【徹底ガイド】芳ヶ平湿地群半日トレッキング

お盆休みは奥草津へ遠征、半日トレッキングを楽しんできました。めざす目的地は芳ヶ平湿地群、起点は9:00開門のチャツボミゴケ公園になります。都内自宅から関越自動車経由で3時間(距離180km)ほどかかります。渋川伊香保ICでアウト、R145号八ツ場バイパスを進みます。途中、道の駅「八ツ場ふるさと館」に休憩方々立ち寄ると、足湯があったりご当地長野原の名所丸岩城(まるいわ)や不動大橋を望めたりと思わぬ旅の副産物と出会えました。奥草津へと向かう一般道も景色抜群でドライブ冥利に尽きます。

芳ヶ平(よしがだいら)湿地群は、群馬県北西部に位置し、中之条町草津町に跨っています。草津白根山の火山活動の影響で形成された湿地帯で2015年8月にラムサール条約に登録されています。受付開始の9:00前にゲートで車を待機させ、開門と同時に駐車場へと進み、受付で入園料(600円)を支払います。そこからマイクロバスに乗り換えてチャツボミゴケ公園へ移動します。聞き慣れないチャツボミゴケ(茶蕾苔)とは、強酸性の温泉水の流れる場所で育つ大変珍しいコケで、「穴地獄」(写真下)が最大の群生地だそうです。国内で他に見られる場所は熊本県阿蘇だけです。

「穴地獄」(1250m)は10分足らずで一周できてしまいます。殆どの来園者は勿体ないことにここで観光終了のようです。トレッキング希望者は、受付で必ず周辺参考案内図を貰いましょう。さて、右手の林道からいよいよトレッキング開始です。左手へ15分ほど進むと「渋峠・芳ヶ平・大平湿原登山口」と書かれた立派な標識があってこちらからもアプローチできますが、時計と逆回りの方が効率的で下山が楽だと思います。「穴地獄」を起点に3つの池を通過し、八石山展望台でピークハント(ここからの眺望は見逃せません)、大平湿原(おおだいらしつげん)へと歩を進めます。標準CTは以下のとおりです。

穴地獄~水池(20分)

水池~大池(20分)

大池~平兵衛池(25分)

平兵衛池~八石山展望台(1590m)~大平湿原(40分)

大平湿原~芳ヶ平湿原(60分)

芳ヶ平湿原まで片道2時間45分。芳ヶ平ヒュッテまでトイレや水場が一切ないので要注意です。往復すれば5時間前後はかかりますから、9時開門と同時に入園しないと、マイクロバス最終の16:30までに戻ってくるのは難しいと思います。往路、すれ違ったのはわずか3組でした。高層湿原の尾瀬と比べると規模は1/10強、知名度が低いので入山者も少なく穴場ではないでしょうか。植生も豊かで尾瀬の400種類には及びませんが、四季折々180種類ほどの植物や県天然記念物のミヤマモンキチョウに出会えます。今回、足元を動き回る小さなカエルや大きなヒキガエルのほか、何種類ものトンボを見かけました。一部、写真でご紹介しておきます。

帰路は「穴地獄の頭」を通過するコースで一気に下山、登山口に戻ってきました。次回は芳ヶ平湿原や裏白根を一望できる日本国道最高地点について触れるつもりです。