スティーブ・ジョブズ氏を悼んで

10月5日に56歳の若さで他界したスティーブ・ジョブズ氏を悼む声が日増しに増幅しているように感じます。オバマ大統領は「世界はビジョナリー(先見の明のある人)を喪った」と哀悼声明を発表しました。今週、ニューズウィーク日本版は「ジョブズ 天才の軌跡」と題した特集を組んでジョブズ氏の全功績を讃えています。〈世界の「明日」を何度も変えた〉というサブタイトルが決して大袈裟に響かないのはジョブス氏への讃辞のほんの一部に過ぎないからでしょう。ジョブス氏がめざした理想の集大成とも云えるタブレット端末iPad、今春、そのユーザーとなってジョブス氏が創造したバリューの数々に感動さえ覚えたことを思い出します。キーボードの代わりにタッチパネルを触ってパソコン並みの操作が可能になったiPad2はパソコンを凌駕しつつあるのかも知れません。ジョブス氏がデザインに強くこだわった点はアップル信者を飛躍的に増やすことに繋がったように思います。2005年、すでに癌に冒されていたジョブズ氏が母校スタンフォード大学の卒業式に招かれゲストスピーチを行っています。珠玉のスピーチがYouTubeに残されていますので興味のある方は是非聞いてみて下さい。14分余りのスピーチにはこれから社会に巣立つ若人に宛てた示唆に富むメッセージが散りばめられています。「今日が人生最後の日だったとしたら、今日やる予定だったことをやりたいと願うだろうか」という問いかけを毎日自分に課したジョブズ氏、彼だからこそ成し遂げることが出来た創造と変革の恩恵をこの瞬間も我々が享受しています。ITの旗手と同時代を生きる幸せに心から感謝したいと思います。7日から予約受付の始まったiPhone4Sは奇しくもfor Steeve、彼へのオマージュになったようです。