的矢かき

宅配便という実に便利な流通手段が確立したことで、今や、いとも容易く産地直送の味覚を楽しむことができるようになりました。数年前の年の瀬に、三重県鳥羽待市浦村町を訪ね、養殖場併設の牡蠣小屋で生ガキ・焼ガキを食べて以来、すっかり真がきの虜になってしまいました。


今年は最高級と云われる的矢かき30個を現地の養殖場に注文し、つい先ほど、届いたばかりの生ガキを食べたところです。的矢かきは生で食べられる高級かきとして知られ、一流ホテルや料亭に供されることで有名です。業者曰く、届いてから3日くらいは生で食べても構わないのだそうです。カキはしばしば食中毒を引き起すため敬遠される方も多いかと思いますが、的矢かきは、毎朝、筏から採取され、浄化場で紫外線によって殺菌された海水に浸けられ、特殊な流れの中で約20時間飼育するという画期的な浄化方法(特許1006834)によって浄化されるのだそうです。

「海のミルク」と呼ばれるカキはきわめて栄養価が高く、アミノ酸亜鉛だけではなく、特にタウリンが多く含まれ、成人病の元凶とされる血液中のコレステロールの上昇を抑えてくれます。食卓で美味しい生がきが食べられるなんて夢のような時代ではありませんか。3月中旬までかきは大きく成長するので、これからがまさに旬、シャンパーニュとほうれん草のパスタをお伴にしばらく食卓は的矢かきで賑わいそうです。