気乗りしない劣後債投資

http://msp.c.yimg.jp/image?q=tbn:ANd9GcQez_yjWOWE_Ghq1pX39o_uItkjmVDmaaY8_Tn5_lzDlsONYchVIU6dTJag:http://blog-imgs-17-origin.fc2.com/y/o/k/yokinkinri/daiws-s120120.png今朝の新聞折り込みチラシに大和証券の<円建新発債券のご案内>を見つけました。チラシが増える週末とはいえ、大手金融機関(りそなと三菱東京UFJ)が発行する劣後債の販売用資料がスーパーや不動産屋のチラシに混じって届いたので少し驚きました。そういえば、昨日、大和証券の担当からも直接電話があったことを思い出しました。仮条件を見るかぎり、まったく食指が動かない利率水準だったので即座に見送りを決めました。

因みに、償還期間はいずれも約10年、当初5年の利率は両行の信用力格差を反映して0.40%の乖離こそあるものの、上限は1.40%と1.80%に過ぎません。リーマン破綻の翌年の2009年上半期に邦銀がこぞって発行した劣後債の発行条件は、おしなべて、今回より遥かに好条件でした。償還期間は実質3年(最長8年)、利率は2%台後半だったと記憶しています。3年前に発行された劣後債の大量償還は目前に迫っています。今回の個人向け起債は、行き場のない個人マネーを標的にしたあざとい商法に思えてなりません。真っ当な機関投資家であれば見向きもしないでしょう。

金利通貨による運用は、ここ数年、一向に歯止めのかからない円高の影響で悉く元本割れを来しています。誰しも最強通貨の円による手堅い運用を望むわけですが、市場では、期間3年で税引き後1%〜1.50%前後のリターンを狙える安全な金融商品が払底しています。だからといって、邦銀劣後のように金融機関が薦める商品に闇雲に飛びつくのはどうかと思います。

今年から来年にかけて「辰巳天井」と呼ばれるブル相場が到来すると云われています。弱気一辺倒ではROIの改善は望めません。リスク許容度を引き下げる一方ではなく、ときには上げてみて、これまで手掛けなかった投資商品にも資金投下をすべき時期ではないかと考えています。手始めに、邦銀劣後より1%以上利回りが高い米系投資銀行の優先債(期間10年)に資金を振り向けてみました。優先債ですから5年経過したあたりで中途売却してみるのも面白いかも知れません。