厳冬のオホーツク海沿岸を旅する(2) 〜吹雪ドライブ初体験記〜

天候急変で「おーろら号」乗船を断念、プランBに頭を切り換えました。季節や天候に左右されるイベントは旅には付き物、団体旅行ではメインイベントがこけてしまうと修復不能なダメージを被りかねません。春の花見ツアー企画などはその典型かも知れません。

週間天気予報である程度天候急変を予期していたので、今回は女満別空港で4WDのコンパクトカーを借りることにしておきました。個人旅行の場合、自家用車やレンタカーで移動の自由さえ確保しておけば、機動的にバックアッププランを行使できるからです。北海道を旅行する場合、札幌などの例外を除けば、運行本数の少ない列車移動に頼ることは危険です。冬場はなおさらです。3月2日は、発達した低気圧が通過した影響で、JR北海道が1日に運行する全列車の4割に当たる545本が運休となってしまいました。

翌3月3日にウトロで流氷ウォークに参加する予定だったので、宿泊先は網走とウトロの中間地点の斜里町に手配してありました。これが思わぬ災いを招くことになります。初日の最終観光地「博物館網走監獄」を出たのが15:45、そこから目的地のJR知床斜里駅前までは約43キロ。1時間足らずで到達できる距離です。

ところが俄かに暴風雪の勢いが増し、次第に視界が遮られるような状況に。対向車だけではなく後続車にも存在を察知されるようにと前照灯を点灯、先を急ぐと大型の除雪車が向かってきます。こうなるとスピードダウンするしかありません。斜里国道(244)から道道769号線に入ると、さらに天候は悪化、北西から容赦なく暴風雪が襲います。防雪柵がない場所では幾度もホワイトアウトに近い状況に陥りました。<北の道ナビ>によると、雪の量X風速が大きくなると視程障害が顕著になるということです。

最大の難所は目的地まで2キロ足らずに迫った地点。対向車とすれ違ったのでナビに従い通行止めの標識は無視して進むことに。わずか1.2キロを15分はかけたでしょうか、何とか切り抜ける日没前にホテルにチェックインできました。確認すると対向車線も通行止めになっていました!夜間除雪を行わない道路であることを、翌朝再び通過して知りました。幸いだったのは、日没前に目的地に到達できるようにと、余裕をもって早めに網走観光を切り上げたことでした

「道の駅」には<吹雪ドライブのコツ>と題するパンフが常備されていて、あらかじめ目を通しておけば、今回のような危機的状況に上手く対処できそうです。「吹雪ドライブ」という言葉は初耳でした。初めて体験した「吹雪ドライブ」を通して得た教訓を以下整理しておきます。

1.前照灯は必ず点灯する
2.十分な車間距離と減速を心掛ける
3、レンタカーの場合、4WD車を手配する
4、タイヤハウスの雪だまり(づまり)の頻繁な除去(スノースクレーパーの有無の確認)
5. ヘッドランプ・テールランプの雪の除去
6.雪景色からトンネルへの暗順応に注意(ブラックアウトになるので減速マスト)
7.フロント・リアウインドへの頻繁なワイパー(ウィンドウオッシャー液補充)