「不可能」の反対は「可能」ではない、「挑戦」だ! by Jackie Robinson

最近、テレビドラマで主人公が「不可能の反対は可能ではない、挑戦だ」と語るシーンがありました。ピーンときた視聴者も多かっのではないでしょうか。その台詞の主、数々の名言を遺したジャッキー・ロビンソン選手のことを書いてみたくなりました。

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ジャッキー・ロビンソンは黒人初のメジャーリーグベースボール(以下:MLB)選手です。内野手でした。彼の活躍のお蔭で日本人を含む有色人種にMLBへ挑戦する道が拓かれたわけですから、ロビンソン選手の歴史的偉業は日本のMLBファンや野球ファンにもっと知られていいように思います。くだんのドラマの脚本家は、登場人物が病気で挫折しそうになったシーンでジャッキーの言葉を思い出したのでしょう。自分も記憶の扉をこじ開けられたように感じました。

「不可能の反対は可能ではない、挑戦だ」とはなかなか意味深な言葉であります。ところが、原文はかなりニュアンスが違います。直訳すれば、不可能と可能の違いは本人の決意次第といったところでしょうか。思うに、ロビンソン選手は不可能に見えるような挑戦も、本人の心の持ちようで思わぬ結果をもたらすこともあると云いたかったのでしょう。

The difference between the impossible and the possible lies in a man's determination.

初の黒人選手に対するいやがらせは執拗で対戦拒否する球団も現れたそうです。しかし、彼のポテンシャルを見抜いたブルックリン・ドジャースの会長ブランチ・リッキーは、能力のある選手なら肌の色に関係なく起用すると公言しブレることはありませんでした。選手としての人柄にも優れた紳士ロビンソンは、次第にチームメイトにも観客にも受け容れられていきます。

彼がデビューした1947年当時は人種隔離法下、レストランもバスの座席も白人と黒人が相席することは許されませんでした。MLBで成功を収めるまで想像を絶するような苦難があったに違いありません。彼のデビューから半世紀を経た1997年、彼の背番号42番は全球団で永久欠番になりました。さらに、2004年には彼がMLBデビューした4月15日が「ジャッキー・ロビンソン・デー」と定められ、全選手が背番号42番のユニフォームを着用してプレーすることになったのです。数ある名選手のなかでも、ジャッキー・ロビンソン選手が特別な人だということが分かります。


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ロビンソン選手といえば、もうひとつ有名な言葉(原文下)が知られています。徒に齢を重ねても自分以外の人間に対してポジティブな影響を与えられないようであれば無駄な生き方だということですね。

A life is not important except in the impact it has on other lives.

もし、他人に何かのインパクトを与えるような生き方が出来なかったとしたら、人生などそれほど重要なものではないと思う。