不忍池の蓮〜見るなら早朝にかぎる〜

今年も大輪の蓮を見に不忍池に足を運びました。蓮は早朝に花を開かせ昼には花びらを閉じてしまいますから、早起きし車を飛ばして9時前には現地に入りました。このところどんよりした空模様が続いたため、過ごしやすくて助かりました。これが普段の年であれば、不忍池の周りを30分も歩けば汗が吹き出してきます。去年は蓮を見た後、たまらずかき氷屋に駆け込んだ記憶があります。

蓮は「三日花」とも呼ばれ、数日開花を繰り返したあと儚く散ってしまいます。そんな刹那を可憐に彩る蓮だけに、人は却って譬え難い気品を感じとってしまうのでしょう。極楽浄土にふさわしい花とされ、仏様が蓮華座にお座りなるのも道理です。潔い散り方も仏教の無常観に通じます。


2014年に完成した<蓮観察ゾーン>を歩くと、岸辺から眺めるよりも蓮の生態に迫ることができます。大きなものだと葉の直径は50センチ以上はあるでしょうか。中央部の窪みに葉柄があって、あちこちで大きな水玉が出来上がっています。葉柄には大きな穴がいくつもあって地下茎へと繋がっているのだそうです。泥水から湧き上がるように茎を伸ばして清らかな花を咲かせるところにも、蓮が尊ばれる理由があります。

<蓮は泥より出でて泥に染まらず>といいますからね。

<蓮の観察ゾーン>から弁天堂をバックに蓮を撮影するのがベストショットではないでしょうか。