象でした。スペースが限られているだけに、広島ファンの棚のように、ジャンルを絞ってくれた方が間違いなくお客さんにとって好都合なはずです。

個性的な書棚のなかでひと際輝いて見えたのが、宮本恵理子店主の個人書店「言葉とペンとアップルパイ」。「日経WOMAN」などの雑誌編集・取材執筆に携わった方のようです。小さな額に入った手書きのポップが素敵でした。

この日、お店番をなさっていたのは、所沢に住む40代の女性でした。No95の書棚のオーナーで店名はtanabota books。お子さん通う小学校で絵本の読み聞かせをしているうちに、絵本のお店を開いてみたくなったのだそうです。善は急げとばかり吉祥寺で試運転を開始、将来はお住まいの所沢で本格的な絵本専門店を開業なさるのでしょうか。

お店番はやりたい人が手を挙げてするスタイル。ネットショップと違って、お客さんと直に会えるのが実店舗ならではの利点ですから、並べた本に買い手がついて、その本を媒介に買主との会話が弾めば店主の思う壺なのでしょう。

P.S. 2021年10月、渋谷ヒカリエ8階に「渋谷○○書店」がオープンしたそうです。吉祥寺の<ブックマンション>同様、シェア型書店の登場です。