英検以外の外国語検定にチャレンジしてみる〜第二外国語不要論に待った〜


独学でフランス語を学習し始めて1年あまり。昨年秋季にエントリーレベルの5級を受験、昨日は試験会場の青学で4級を受験してきました。テキストは一冊、『教えて仏検先生』シリーズを選択しました。春季と秋季の年2回試験がある仏検は、自分のような独学者にとって到達度レベルをチェックできる格好の機会です。

英検の志願者総数(2016年度)は339万人、前年度から16万人も増えています。学校英語では到底高度な英語力を身に着けることは出来ませんから、むべなるかなです。TOEICは日常会話に重きを置いたヒアリング重視の試験、一方、英検は3級から面接があります。TOEICヒアリング力を磨いて、英検で語彙力や会話力を培うというのが効果的な学習方法かも知れません。

仏検の場合、2017年度の出願者総数はわずか25899人(受験者はその88%)。英検の1%にも満たないこの数字にかなり驚かされました。道理で受験料が高いわけです。大学で履修する第二外国語は、近年、ドイツ語(17%)、フランス語(16.7%)、中国語(16.2%)が人気度で拮抗しています。にもかかわらず、これら三つの外国語検定の出願者数は似たり寄ったりで、英検の足元にも及びません。<仏検を受験する>と知人に話すと、<仏像検定>ですかと聞かれ認知度の低さに愕然としました。

東京オリンピックが2年後に迫るなか、日本人の外国語習得状況はお寒いかぎりと云わなければなりません。今年4月から小学校(5/6年)でも英語教育がはじまり、2020年からは小3・4でも授業が行われるようになります。今後、小学校レベルで600〜700語程度の語彙を習得することになるようです。こうした教育改革にもかかわらず、公立中の英検3級取得者はまだ40%と文科省目標の50%に及びません。高3が目指すべき英検準2級も39.3%と目標の50%に届きません。

動画配信サービスを利用していつでもネイティブスピーカーにアクセスできるIT時代になっても、日本人にとって外国語習得は依然険しいハードルの儘なのです。教員の質の向上や外国人教員の採用などまだまだ改善余地はありそうです。

そんな状況ですから、第二外国語に至っては殆どの日本人には無用な存在に違いありません。かたや、ヨーロッパでは母語プラス2言語を学ぶことが域内の教育の柱として確立しています。以前、チューリッヒに駐在していた折、勤務先のスイス人は大抵数か国語を話せましたし、5〜6か国語操る人も少なくありませんでした。スイスには公用語が4種類存在し、駐在中は、文化の多様性を肌で感じる毎日でした。言語は、他国の文化を知る上でもっとも重要な手掛かりです。外国人がたどたどしい日本語で我々に話しかけてきたときに感じる親しみを、我々も異国の地で率先してその国の言葉で話しかけ感じてもらうべきなのです。

外国語を1つ学ぶだけでは、世界が閉じていくことに加担することになってしまう、そんな危惧感を日本人も共有すべき時代なのです。

教えて仏検先生3級―絶対合格・対策問題集

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