全仏オープンの不思議〜何故、フランス語コールなのか?〜

全仏オープンが始まりました。GS初制覇をめざす錦織選手、ノンシード相手の1回戦は辛勝でした。3月に右手首を痛めて1ヶ月半ほど戦列を離れていた影響が今も残るのでしょうか、3G先取という長丁場だけに、序盤は省エネ戦法でなんとか乗り切って欲しいものです。今夜は、苦手とされるフランス人選手との2回戦が行われるので、ライブ観戦の予定です。会場のローラン・ギャロスの観客は地元選手の応援にひときわ熱が入るそうですから、錦織選手は覚悟してプレイしなければなりません。

さて、全仏オープンでは、審判が英語ではなくフランス語でコールすることになっています。近代テニス発祥国は英国ですが、その原型はフランスの「ジュ・ド・ポーム」という王侯貴族の遊戯が起源とも云われています。頑固なフランス人がテニスの母国は我が国だと譲らないからでしょうか。審判はフランス人ばかりではないはずですので、ノンフレンチは試合のためにフランス語の特訓でも受けるのでしょうか。コートサーフェスはクレイ、コールはフランス語、郷に入れば郷に従えでとことんフランス流を愉しむに限ります。

フランス語の数の呼称はなかなか厄介です。スコアのコールは概ね次のようになります。英語では0-40をラブ・フォーティと云いますが、フランス語ではクァラント ゼロになります。15-15(フィフィティーン オール)は 15 à 15 の後半が省略されて15Aとなるのですね。

15-0: Quinze - Zero
30-0: Trente - Zero
40-0: Quarente - Zero

15-15: Quinze - a (キャーンズ ア)
Duce: égalité(エガリテ)
Advantage: avantage(アヴァンタージュ)

Set: manche(マンシュ)

テニスの試合とは関係がありませんが、フランス語の数え方は60進法と20進法が混在しています。デンマークは20進法ですからノルマン起源なのでしょうか。手ごわいフランス語の数え方、一部を紹介しておきます。

60 soixante
70 soixante-dix (60 + 10)
80 quatre-vingts (4 X 20)